表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
運命管理局『黒の騎士団』  作者: 東雲 紋次郎
死の先が見える少年
66/183

共鳴する二人


僕、黒雷さんは未来から来た勇葉なんじゃ無いかなって思うんだ。

だって眼の話をしたとき、返事が異様に早かったんだもの。


それにあの眼は、勇葉しか持ってない、特殊な眼で

黒目の中に黄色い輪っかが入ってるように見えるんだ。


それが気味悪いって言う人もいるけど、僕は好きだな。



「・・・もうそろそろかな・・・。」



だけど・・・もし黒雷さんが勇葉だったら?

何故、勇葉が死ぬなんて知ってたのか。


最後に残した言葉はなんだったのか?


もしかしたら、本当はなんにも関係なくって

普通に死神の仲間の人かもしれない。



「・・・あのトラックにしよう。」



・・・友達を守りたい・・・。

そう言った黒雷さん。


・・・その思いは・・・。

今の僕と同じ物だった。



「そうか・・・黒雷さんは・・・。」




未来から来た僕だったんだ。




トラックにぶつかって

宙を舞いながら

そう、確信した時僕は


ゆっくりと目を閉じた・・・。












・・・泣き声が聞こえる・・・。

ぐす、ぐすって・・・声を出さずに

鼻水をすすって・・・子供みたいな、泣き方・・・。



「・・・カイ?」


「・・・っ!・・・やぁ、泪。」



カイは初めて会った時と同じ

真っ黒いローブを来て

大きな鎌を持っていた。



「・・・君がその格好でいるって事は・・・僕、死ぬんだね。」


「・・・ずず・・・うん。」



鼻水を服の袖で吹くカイ

汚いなぁ、後でカピカピになっちゃうぞ。



「・・・もう、死神・・・なんでしょ・・・何泣いてるのさ。」


「・・・すっ・・・はー・・・。」


「最後くらい・・・笑って送ってよね。」


「・・・わかってる、よ・・・。」



ああ、そうか・・・。

僕体中痛いんだ・・・。


なんか変だと思ったんだ。

そりゃそうか、車にぶつかったんだもん。



「う、ぐ・・・ぁぁぁ・・・。」



ああ、だんだん痛みが増していく・・・。

気づかなかっただけだったのか。


本当はどれくらい痛いんだろう、怖いなぁ。



「・・・『全ての者に死を』・・・。」


「あ・・・あああ!」


「・・・『全ての物に理を』・・・。」


「ああああああぁぁ!!!」






「『デス』。」




そう、カイが唱えると

急に痛みが無くなった。












「・・・ごめん・・・。」



「ごめんなさい・・・。」



「ごめん・・・ごめんよ・・・。」






ボクさえいなければ・・・。」









泪が、死んだ・・・。

いや、僕が殺したんだ。


泪は、全身の痛みに耐え切れなくなって

ショック死する予定だったから


痛みで、ショックで死ぬ泪を

僕が、ただ、個人的に見たくなくって



そんな我侭な理由で、泪を殺した。



「・・・願い事も、叶えてないのにね。」



人魂になってしまった泪に話しかけても

返事は帰って来ない


・・・死神協会に連れて帰ろう・・・。




「・・・泪!!大丈夫か!泪!!!」



・・・!!!

勇葉っ・・・!


なんてことだ

僕が勝手に殺さず予定どうりの死を迎えていれば


泪は最後に勇葉に会えたのに・・・!!



「・・・泪・・・死んじゃった、のか・・・?」



死神のローブをつけた僕は

勇葉には見えない


このままゆっくり、立ち去ろう。



「おい・・・!待てよ!カイ!泪は死んじゃったのかよ?!」



・・・っえ。



「お、勇葉・・・僕が、視える、の・・・?」


「はぁ!?何言ってんだよ!見えるも何もっ・・・あれ?なんかお前透けてね?」


「うそだ・・・なんで・・・。」


「そんなの!こっちのセリフだよ!何で泪がっ・・・!!」



・・・見られてしまった。

もう、僕はきっと・・・この世界では・・・。


生きていけないだろうな。

夏目カイは、もう死んだんだろう・・・。




「・・・ごめんね勇葉。」




それだけ言って僕はこの世界から立ち去った。

もう二度と会えない、最後の友達の制止を聞きもしないで。


いいんだ、これで

僕は不幸でなきゃいけないんだ


ボクはたくさんの人を苦しめて

たくさんの人を離れ離れにして

たくさんの物を無に返した。


そんな僕が幸せなんて

求めていいはずがないんだ。


そう、これでいい。




だけど・・・手放す時は、とっても辛いから・・・。




もう二度と幸福など訪れぬ用

僕は神に深く祈った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ