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運命管理局『黒の騎士団』  作者: 東雲 紋次郎
星屑姫ースターダストプリンセスー
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忍び寄る影


「クリス!また行っちゃうのか?」


「・・・タイヨウか、ああ、明日出発だ。」


「戦争、大変なんだろ・・・?」


「・・・ああ、だが僕が行かねば、勝利せねばならぬのだ。」



・・・タイヨウには、理解できないのだろう

この戦争は、負けるわけにはいかないのだ・・・。


僕だって、戦争なんかしたいとは思わないさ。


だけど、不条理な条約を受け入れるわけにもいかない

国民を守りたいという姫の気持ちに応えるために

我々はこの身を持って答えるのだ。



「・・・仲間が、死ぬのはとても辛いが・・・姫やタイヨウを守りたいのだ、そんな顔をしないでおくれ。」


「俺・・・クリスが死んだら、嫌だ。」


「・・・ああ、そうだな・・・だが、僕も男だ、やらねばならぬのだ。」


「・・・うん。」



・・・タイヨウの頭をなでると

タイヨウは照れくさそうな顔をした。



「帰ってきたら、また一緒に美味しいもの食べようね!」


「・・・ああ、約束するよ。」



無理をして笑っているのだろう

表情を持つ者を羨ましいなとは思うが


無理して表情を作るのは大変そうで

自分がそうなりたいとは思わない。



力を持つということは

それ相応の苦悩があるのだと

僕はそれなりに理解しているから。



「・・・タイヨウは、言葉をたくさん覚えたな、君は頭がいい。」


「でも、まだ文字はあんまり読めないんだ・・・だから、クリス、きっとまた教えてよね。」


「・・・勿論だ、ほら、そろそろニコが来る時間だぞ。」



ニコの事も大好きなタイヨウは、とりあえず納得してくれた。

・・・次はリコ様だな・・・。


僕は幸せ者だ

戦争に向かうのを心配してくれる者が二人もいる


兵士達には家族も知人もいないような連中がごまんといるから

死んでいく者達だ、そのほうが幸せなのかもしれないが


僕は、今の自分の環境の方が・・・生きねばと言う意思につながると思っている。



「クリス!ここにいたのか!」


「・・・リコ様・・・そろそろ来る頃だと思っていました。」


「むむ・・・なんか悔しいなそれ!」



ぷぅ、と頬を膨らませるリコ様

こうしていると可愛らしいのだが


最近少し趣味の方が心配である。


弟物の書物ばかり読んでいて・・・。

タイヨウがお気に入りなのはわかるが


書物の内容が大変心配なのだ・・・。



「今回も命じるぞ!クリス・・・必ず帰ってくるのだ!」


「・・・もちろんですよ。僕は帰ってきます。」


「・・・ボクのわがままで、いつも申し訳ない。」


「・・・いえ・・・リコ様の夢は素晴らしいものです。いつか無くしましょう・・・こんな、辛いだけの、戦争だらけの世界を。」



戦争は多くの者が命を落とす

リコ様の両親は当然国王と王女だった


・・・リコ様は、戦争で両親を亡くしたのだ。



「・・・ボクのように、戦争で悲しむ者の無い世界を作るために・・・戦争をしなければいけないのは、辛いな。」


「・・・それは・・・仕方ありませんよ、全て、私が片を付けます。」





















「ったく・・・何を迷ってるんだ、あいつら・・・勝った方が正義!それでいいじゃねぇか!」


「ちょっと!黒炎!なんであっちに感情行っちゃってるわけ?くらちゃん達の途中経過見に来たんでしょ?」


「コクエン、クラヤミ、ケンカハ、ヨクナイ。」


「黒呪は黙ってなさいよ!」



そ、そうだった・・・。

黒病と黒呪が心配だから、様子を見に来たのに・・・。


だけど・・・戦争なんかでごちゃごちゃ寂しがってる

そんなんじゃ正義なんて貫けない


貫けないんだよ・・・。



「・・・ねぇー黒炎?くらちゃんが変態親父の中に入って病気にまでして・・・太陽くんをクリスくんのそばにおいたのよ?なんの意味もなかったら怒るわ!」


「ああ、わりぃ・・・今回の調査は、クリスとスパイクの繋がり・・・つまり、クリスが前世以降の記憶を持っているか、だ。」


「ナルホド、タイヨウハ、ゼンセデナカヨシノタイヨウ、ウッテツケダ。」


「そういうこった・・・ちょっとでもその傾向が見えたら、ぶっ殺せよ?」


「罠にハメるわけね?きったない奴ねー・・・あんたのこと、脳筋ぶっぱ野郎かと思ってたわ。」


「・・・俺だって好きでやってるわけじゃないよ。」



そうさ・・・俺だって好きで

人を殺したり・・・暴力を振るってるわけじゃないさ


そうだ、正義の為なんだよ


正義のためなら仕方ないんだ

正義のためなら何をやっても許される


正義と悪の境目は

勝者か敗者か


それだけだ


勝ってしまえばそれが正義

正義は勝つとはいうが、それは結果論なのだ・・・。



死人に口無しってやつだ。



「あんた、時々無駄に落ち込むわよね?黒炎?」


「うっせー・・・。」


「オレ、ミマワリイクゾ。」


「ん、ああ・・・頼んだぞ、黒呪。」


「人形屋ノ、ニコ、オカシイ・・・キニナル。」



・・・これ以上ここにいたらおかしくなりそうだし

あとは二人に任せて・・・俺は帰る事にした。













「やぁ、おおきな人形さん・・・君はとても強いね。」


「オマエ、アヤシイ、ミハル。」


「ははは・・・こんな直接見張られても・・・まぁ、いいけどね。」


「オカシイコウドウ、トッタラ・・・コロス。」


「・・・僕は、ただの人形屋さんさ・・・人形がね、好きなんだ・・・君も、ね。」


「・・・。」


「ねぇ、しゃべる人形さん・・・ボクなら・・・君をもっと強くできるよ。」


「・・・ソレ、オマエ、ソン。」


「ははは、そうだね・・・でも・・・。」






君に潜む負の感情はボクにはとても魅力的だったから。

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