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運命管理局『黒の騎士団』  作者: 東雲 紋次郎
黒鉄の追奏曲
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死の先に潜む真実

ああ・・・寂しい・・・。


クリスマスパーティー、楽しかったなぁ・・・。


カイも知烏も、大騒ぎして・・・。



しかし、カイと仲直りできて良かった。

泪も居なくなっちゃったし・・・俺、友達居ないもんな・・・。

知烏くらいか・・・。



「・・・まてよ・・・友達がちびっこ二人って・・・居ないよりさみしいな・・・。」



うぅーん・・・どうしたものか・・・。

彼女ができたのだって、泪のおかげみたいなもんだったし・・・。


人と話すのってどうすればいいんだ・・・。

友達なんかできる気がしねぇ・・・。



『ちょっと・・・何一人で永遠とため息付きつつ独り言言ってるのよ?勇葉?』


「姉ちゃんには関係ないだろ・・・。」



おまけに幽霊まで見えるようになった・・・どうしてくれるんだこれ・・・。

完全にやばいやつじゃないか俺・・・。



砂時計を一人で回しながら一日を過ごしていると

見知らぬ霊が窓から入ってきた・・・またか・・・。



『え・・・えっと・・・あんたが、原 勇葉・・・?暗っ・・・キモっ・・・。』


「うっせーなぁ・・・なんか用かよ・・・。」


『あの!私実は殺されたのよ!』


「あっそー。」


『あっそうって!事件よ事件!?』


「・・・犯人もあんたならわかるだろうけどさ?霊が何か言ってるって俺が言ったって誰も信じないからね?」



霊同士で、噂が広がるのか・・・たまにこういうのがいる

犯人もしっかり覚えてたりするんだけど


その犯人を俺は知らないし・・・霊が言ったことに信憑性が持たれるとは思わないし・・・。

俺がそれを知ったところで何もできないのだ。



「それに、お前はもう殺されてるんだから・・・そいつをほっといても、これ以上殺される訳では無い。」


『で、でも!他に殺されちゃうかもしれない人がいるの!』


「あのなぁ・・・見ず知らずの人の為に俺が殺されるかもしれない事も考えてくれよ・・・。」


『あんたねぇ!ほんとに知烏の大好きなお兄ちゃんなの・・・!?』


「・・・知烏の知り合いか・・・?」



知烏の知り合い・・・ってことは・・・。

知烏も危ないんじゃないか!?それなら話は別だ!



「泪の大事な弟がピンチなら・・・黙ってられねぇな・・・!」


『じゃあ早速ついてきて!』




俺は少女の霊に連れて行かれるまま・・・病院へと向かった。




『・・・あそこのひ弱そうな男が私を殺したの!私をかばったって嘘までついてる!』


「あれ?あれってたしか知烏の友達の・・・てっちゃん?」


『そう!てっちゃんの従兄弟の流無 夏斗!あいつが犯人なのよ!』


「・・・めっちゃ怪我してるけど・・・?」


『アイツ・・・私を殺したあと、自分で自分をメッタ刺しにしたのよ!』



自分をメッタざしに・・・!?

アリバイ作りにしても・・・やりすぎなんじゃ・・・。



「・・・しかし・・・てっちゃんの従兄弟さんか・・・。困ったな・・・。」


『そうなのよ・・・私が直接言えれば信じるでしょうけど・・・。』


「君の話では危ないのはてっちゃんなんだろ?・・・とりあえず、流無さんを見張ってみるか・・・。」




・・・見張りながら、彼女が知っている限りの情報を聞いた



夏斗さんは、桜組側の人間なんだけど

鬼雷組にスパイとして侵入していたそうだ


それが、『鬼雷組に襲われた』と言って


彼女を殺し・・・自分すらもメッタ刺しにした・・・?

何でそんなことを?そんな事したら桜組と鬼雷組は戦争だろう。


事情がよくわからない俺でもそれくらいは解る。



桜組の方はたしか・・・黒鳥家とくっついてたはずだ

知烏や泪が言ってた・・・。


それに、少なくとも流無さんは、桜組に嘘をついている・・・?




「・・・状況からみたら・・・鬼雷組に寝返ったと考えるのが妥当だろうけど・・・。」


『そうなのよ!はやくそれをてっちゃんに伝えないと・・・!ずっと夏斗といて危険だわ!』


「もしそうなら・・・黒雷さん・・・なんでこんな事を・・・?」




黒雷さんだって・・・。

争うのは好きじゃないよね?


子供だって大好きだし・・・。


人を殺させるのなんて、黒雷さんがするわけないよね?




俺は・・・信じたい・・・信じたいんだけど・・・。











ある日、流無さんは、だれもお見舞いに来てないのを確認して

病院の屋上に向かっていた・・・。


これは怪しい、おれもこっそりついていった・・・。



『・・・ねぇ、あんた・・・友達とかは?』


「・・・いねぇよ。」


『・・・だから暇なのね・・・毎日毎日・・・。』



誰の為にやってると思ってるんだ・・・。

全く失礼な幽霊だ。



・・・見張っていると流無さんは手すりに手をかけた・・・。

ちょ!ちょっとまて!死ぬ気か!?


いくら殺人犯でも自殺はダメだ!



「ちょっと待っ・・・!!」



巨大な鎌が俺の目の前に突き刺さる・・・。

そこにいたのは・・・。



「・・・カイ・・・。」


「だめだよ、勇葉。」


「言ってる場合か!あいつ今から・・・!」


「そうさ。」



カイは俺の目の前に降りて

低い身長で、したからギロりと睨む。



「アイツは今から死ぬ運命なのさ。」


「そ・・・そんな!」


「止めるならいくら君でも容赦しない。」



運命って・・・!そんな理由で・・・!

・・・そんな事、言われたって俺は・・・!




「うるさいどけ!おい!あんたやめろ!!てっちゃんが悲しむだろうが!!」


「・・・君は・・・そこの死神君のお友達じゃないのかい?」


「・・・っえ・・・!!あんたも・・・見えるの!?」


「まぁね・・・彼には願いを叶えて貰ったから。」



・・・カイに願いを・・・。


泪が、言っていた。

カイは、対価を払うことで・・・。


その人の願いを、叶える力を持っていると・・・。



「あんたっ・・・まさか!?対価で・・・!!」


「・・・軽子ちゃんはね、あの時死ぬ運命だったんだって。」


「・・・!!!」



・・・やっぱり・・・!!

カイの、願いを叶える・・・対価で・・・!

彼女を殺したのか・・・!!!



「もともと、死ぬ運命の少女を殺すのに、何処が対価なのかなって、思ってた。」


「・・・!!そんな・・・!!」


「ふふ・・・でも、気づいたよ・・・その代償の、意味を。」



その人は悲しそうに笑って

その足を前に進めた・・・。



「人を殺すのって・・・辛いね。」



そういって・・・そのまま

遥か下の地上へと


流無さんは落ちていった・・・。




「・・・カイ・・・お前・・・なんで!こんな事を!!!」


「・・・死を守るっていうのは君が思う程楽ではないんだよ。」


「・・・だからって・・!!こんなのって!ないだろ!!!」


「わかってくれなんて言わないさ。だけど、これは仕事なんだ。」



何が仕事だ・・・!

せっかくまた仲直りできたのに!


やっぱり・・・!

死神なんて、こんな・・・!!




「・・・くそ!お前なんて!大っ嫌いだ!!」


「・・・ごめんね・・・さようなら、勇葉。」




そう言って振り返ったカイの後ろ姿は・・・。

とても寂しそうで・・・。


とても辛そうで・・・。


とても小さく見えた・・・。

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