死の先が見える少年
僕の名前は 黒鳥 泪
家がお金持ちで、黒鳥財閥っていう組織をしていたり
その黒鳥財閥が、桜組っていうヤクザ屋さんと繋がっていたりする以外は
至って普通の中学生だ
でも、ただ一つ・・・
普通の中学生と違っているところがあって・・・。
「おはよう勇葉!」
「よー泪!今日も体育あるなぁ・・・見学できねーかなぁ。」
『聞いてよ泪!勇葉ったら昨日体育を見学したいがために・・・。』
「・・・昨日水風呂にはいって体冷やしてたのに効果なかったんだね・・・。」
「な!なんでそれ知ってんだよ・・・!」
僕には・・・。
「君のお姉さんが言ってたよ。」
「またかよっ!ねーちゃん!死んでまで弟の風呂覗きにくんなよ!」
幽霊が視えるんです・・・。
「お風呂と言えば・・・勇葉とはしばらく一緒に入ってないよねー。」
「まぁなー・・・ガキの時ならともかくって話だよな。」
「確かに、ちょっと今の二人じゃあ勇葉の家のお風呂は狭すぎるかなー。」
「そういう問題か・・・?」
まぁ、視えるからといって
何か特別困ってることもないし
視えるからといって
何か特別便利ってことでもないし
やっぱり僕はどこにでもいる普通の中学生なのである。
「・・・あれ?あんな所に少年霊が・・・。」
「やめろよ!朝から・・・。」
「だって、あの子視た事ない子だし、怪我してる。」
「・・・霊って怪我するのか?」
「ううん・・・あんまり見たことないんだ。」
その少年は尖った耳で口まで届く程の長い前髪
こちら側の世界には無いであろう、真っ黒い宝石のピアスに
全身真っ黒のローブでフードをかぶりこんで・・・。
でっかい何かあの・・・農作業とかで使う草刈用の刃物みたいな物を持っていた。
なんだっけ、えっと・・・鎌?かな?
「ねぇ、君・・・大丈夫?」
『・・・僕が、視えるの?』
こっちをチラッと見てきた少年は
目の下にクマを作っていて・・・。
何かに怯えているようだった。
「・・・ねぇ、勇葉・・・先に学校にいっててくれない?」
「ん、ああ・・・遅刻すんなよ!」
『・・・いいの?お友達・・・。』
「ん?ああ・・・よくある事だもん。でも、怪我してる子は初めてだなぁ・・・とりあえず保健室まで案内するよ。」
こうして僕は学校の保健室まで
傷だらけの少年霊を連れてきたのであった。
「んー・・・霊には触れないしなー・・・ねぇ、サチコ先生何とかできない?」
『ワタシも、治療用の器具に触れないのよねー・・・。』
「だよねぇ・・・。」
あ、えっとサチコ先生はこの学校の保健室に住み込む霊で
ここで何人もの生徒を見てきたらしい。
と、いっても見ていただけだそうだが。
「・・・これなら、さわれるだろ・・・手当、頼むよ。」
少年霊はローブをとると
なんと生きた人間の姿になった!
わぁ!びっくり!
「これなら手当できるね!よかったぁ!」
「ふふ・・・ボクも助かったよ・・・こんなところで地獄の協力者に出会えるなんて。」
「地獄の協力者?なにそれ、なんかかっこいいね!」
「・・・あれ?君って・・・死神サポーターの人じゃないの・・・?」
「え?なにそれ?」
なんだかよくわかんない事をいう少年だなぁ
傷の事いい、実体化したことといい・・・。
不思議な子だなぁ、とか、思っていたら・・・。
「NOooooooo!?」
「ええ!?どうしたのさ急に!!」
「嘘だろ!?だって!一般人に死神が視えるなんて事ってあるわけないもん!」
「あ、そっか!君死神だったんだね?」
「しまったあああぁぁぁ!!バレちゃったあぁぁ!!」
「ちょっとぉー静かにしてよ、ここ学校なんだからさー。」
そう言うと死神らしい少年は
大人しく僕に手当をされていた。
「・・・スコーピオンにおしりペンペンされる・・・。」
「・・・死神さんの上司かなんか?」
「・・・観測人・・・みたいな?」
「よくわかんないけど、もう動いていいよ?」
死神の少年は少し何かを考えた後
頭の上に電球が出てきそうなリアクションで何かを思いついたようだ
表現が古いなー・・・流石幽霊・・・いや、死神なんだった。
「君の願いを一つ叶えてあげよう!」
「唐突だね・・・。」
「僕はね!対価を貰って人の願いを叶える能力を持っているのさ!」
バァァン!とわざわざ付け加える死神くん
怪我を手当したお礼のつもりなんだろうか?
「んー・・・じゃあさ、僕と友達になって?」
「え・・・!対価として、今日のこの事を忘れて貰わなきゃいけないのに!それじゃ矛盾しちゃう!」
「ええー・・・そんな事しなくっても、友達同士なら秘密って事にしとけばいいじゃないか。」
あ、そうか、と頷いたあと
死神くんはオズオズと聞いてきた
「・・・僕のこと・・・怖くないの?」
「別に・・・?君は面白い子だし・・・なんなら好きだよ?でないと友達になりたいなんて思わないし。」
僕がそう言うと、死神くんは
なんだか安堵したような表情をして・・・。
「・・・でも、その願いは叶えられないな・・・。」
「ええー!なんで?」
「・・・だって!友達になるのに対価なんかいらないじゃん!」
「・・・はは、それもそうだね・・・。」
こうして僕は、死神の友達ができたのであった
死神の友達なんて、初めてだし
きっととってもレアな体験だろう。
「僕はね、カイ!オフューカス・カイって言うんだ!」
「ふふ、僕は黒鳥 泪、泪でいいからね。よろしく、カイ。」
「うん!よろしくね!泪!」
この出会いが、まさか僕を
普通の少年からは想像もできないような
生活へと引きずりこむだなんて・・・。
この時は思いもしなかった。
「あ、そうそう・・・願い事はなんか別に考えといてよ!怪我のお礼はしたいしさー。」
「え・・・あ、うん、考えとくよ。」
他に願い事かぁ、何がいいかなー?




