英雄と歌
「・・・はぁ・・・黒死が元気無かった・・・?」
「そう、ボク、黒死になにかしてあげられないかなって・・・。」
「おめぇの気持ちもわかんなくはないケド・・・何で俺に相談するんだよ・・・。」
「今、黒炎ぐらいしか大人の人いないじゃないか。」
・・・子供のままってーのも面倒なんだなぁ・・・。
大人の人ね、俺だってまだそんな歳じゃあ無かったけど・・・。
頼られるのは悪い気がしねぇ。
でもなぁ・・・餓鬼の機嫌取りなんか相談されたって
検討もつかねぇしな・・・。
早く帰ってこい!黒雷!!
「子供の事は子供が一番わかってると思うんだけど・・・。」
「黒炎だって子供じゃないか。」
「どっちだよ!もう!」
「どっちも、でしょ?君くらいの年齢なら。」
「子供は苦手なんだよ・・・。」
黒雷みたいなこと言うね、なんて黒歌は言うけど
俺のは違うんだ、本当に・・・。
俺だって子供と仲良くしたりしたいなという気持ちは
なくもないんだけど・・・。
どう扱っていいのかさっぱりわからん!
喜怒哀楽が激しすぎるし落ちつきがない!
まったくもって面倒くさい!!
ほんと、子供は好きなんだけど・・・苦手だ。
「そうだ、黒死のやつ、黒雷の部屋によく出入りしてたし、そこの奴等に聞けばいいんじゃね?」
「ああ、黒雷がいっぱい連れて帰って、養ってる子供達。」
「そそ・・・ついでに、クロネコの様子見に行ってくれよ。」
「ええー・・・それってさぁ・・・そっちが君の本音なんじゃないの?」
うぐ・・・痛い所をついてくる
だって仕方ない、気になるものは気になるんだよ。
あんな言い方しちゃったし、落ち込んでるんじゃないかって
こんなふうになるなら、言わなければ良いのに
どうして俺っていつもこうなんだろうか。
「・・・図星?」
「・・・まぁな・・・。」
「ふぅん・・・じゃあさ、それはそれでボクが見に行ってあげるから、黒炎もなんか考えてよ!」
「え!マジで?」
思ってもいない収穫だ
黒歌は良い奴だなー、扱いやすいし・・・。
こういう子供なら相手もしやすいんだけど・・・。
「うん、マジマジ、だから黒炎もちゃんと考えてよ?」
「わかったよー・・・うーん黒死なぁ・・・。」
アイツは・・・落ち着き無いし・・・
声が高いのは黒歌もだけど、黒歌みたく透き通った声じゃなくて
なんていうか耳障りな子供の声なんだよなぁ・・・。
しかも騒がしいし・・・何考えてんのかわかんないし・・・。
何も考えてなさそう・・・。
喜びそうなもの・・・。
「美味い肉でも食えば機嫌なおるんじゃね?」
「それが、お肉食べてたのに元気なかったんだよ。」
「何・・・?!それは重症だな・・・。」
肉もダメとなったら食い物じゃダメか。
食い物でダメとなると俺的にはお手上げなんだよな・・・。
「おれ、やっぱレパートリー少ないな・・・だいたい黒死って何が好きなんだよ・・・。」
「食べ物位しか僕も思い浮かばなくって・・・おしゃれにも興味なさそうだったし。」
「そもそも俺らじゃ黒死に対する知識が乏しすぎるんじゃね?」
「あー・・・そうかも・・・。」
「・・・詳しそうな奴にまた聞いといてやるよ。」
「本当?やった!」
頭を撫でてやると嬉しそうにする黒歌
コイツは本当に仲間思いで良い奴だなー・・・。
黒死と立場が逆なら確実にスルーだ、アイツは・・・間違いない。
・・・現に、黒歌だって問題を抱えている時だろうに・・・。
「・・・黒軍とはどうなってんだ?黒歌?うまくやれてんの?」
「君って容赦なく痛い所をついてくるよね。しかも前触れなく。」
「うまくいってねーの、お前が連れてきたんだろ?」
「・・・そ、そうだけど・・・。」
まごまごし始めた黒歌は
久しぶりに狐のお面をかぶってしまった
「でも、僕はもう決めたんだ・・・ちゃんと思った通りにするよ。」
「・・・あっそ。」
「思い通りに動くってことは・・・とっても悲しいことだけど・・・。」
「運命も大変だな。」
「まぁね。」
お面を被った黒歌は
感情を見せないようにしているんだろうか
喋り方も淡々としていた
これ以上触れないで欲しいのだろうか
俺にとっては判断が難しいのである。
「・・・っていうかそのお面なくなったんじゃなかったのかよ?」
「黒死にもらったの。」
「へぇ・・・そういや黒雷が何か言ってたな。」
「うん・・・じゃあ、黒死の件考えといてね、僕も考えとくから。」
「ん、わかった・・・お前もクロネコの件頼むぞ。」
「任せてよ。」
ううーん・・・。
急に話題を早めに終わらせて帰ったな・・・。
やっぱ触れちゃいけなかったのか?
まだダメだったか?
機嫌悪いのかどうかも
お面で隠すからわかんねぇ・・・。
・・・考えてもわかんねぇもんはわかんねぇし・・・。
俺はベットに転がって一息つくことにした。
「はぁ・・・。」
黒歌は好きだけど、やっぱり・・・。
子供は苦手だ・・・。




