死神の悪友
部屋で一人で泣いていると
ドアが雷で破壊された。
「・・・っえ!?ちょっ・・・!!」
黒雷だ、なんだよ!乱暴すぎるだろ!
もうちょっとなんていうか・・・。
ノックしろとかそういうレベルじゃないぞ!
「あれ?泣いてたのかい?」
「なっ・・・泣いてないよ。」
「それは残念。」
嫌な奴だな!もう!
勝手に僕の隣に座るし
一応ここベットだんだけど?!
勝手に座らないでよ!
「・・・勇葉くん、霊が見えるようになったんだってね。」
「・・・う、うん・・・。」
そのせいで、落ち込んでるから
やっぱり、慰めに来てくれたんだろうか。
黒雷・・・って実はいいやつで
僕の事、心配してくれてるんじゃないだろうか
そんな勝手な妄想で、一人、ドキドキしてしまう。
「そのことなんだけど・・・泪くんも、本当は霊が見えなかったハズなんだよ。」
「・・・そ、そうなの・・・?」
「うん・・・それで、そういう運命とかに異常を起こす奴に・・・心当たり、あるんじゃない?」
・・・なんだ、仕事の話か。
って、そりゃあそうだろ、黒雷は僕の事嫌いなんだし。
なにガッカリしてんだろ、バカみたい。
「心当たりったって・・・封印したのに動き回ってる堕天使くん位しか・・・。」
「そいつだよ!まさにそいつ!司君が転生してから姿を表してないんだろう?」
「んー・・・まぁ、言われてみれば、そう、だけど・・・。」
だからって、なんの関係も無いあの世界に
スパイクが潜んでる可能性はひくいもんなぁ・・・。
「他に断定出来る素材がないと、なんとも言えないよ・・・。」
「あ、そ・・・君ねぇ、落ち込むのは構わないけど、仕事位ちゃんとしなよ・・・。」
「・・・だって・・・。」
「君の分の雑用全部僕に回ってくるんだからね・・・。」
それは申し訳ないな
そういう思いと、寂しさから
黒雷の服を掴んだ
・・・だけど顔は上げられなくて。
目線だけで、黒雷の方を向く。
「・・・ごめんね。」
「・・・べ、別にいいんだけどね?」
「なにそれ・・・いいのかよ。」
そう言って僕は
黒雷にもたれかかった
ずっと同じ体勢で座ってたから
もたれるものがあると酷く楽だ。
「・・・で?襲ってきた熊の化物の正体はわかったのかい?」
「ん・・・例の司君が転生した世界の人形屋さんが作ったぬいぐるみなんだってさ。」
「・・・司が?」
「その世界も、そういう能力をもった人間がいるみたいだけど・・・世界転移してきた方法は調査中・・・。」
「それってさ・・・例のスパイクくんが、いま勇葉に潜んでいたとしたら・・・つじつま合っちゃわないかい?」
「・・・そういえば、アイツ・・・世界転移の石持ってったな・・・黒時に報告しとかなきゃっ!」
ああー!うっかりしてた!
本当だ!ぜったいスパイクのせいだ!
慌てて起き上がろうと顔をあげると
黒雷のチョップが飛んできて
鼻に直撃した。
「いったぁぁー!何すんだよ!黒雷!!」
「・・・鼻血出てるし、後でいいんじゃない。」
「誰のせいっ・・・で・・・。」
ぽんぽん、と頭を撫でてくれる黒雷
ずるい
ずるいや
ぼくは、頭撫でられるのにはすっごく弱いのに
知っててやってる、卑怯だ
「・・・さすが黒の騎士団の大悪党・・・。」
「極悪人だよ、次間違えたら怒るからね。」
「・・・っぷ・・・一緒じゃん。」
「重要なの、そこは。」
ふふ、なんて笑いながら僕は
黒雷の胸の中で眠ってしまった・・・。
「・・・はぁ!しまった!!寝てた!」
「ん・・・うるさ・・・人が寝てるってのに。」
黒雷の胸で!寝てしまった!
なにこれ!屈辱!僕だって黒雷は嫌いなのに!
「もー!なんだよ!離してよっ!黒雷っ!」
「ぷっ・・・自分から泣きついて来といてよく言うよ・・・。」
「うるさい!離せってば!」
「君の言うこと何か聞くわけないだろ・・・僕は極悪人なんだから。」
そう言って、僕を捕まえたまま寝ようとする黒雷
ちょっと!なんなの!本当に鬱陶しい!
顔が赤くなっちゃうじゃないか・・・!
「ここで寝てていいから離してよ・・・。」
そう言って、そうっと黒雷の腕を抜け出した・・・。
もう・・・本当に僕の事嫌いなの・・・?
期待なんて、僕はしたくないんだよ・・・。
嫌いなんだったら構わないでよ・・・。
「・・・一人で泣くくらいなら、僕の部屋にいつでも来なよ・・・。」
そう言ってすやすやと眠りについた黒雷・・・。
ああ、そっか・・・ここ10数年くらい寝てなかったんだっけ。
いくら不死とはいえ・・・頑張るなぁ・・・。
いつも意地悪ばっかなのに
変な奴・・・。
・・・でも、また辛くなったら
部屋に位は遊びにいってやってもいいかな。
なんて、思いながら
黒時に報告をしにいくのだった。




