運命の小曲
あれから5年がたった・・・。
人を殺した感触はいつまでもいつまでも鮮明に残って
自分の手を見ては震えていた。
人の命を絶つ線が視えるのだ。
それはとてもとても恐ろしいもので・・・。
最近やっと忘れかけれいたのに
去年、両親が事故で死んで、従兄弟に引き取られたりして
また、思い出して。
時々、一人で震えてる・・・。
心配かけたくなくて
誰にも、何も、言えないから。
「ただいま、夏斗、カラクサ。」
「ひゃ!しまった!てっちゃんもう帰ってきちゃったの!?」
「流無・・・しっかり面倒見てやれよ。」
「夏斗ぉ、鍵かかってたぞー!」
「えへへ、ごめんごめん・・・。はい、鍵・・・冷蔵庫にプリンあるよ。」
「プリン・・・!」
ま、まぁプリンあるんなら許してやるかー。
わりとワクワクしてドタドタして帰る、団子屋と近所だからコイツしょっちゅうこっちに・・・。
・・・あ、こいつ、さっき言ってたおれの従兄弟の、流無 夏斗。
カラクサと同級生で、そもそもその繋がりでカラクサと出会って。
それで、おれ、カラクサの事、大好きになってって・・・。
「・・・カラクサ。」
「・・・どうした?テツブン?」
「・・・えっとー・・・なんの話してたの?」
「これから桜井入れて、3人で大事な話だ・・・今日は家でプリン食ってろ。」
「はぁーい・・・。」
・・・だから今日みたいに
構ってくれないと寂しくなっちゃう。
だけど、カラクサにも、夏斗にも迷惑かけたくないし。
黙って家で、一人でプリンを食べる。
「・・・んめぇー!」
甘いもの食べるとテンション上がるよな!
こういうところ、人に見られるの恥ずかしいけど
一人の時なら思う存分叫びながら食べれる。
「・・・よ、よかったねてっちゃん・・・。」
「く!苦労太っ・・・!いつからそこに!?」
「・・・前から言ってるだろ、僕は黒歌・・・。」
「まー・・・ずっとお前成長しないもんな、普通の人間じゃ無いのはわかった・・・よっ!」
そう言ってスカートめくりのように
シャツをめくる
相変わらずシャツのしたは何も履いてなくて
仮面越しでもなんとなく解る位顔を真っ赤にする苦労太。
「きゃっ・・・!も、もー!やめろっていってんだろ!」
「っはは・・・ごめんごめん!プリン分けてやるから、ホラ・・・あーん。」
「ぷ、ぷりん・・・。」
こいつ、狐のお面をずっとかぶってて
飯食う時もちょっとずらしたりするだけで
普段顔は見せないけど
こうやってすると仕方なく仮面をとって
あーんってしてくれる。
俺だけに見せてくれる、本当の顔。
嬉しくって、時々こうやって一緒にものを食べる。
「ん、美味しい。」
「へへ、だろう?」
「ね、ね・・・もう一口!」
「んー、ほら、あーん。」
「あーん。」
へへへ、と二人で笑いながら
過ごす時間はとても幸せだ。
「・・・今日はカラクサ・・・桜井さんたちと何話すんだろ。」
「知りたい?」
「うん!お前の力でさ、盗み聞きさせてくれよ!」
「んー・・・まぁ、君のことだし、聞いといてもいいかもね。」
ポウ、と出た白い光から
カラクサ達の話し声が聞こえてくる・・・。
「・・・来たか、桜井。」
「カラクサ、話って・・・あ!夏斗・・・ってことは。」
「うん、ボクが鬼雷組からスパイとして手に入れた情報の・・・報告会さ。」
「任務お疲れ様、夏斗。」
・・・夏斗さん、鬼雷組にスパイしてたのか・・・。
桜組と敵対してて・・・俺が・・・たくさん・・・。
たくさん殺した・・・いや、忘れろ・・・忘れるんだ。
「それで?どうだった?流無。」
「・・・カラクサの読み通りだった。」
「・・・!!ってことは・・・!!」
「てっちゃんの両親は事故で死んだんじゃない。」
・・・俺の両親が事故で死んだんじゃない?
そんなばかな?だって確実に事故で
車で壁にぶつかって・・・。
「鬼雷組が・・・事故に見せかけて殺したんだ。」
それを聞いた俺は
ショックで
どうにかなりそうだった・・・。
このことが原因でまた、桜組と鬼雷組が
抗争になるなんて・・・。
この時俺は思っても見なかった。




