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運命管理局『黒の騎士団』  作者: 東雲 紋次郎
願いを叶える死神
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黒の騎士団の勧誘


過去に送られた僕は

容易く黒雷の生まれる場所を特定して


大きな大きな雷で町ごと吹っ飛ばしてやった。



それは簡単に見つかった。

『雷神の親玉』だなんて

大層な二つ名を持っていたから・・・。



これでもう思い残す事はない

死ぬこともできないけれど


彼女の居ない未来でなら

勇葉はきっと幸せに暮せるだろう


・・・そう思えたから。



遠くの方から雷を見つけたであろう

近隣の地域の兵士らしき軍団が

こちらに向かってくる


とりあえず彼らに捕まって永遠の苦しみでも

味わらせて貰おうかな。



そう思った時、時計の音が聞こえた気がして



兵士たちはピタリと止まった

・・・いや、兵士たち『も』止まったというべきだろう



降り注ぐ灰も

風や水の流れも、雲も虫も


全てがピタリと止まってしまったのだから。



「おめでとうございます、貴方はたったいま黒の騎士団に選ばれました。」



パチパチと手を鳴らしながら

人間が、近づいてきた


その姿はどこかの神父ようで

こんな古い時代にはそぐわない恰好で


・・・何よりその耳につけたピアスは

僕にとってはとても見覚えのある物だった。



「・・・僕が、黒の騎士団に?」


「ええ・・・おっと申し遅れました、私『黒時こくじ』と申します。初めまして、黒鳥 泪さん。」



黒の騎士団・・・黒雷や黒死が所属していた所だ

そんな所に僕が選ばれただと?


・・・少なくとも、全てが止まっているこの現象を起こしたのは

コイツに間違いないし・・・下手に刺激しない方がいいのは確かだ。



「実は黒の騎士団にはとあるルールがありましてね・・・?『黒の騎士団員を倒した者を次の団員として迎える』というもので・・・。」


「・・・それに僕が従うとでも?」


「私は見ての通りあらゆる時間を自在に操れましてね・・・過去も、未来も・・・全て見えているんです。」



そういうとニコ、と笑って

こちらを見つめる黒時



「私達はありとあらゆる世界を監視し、その世界のバランスを守っています。」


「・・・ありとあらゆる、世界?」


「世界は無数にありますからね・・・あなた方が想像しうる世界なら全てあると思って大丈夫ですよ。」



それは少しだけ楽しそうな話だけど

わざわざアイツらが居た集団に所属するなんて冗談じゃない。



「その世界で・・・例えば、漫画やアニメで言う主人公が勝てるよう陰ながら応援したり・・・あなたのような方がタイムパラドックスを起こさないようにするのが仕事ですね。」


「・・・タイムパラドックス?」


「そうですねぇ・・・あなたがうっかり過去を変えてしまった事で、大好きな親友が産まれてこなくなったり・・・?」



・・・その言葉にドキッとした

僕が過去に戻ったことで


もし勇葉が産まれてこなかったら・・・

彼が幸せになる未来なんてありえないじゃないか



「まぁ?そんな小さな事私たちにはどうでもいいんですが?団員になればそれなりにひいきして未来を進めることも出来るわけです。」


「・・・。」


「・・・入ってくれますね?」



僕は無言で頷いた

未来が見えるといっていたのは

こうなることも見えていたのだろう



「それじゃあ、交渉成立ですね・・・貴方は黒雷と違って力不足ですから、しばらく修行に励んでもらいます。」



そう言って渡して来たのは、いつも吐き気がするような気持ちで遠くから眺めていた

あの、真っ黒なピアスだった・・・まさか、自分がつける日がくるなんて



「修行の時間はいくらでもありますよ、私にかかればタイムワープなんて歩くのとさほど変わりませんし、不老の力も授けましょう。」



・・・どうやら僕は、とんでもない時間を黒の騎士団とやらに拘束されるようだ

それも、『死』を奪われた僕は本当に永遠にこき使われる事だろう。



「ご心配なさらなくても・・・貴方がいい子に言う事を聞いてくれれば、納得いくまで、やり直させてあげますよ?お友達のことならね。」



そんな機会が貰えるのなら・・・むしろこれはチャンスなのかもしれない

たとえ何百年、何千年かかっても


勇葉をこの手で幸せな未来に導けるなら



それでもいいかもしれない



どちらにせよ時を操れるなんて、おおきな力の前には

僕にはどうしようもできずに・・・。


ぼくはズルズルと、黒の騎士団に呑まれていくのであった。

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