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昼下がりの大天使

神月が謎の死を遂げてから3日目


あれから俺の元ヤンキー友達は3人死んでいる・・・。

つまり、毎日だ・・・。



流石に黒鳥の事を不審に思い

俺は黒鳥を校舎裏に呼び出していた。



「・・・黒鳥・・・。」


「やぁ、日野君?なんかよう?」


「お前・・・本当に、人殺しなんかしてんじゃねーだろーな・・・。」


「なんだ、ゲームの答えが出たんじゃないのか。」



俺は思わず黒鳥の胸ぐらを掴んだ

黒鳥は見下した目で俺を見て

ニヤッと笑った。



「お前が殺したのかって聞いてるんだよ!!!」


「・・・そうだとしたら、なにか問題があるかい?それは本当に悪いことかな?」


「ったりまえだろ!」


「何故?」


「・・・法律でも決まってるし・・・!」


「あんなの、一部の人間が勝手に決めた自分勝手なルールじゃないか?・・・そもそも証拠が無ければ何の意味も無いルールだしねぇ・・・。」


「・・・。」


「君だって、毎日毎日たくさんの動物や植物の命を奪って・・・それで生きてるんじゃないのかい?」


「・・・っこの!」



俺は黒鳥に拳を振り上げた

でも、それ以上は


俺には出来なかった・・・。



「・・・殴らないの?」


「暴力で解決したって・・・お前と対して変わんないからな・・・。」



俺は拳とそっとおろした

俺には黒鳥を殴れなかった


コイツをこんな風にしたのは

間違いなく、俺だ・・・。

誰を殴ればいいのか、解らなくなったのだ。



「・・・日野くん・・・今日も誰か死ぬよ・・・早く、答えが見つかるとイイネ。」



そう言って、歪んだ笑顔で黒鳥は去って行った。


・・・俺にしてやれることは・・・。


答えを、出す事だけだろう。

無意味に人を殺すなんていけないことなんだって


ちゃんと、言ってやることだ。



「・・・でも、命の価値は平等なんだよなぁ・・・。」



命を奪わなければ・・・俺たち人間は生きていけないのだ

俺は両方正しいと思うのだが


これではそれこそ矛盾してしまっていて

意見が一貫しなくって・・・。



「なんかもう・・・授業サボろ・・・。」



せっかくヤンキーを辞めたって言っても

本質は変わらない、はっきりしない


今の俺の事は俺はなんだか好きになれなかった。



「・・・それでも陣は俺を好きでいてくれる・・・。」



ふふ


何だ俺、一人でニヤニヤしてる

気持ち悪い、幸せだ。



「焔おにーさんきもちわるーい。」


「・・・みことくんじゃないか・・・学校は?」


「そっちこそ、不良やめたんじゃないのー?」


「うっ・・・痛いとこつくねぇ・・・。」



この子は命くん・・・黒雷さんちによく遊びにくる少年だ・・・。

髪がふわふわしてて、声変わりもまだでとても可愛らしい男の子。


・・・まぁ陣程じゃないけどな。



「なんか、悩み事―?そんなときはさ、お日様に当たってお昼寝するのが一番だよ!」


「・・・それもそうだな。」



俺も命君に便乗することにした

生きるために、仕方なく・・・。


これって、答えになんないかな・・・。

なんとなく答えに近づいてるんじゃないだろうか・・・。



「かわいい坊やだ・・・な!」



突然現れた、顔に傷があるヤクザみたいな人が現れて

俺にめがけて鋭い刃物を突き付けてきた!


とっさに避けなかったら・・・死んでいた。



「な、な!なんだよ!お前!」


「桜組のモンだ・・・どうやら黒鳥財閥の坊ちゃんが、えらくおかんむりらしくってなぁ?」



命君をかばいながらじりじりと下がる

だけど・・・もう真後ろは壁・・・。

俺一人ならともかく

この子を連れては逃げ切れなそうだ。



「ほ、焔おにーさん・・・。」


「大丈夫・・・なんとか考えるから!」


「この人・・・しぴゃっ・・・!」



変な声をだした命君を不思議に思い振り向くと

そこには・・・首から上がなくなった命くんの姿が・・・。



「・・・え・・・命・・・くん?」



ドサ、という音を立てて命くんの体が倒れた

俺たちの後ろに会ったのは壁ではなく・・・


巨大な、太った男だった。



「流石だねぇ、島ぁ・・・素手で首を吹っ飛ばすなんて。」


「姫ちゃんも綺麗にきめてやれよぉ?」



太った男に捕まった俺は動けなかった

何て力だこのデブ!全部筋肉でできてんじゃねーの!?


そして目の前のヤクザが

手に持った刃物でゆっくりと俺に・・・

斬りかかっ・・・。



「死の臭いがした。」



・・・ふ、と

時間が止まったかのような

なんだか懐かしい感覚がした


俺さ・・・一度だけ・・・。

天使に会ったことがあるんだ。


陣が死にかけた時に

助けてくれたんだ


本当に・・・見たんだ。



「ソレ ハ コク シ ノ チカラ ダ ネ?」



ゆっくりと起き上がる命君の体・・・。

首が無いのにだらだらと血を流しながらこちらにむかってくるソレは


ヤクザ達も凍りつき・・・ただ、見ていることしかできなくなった。



「なんで、君たちなんかが・・・ソレをもっているの?」


「な、なんだコレ・・・!?」


「ゾ、ゾゾゾ!ゾンビ!?」



じわり、じわりと・・・

骨、肉・・・血管・・・脳・・・目玉・・・。

少しずつ、再生してきて


徐々に顔が戻ってきた

そして、皮膚や髪が戻らないまま・・・。


命君の体から・・・羽が・・・!



「僕は天使だよ・・・黒の騎士団の命の源・・・!黒命様だ!!!」



そしてすべてが元通りになったとき

悟った・・・。


俺が、あの時みた、天使様は

命くんだったんだ・・・。



「僕が一番嫌いなのは・・・安々と命を奪うやつだよ・・・。」



パチン!

命くんが指をならすと


そこらじゅうに天使の羽が舞い降りる



「『君たち』も命が欲しいだろ?」



そういうと、ヤクザ達の身体の中から

内臓が・・・体を食い破って出てきたではないか・・・。



「あ・・・え・・っと・・・。あのとき、の。」


「焔おにーさん・・・だまっててゴメンね?ボク・・・天使だったんだ。」


「あ、あれ・・・は?」


「・・・彼らの内臓に『命』を与えたんだ・・・命になったら、本体なんかより自分が大事だ・・・あれはただの捕食だろう。」



内臓たちはどんどん持ち主を食っていき

内臓だけがただ蠢いていた・・・。


は、吐きそう・・・。



「ねぇ、焔おにーさん・・・これって・・・もう、何人か死んでるよね?」


「・・・多分、同じやつがやってる・・・な。」


「早く止めなきゃ。」


「・・・今なら、なんとなく・・・答えが出せそうだし・・・そうだな。」


「・・・心当たりがるの?」


「・・・ああ。」



ザッ



後ろから足音がした


もう・・・この音だけで

誰だかわかった気がした



「・・・丁度、きたな・・・黒鳥・・・。」


「答えは揃ったんだろ?・・・さぁ・・・口論でもはじめないかい?」

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