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運命管理局『黒の騎士団』  作者: 東雲 紋次郎
黒鉄の追奏曲
79/183

運命の終曲


「全く・・・黒雷のせいでまた勇葉に嫌われちゃったよ。」


「・・・ごめんね、黒死。」


「はぁ!?何謝っちゃってんの?気持ち悪!」



・・・せっかく人が素直に誤ったというのに

ド糞溝鼠死神め・・・気持ち悪いだと・・・。



「元々あの二人は死ぬ運命だったの!だから今回のは業務提携だから・・・。」


「わかった、わかったよ・・・ありがと、黒死。」


「頭、撫でるのやめてよ!ボク、子供じゃあないんだから!」



どう見ても汚い餓鬼だけどな・・・。

薄汚い、小汚い・・・いや、汚いと言う言葉に対して失礼か。



「ボロクソ言ってるけど聞こえてるからね?」


「聞こえるように言ってるんだよ汚物死神。」


「・・・はぁ、そっちのほうが君らしいけどね。」



お前ごときに僕を語って欲しくないものだが・・・。

これから大変なお客様が来るのだ、それどころではない。



「・・・いっとくけど?運命には叶わないと思うよ?」


「それでもボクは・・・仲間を失いたくはなくってね。」


「だからぁ・・・鬼雷組は全員死ぬ運命なんだってばー。」



正面玄関の門が開く

そばにたっていた仲間の・・・首が、飛んだ。



「・・・来ちゃったか・・・ボクかえるね?黒雷?」


「さっさと帰れ。」



門の前に立っていたのは・・・。

狐のお面を被った・・・少年・・・。


あれは・・・黒歌の仮面か。

あの少年もまた、運命の輪の中で生まれた

運命の影響を受けやすい少年・・・。



黒鉄くろがね 哲也てつや・・・スケルツォ=スチールの生まれ変わりだろう。



「・・・一人残さず殺しに来たよ。」



そう言い放つと

ボクの仲間たちは次々に死んでいった。


あれが人間の動きだろうか・・・とてもそうは思えない。

何より躊躇というものが微塵も感じられなかった。



「よくも仲間を!クソガキ!」



剣の達人、魔法 剣くんも・・・。

渾身の一撃をひらりと交わされ

心臓部を切り裂かれていた・・・。



「黒雷!俺達にも何かできないか?」


「おうおう!おれら!がんばる!」


「・・・にゃぁ。」


「いかが致しましょうか?黒雷?・・・返答を待っています。」



ちび達も気を使ったのか

駆けつけてくれたが・・・。

なんせ、ここは危険だ。



「健太郎、皆を連れて逃げてくれ。」


「承知しました・・・。逃走モードに移行します・・・nowloading・・・」


「そんな!俺らだってお前の役に立っ・・・。」


「ミルカー、お静かに・・・皆さんも抵抗するなら容赦はしません。」


「Oh・・・。おれ、おれ、逃げる。」


「にゃぁ・・・。」



ちびっこどもはいなくなった・・・。

さて・・・。



雷降ライフル。」


「なっ・・・!雷!!」


「避けたか・・・流石運命の子だ。」



雷を避けるなんて

どんな反射神経だ。


しかしこれ以上仲間は殺させない!




怒雷ドライ!」




周りの物全てに電流を流した。

電気がよく通る物質で建物を作ったのだ。

咄嗟に宙に逃げたようだが

所詮は何の能力も無い人間だ。


もう逃げ場は無い・・・!!



「・・・電気・・・か。」



少年は仮面を剥ぎ取り

仮面ごと天井を蹴り上げた


しまった・・・!その手が・・・っ!



「ぐあぁっ!」



僕の胸部を切り裂いて

少年は僕の足の上に着地した。



「・・・殺すっていったろ。」



そして僕は・・・心臓を串刺しにされた。

僕は不死だが・・・。


人間として生きていけない傷を受けると

動くことができないらしい・・・。


意識があるだけで、死んでるのと一緒だ・・・。

もう、僕は仲間を助けることができない・・・。


死の苦しみを感じながら。

仲間の死を何もできず

見ているしかなかった・・・。



「ぐあああぁぁ!!」


「ば、ばけもの・・・!!」


「なんだこいつ・・・!人間の動きじゃ・・・!」


「た、助けてくれぇー!!」



・・・こんな少年が

たった一人で・・・。


大きな大人たちを

どんどん斬っていくその姿は


確かに人間の物とは思えないな・・・。




少年はみるみる返り血で染まっていた。

真っ赤に・・・いや、どす黒く染まった少年は


ただただ、笑みを浮かべていた。



「くっくく・・・あーっははっは!」



やっぱり、運命にはかなわないのか・・・。

だけど、最後の小さな抵抗をしておいた。



パトカーのサイレンが聞こえる・・・。

彼が着く前にあらかじめ通報しておいたのだが・・・。


警察が来る頃には、もう全員死んでしまっていた。



「そこの少年!抵抗せずにこっちに来なさい!!」


「く・・・くくく・・・!!皆、皆死んでった・・・簡単に・・・全部・・・俺が・・・ヒーヒヒ・・・。」



少年は狂ったように笑いながら

凶器を投げ捨て、狐の仮面だけを拾い・・・。


大人しく警察に連れて行かれたのであった・・・。


我ながら小さな抵抗・・・。




「・・・ごめんね、黒雷。」


「・・・黒・・・歌・・・よくも・・・。」



僕の目の前に現れた黒歌は

とても悲しそうな顔をしていた


僕は彼を睨みつけた。



「あのお面、てっちゃんにあげちゃった。」


「・・・あ・・・そっちね。」


「そんな状態でも喋れるんだね。」


「・・・なんとか、ね。」



・・・ホントなら死んでる位の傷と出血量だし・・・。

突っ込むのも億劫だ・・・。




「・・・君を連れて、騎士団に帰るよ。」


「・・・そう。」


「てっちゃんとはしばらく会えなくなりそうだしね・・・。」


「・・・だろう、ね。」


「また、すぐ会えるだろうけど。」



彼のいうすぐが何年後なのかはよくわからないけど

今回の敗北はどうあがいても

回避できそうになかったし・・・。


精一杯あがいたし・・・まぁいいだろう・・・。



「・・・早く帰ろう・・・このままじゃ辛いんだよ・・・。」


「ああ、そうだね・・・そうしよう。」



表情が読み取りやすくなった彼は

僕がしってる黒歌より


すこし大人の表情をしていた。

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