表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

おうさまとけらいのはなし

作者: 姶良 守兎

 むかしむかし ある ちいさなくにに

ひとりの おうさまがいました


 おうさまは とても あたまがよく だれもがそんけいするひとでした

おうさまのくには とてもちいさなくにでしたが

おうさまは くにのことを いっしょうけんめい かんがえ

くにのために いっしょうけんめい はたらきました


 そんな おうさまのすがたを みならって

こくみんたちも おなじように いっしょうけんめい はたらきました

そのけっか おうさまのくには いつしか とてもゆたかになりました


 そういうわけで おうさまは ひとびとに とても そんけいされ

みんな おうさまのいいつけを まもっていました


 おうさまが けらいに めいれいすると

けらいは すぐに そのめいれいを けらいのけらいにつたえます

けらいのけらいは さらに けらいのけらいのけらいに つたえます

けらいのけらいのけらいは さらに けらいのけらいのけらいのけらいに つたえます


 おうさまのめいれいは とても だいじなことばかりです

けらいのけらいのけらいのけらいは いっしょうけんめい

そのめいれいを こなします

でも それがなんのためなのか 

けらいのけらいのけらいから きいていないので わかっていません


 けらいのけらいのけらいは けらいのけらいのから りゆうをききましたが

よくわかりませんでした


 けらいのけらいも けらいから すこしだけ りゆうをききましたが

めんどうくさいので けらいのけらいのけらいには てきとうにこたました


 けらいは おうさまから めいれいのりゆうも もくてきも

はっきり きいているのですが おうさまのめいれいを つたえるだけで

それが どれほどたいせつなことなのか わかっていませんでした

とにかく きいたことは そのとおり 

けらいのけらいに つたえました 


 けらいのけらいのけらいのけらいは いっしょうけんめい

おうさまのめいれいを こなします

でも なぜそれをしないといけないのか けらいのけらいのけらいに きいても 

ぼくもしらないんだ としかいいません

でも がんばって じぶんのあたまでかんがえて くふうして しごとをこなしました

でも とても じかんがかかります


 おうさまは さいきん なにかがおかしいなと おもっています

どうろは ぼろぼろ れっしゃは おくれる ゆうびんは とどかない

まちなかには あやしいひとが うろうろしています

ゆたかだった おうさまのくには いつしか おかしくなってしまいました


 おうさまは しびれをきらして けらいに いったいどうなってるんだ? とききました

けらいは あわてて けらいのけらいを よびつけ いったいどうなってるんだ? とききました

けらいのけらいは けらいのけらいのけらいを よびつけ 

いったいどうなってるんだ? とききました

けらいのけらいのけらいは けらいのけらいのけらいのけらいを よびつけ 

いったいどうなってるんだ? とききました


 けらいのけらいのけらいのけらいは いっしょうけんめいやったけど

うまくいかなかったことを けらいのけらいのけらいに せつめいします

けらいのけらいのけらいは それをすぐに けらいのけらいに せつめいします

けらいのけらいは それをすぐに けらいに せつめいします

けらいは それをすぐに おうさまに せつめいします


 けらいのせつめいは けらいのけらいが はなしたことを

そのまま くりかえしただけでしたが

おうさまは とてもかしこいので なにがおきているのかを すぐに りかいしました

おうさまは ものすごくおこりました

けらいのけらいのけらいのけらいに ではなく

けらいと けらいのけらいと けらいのけらいのけらいに です

おまえら ぜんいん くびだ!

おうさまは さけびました


 おうさまは けらいのけらいのけらいのけらいを おうしつに よびました

けらいのけらいのけらいのけらいは そんなに りっぱなへやに

はいったことがないので ものすごく きんちょうしていました


 おうさまに ちょくせつ こっぴどく しかられるんだろうか

くにを おいだされるんだろうか

それとも くびを はねられるんだろうか


 おうさまは ぎょくざにすわっていました

けらいのけらいのけらいのけらいは ぼうぜんと たっていました

おうさまは いいました まあ すわりたまえ

とてもやさしそうだったので けらいのけらいのけらいのけらいは ほっとして 

いわれたとおり こしかけました

とても すわりごこちのよい りっぱな そふぁーでした


 おうさまは いいました

わたしのけらいや そのけらいたちには しつぼうした

ほんとうに わたしが たよらなければならないのは きみだ

これからは きみが 「あたらしいけらい」だ

きみには たくさん はたらいてもらわなければならない

このくには いま たいへんなことになっている


 せきにんは じゅうだいだ 

でも きみには あたらしい けらいのけらいを たくさん つけてあげよう

しごとでつかう おかねも たくさんある

もちろん きゅうりょうも もちろん たくさんあげる

いそがしくなるだろうから あまり やすめないかも しれないが

たまの やすみのひには かぞくをつれて りょこうにでも いくといい

おいしいものも いっぱいたべて えいようを つけたまえ


 「あたらしいけらいは」 とてもかんどうしました

そして みが ひきしまる おもいでした


 もちろん おうさまのために いっしょうけんめい はたらきます!

おうさまに そう ちかいました

とてもむずかしい しごとばかりでしたが 

「あたらしいけらい」の けらいも たくさんいるので だいじょうぶ

なにより しごとをいちばんわかっているのは 「あたらしいけらい」です

とにかく いっしょうけんめい はたらきました

すると それまで とどこおっていた しごとが どんどんすすみ 

おうさまのくには ふたたび とてもゆたかになりました


 おうさまは とても よろこびました

「あたらしいけらい」に まかせておけば あんしんだ

そして おうさまは しごとの すすみぐあいに なやまされることもなく

あんしんして おうさまのくにの みらいについて じっくりと かんがえることが できました


 やがて なんねんもの つきひが すぎました

「あたらしいけらい」は けらいのけらいのけらいのけらいだったころのことを

もうすっかり わすれていました

さいしょは 3にんだった けらいのけらいも いまは 300にん います


 あるひ おうさまは ふと あることが きになりました

そこで 「あたらしいけらい」に  あれ、どうなった?とききました.......


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ