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運命管理局『黒の騎士団』  作者: 東雲 紋次郎
黒鉄の追奏曲
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運命の笑曲

目を覚ました僕は


目を覚ましてしまった事を呪った


このまま黒の騎士団で


運命を僕の思想で動かして

またみんなが不幸になるなんて

耐えられなかったから・・・。



だから僕は




黒の騎士団を抜け出した・・・。



「・・・ここ、どこだろう。」




適当な世界を選んだ

何も考えない

何も望まない


そうやって生きていこうと決めたんだ。


そうすれば誰も僕に振り回されずにすむから。



「・・・お前、この辺の子じゃないよなぁ?迷子かよ?」



そうやって話しかけてきた幼い少年を見てぼくは驚愕した

なんとその少年は・・・スチールに・・・。


スケルツォ=スチールにそっくりだったのだ。

スチールは・・・僕が創り出した存在だったはずだ


生まれ変わりなんてありえない・・・。


僕が、『スチールを創った存在』にしてしまっただけだったのか


それとも


また、それを望んだからそうだった事になってしまったのか。



「・・・迷子じゃ、ないよ。」


「そうなの?おれ、てつや!お前は?」


「黒歌。」


「・・・苦労太?」



・・・違う・・・イントネーションがちがう・・・。

いや、子供にイントネーションなんて言ってもわかんないか。


なんて言えばいいんだろうか・・・。


なんて考えていたら・・・。



「お前、ズボン履いてねーの?・・・パンツも履いてねーじゃねーか!変態さんなの?」



服をめくられてしまった・・・。



「ち、ちがっ・・・僕は、これが普通でっ・・・離してよっ!」



・・・仮面付けてて良かった・・・。

顔が真っ赤なの、バレなかったから。



「ふーん・・・変な奴!苦労太!」


「・・・黒歌なんだけど・・・。」


「ん?あってんじゃん?それよりさー!遊ぼうぜー!」



同い年位の子と遊ぶのは本当に久しぶりで

あの頃に戻ったみたいだった。


とっても楽しくて

僕はその子とはすぐに仲良くなった。






・・・これでいいんだ。

ここで、騎士団に見つからないように


普通の子供として、過ごそう・・・。


そうやって暮らしてきた。



幸せな日々だった。

何も望まなければ、僕は運命から解放されるんだ。


そう信じていた・・・あの日までは・・・。














「てっちゃん!遊びに来たよ!」


「よー!苦労太!今日も団子屋で食ってこうぜー!」



団子屋の主人さんは、てっちゃんを昔から面倒見てくれている人らしくて

てっちゃんは、その主人さんが大好きだった。


・・・ただ、「桜組」っていうヤクザと繋がってるっていうお店で



「よう、テツブン、また来たのか・・・。」


「なんだよー!カラクサ!その呼び方やめろよなー!」


「ゼンもきてるぞー。」



・・・だけど、てっちゃんも、その桜組の皆が大好きだって言ってた

だから、それでいいんだと、僕は思う。



「てっちゃん!今度カラクサさんが!おうの家でお泊まり会しようって!」


「ホントかよ!ゼン!苦労太も一緒でいいかなー?」


「へへ!俺ら三人も一緒に来てもいいって!」


「おおー!やった!やったな!苦労太!」


「てっちゃんと、ゼンちゃんと・・・お泊まり会!えへへ・・・嬉しい!」



お泊まり会かぁ、とっても嬉しい!

でも、おうって、誰だろう?



「ねぇ、ゼンちゃん、黄って、だぁれ?」


「あー、苦労太には話してなかったな!桜井さくらい おうっていって、俺の憧れの人だ!」


「あれだよ、苦労太、カラクサのツレの、桜井さん。」


「ああ、桜組の時期組長さんの。」


「そうそう!だから俺!将来、黄の右腕になるんだ!」



右腕かぁ・・・ヤクザヤクザしてるなぁ

・・・ってことは・・・あれか


桜組の家に入れるのか

ちょっとテンション上がっちゃうな

だって、あんな広いおうちって、なかなか入れるものじゃないし


・・・お城で暮らしてた僕が言うのもなんだけど。



「おい・・・ゼン、桜井の右腕は俺がなるんだぞ・・・ほら、みたらしでも食ってけ。」



みたらし団子をサービスしてくれながら

そういってムっとするカラクサさん


大学中退してお店継いだって聞いてるけど・・・。

たまに、子供っぽい表情をする。



「じゃー左腕になるー。」


「なんだそれ、聞いたこと無いぞ。」



そんなヤクザ的なトークを聞きながら

僕はお泊まり会が楽しみになっていた・・・。










「おかえりなさいませ!坊ちゃん!」


「もー・・・みんな!坊ちゃんはやめてって言ってるじゃないか!僕もう大学生なんだから・・・!」



桜井さんを中心に門をくぐると

厳つくて怖いお兄さん達が頭を下げる


なにこれ怖い


桜井さん、本当にヤクザ屋さんだったんだなー・・・。

怖いお兄さん達の奥から、ゼンちゃんそっくりの若そうなお兄さんが出てきた。



「前田さん、ただいま。」


「おかえりなさい坊ちゃん・・・よう、ゼン!今日泊まってくんだろ?」


「父ちゃん、お泊まり会なんだから邪魔すんなよなー。」


「はは・・・パパさみしいなー・・・。」



父ちゃん・・・?パパ・・?

えっと・・・どういうこと・・?



「てっちゃん・・・。」


「ああ、ゼンはな、ここの今の組長さんの右腕・・・前田まえだ すすむさんの息子なんだよ。」


「ああー、だから桜井さんに懐いてるのかぁ・・・。」



・・・というか親子なのか、兄弟じゃないんだ・・・。

若いお父さんだな・・・。



・・・そんなゼンちゃんの若いお父さんや

強面のお兄さん達


それに、時期組長の桜井 黄さん・・・。

団子屋の、カラクサさん

てっちゃんに、ゼンちゃん・・・。


大勢でドンチャン騒いで

とっても楽しい夜だった


それなのに・・・。



それがずっと続けばいいと

僕が望めば良かったんだ。


全て思いどうりになるのは苦しかったけど

それを僕が放棄したばっかりに・・・。



皆を巻き込んでしまったんだ。




「カラクサはチビ共を連れてどこかに隠れて!」


「わかった!まかせてくれ!」



鬼雷組が、攻め込んできた

抗争だ・・・。


拳銃や刃物で肉が切れる音が聞こえた。



「・・・こわい・・・。」


「テツ、俺がついてるから。」


「うん・・・。」



こんな怖い目にてっちゃんを合わせてしまった

僕が望めば起きなかったことなのに


僕は・・・。



「みぃつけた・・・!」



隠れていた僕らはついに見つかってしまった

相手は5人・・・刃物を持っていた


カラクサさんが、体術みたいな感じで

一人は倒せたんだけど・・・。


その間に切りかかられて。




「・・・嫌だ!!!」




それで僕は




望んでしまった




皆に死んで欲しくないって




もう望まなと誓ったのに。




「・・・カラクサ!!!」




てっちゃんが、カラクサさんの倒した相手の刃物を奪って

カラクサさんに斬りかかった刃物が届く前に


その刃物をもった相手の首を跳ねた。



「な・・・!なんだこのガキ!!」



相手がそう言い終わる頃には

そこにいた5人の首は


もう体とは繋がって居なかった・・・。




「・・・テツ・・・?」



人間の出せるスピードじゃなかった

てっちゃんは返り血で・・・真っ赤になっていた




「カラクサ・・・おれ・・・。」




てっちゃんが、人を殺めてしまったことは

桜組とつながる黒鳥財閥や・・・。

相手の鬼雷組も抗争が不本意だったらしく


もみ消されてしまったのだが


てっちゃんがその後に言った言葉は

今でも耳に残っていて


その表情は

不安そのもので


僕は・・・忘れることはできないと思う。







「・・・おれ・・・なんでこんな事できるの・・・?」

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