月夜の白兎
「・・・はい、こちら黒死様でっす!」
『でっす!じゃないよ!馬鹿死神!』
「ええー・・・黒雷?なんか用なの?」
黒雷からまたクレームの通信だ
あいつ、僕のこと嫌いだって
いっつもいっつも言うくせに
年中通信がかかってくる。
クレヨンで黒雷の部屋に落書きした時も
黒雷の筆記用具でロボットを作った時もだ
全く・・・ホントは僕のこと好きなんじゃないのー?
『神月 龍也が死んだ!彼はまだこの時間では生きていたハズだぞ!』
「・・・はぁ?なんで君が死亡者リストの人間の事なんか知ってるのさ?」
『そんな事どうでもいいだろ!死の管理はどうなってるんだ!』
「んーっとね・・・あったあった、彼は急遽死亡者リストに載ったケド間違いなく死ぬ運命だよー?」
『急にって・・・そんな事あっていいのか!?』
「黒命の蘇生枠の穴埋めだよ!もー!こっちだって好きでやってるんじゃないっツーの!」
そう言って無理矢理通信をきってやった!
全く・・・いちいちうるさいやつだなー・・・。
「黒死サン、お仕事大変なんデスか?」
「大変だよっ!こうやってたまには気分転換しないとやってらんない!」
そう言いつつ僕はこの間あったシロウサギ君と
お月見会をしているのだあった。
「まぁーそーデスよね。悪魔の方も上がかガミガミ言われるんデスよー。」
「お互い大変だよねー。」
「ソンナことより・・・黒死サンまた面白そうなコトやってるじゃナイデスかー。」
「・・・泪の事?」
・・・泪というのは
最近友達になった少年で・・・。
ヒドイいじめで、性格の歪んでしまった・・・。
だからこそ惹かれてしまった、ボクの、親友。
「たかが人間に、死ぬ予定の人間なんか決めさせて良かったんデスか?」
「・・・それ相応の対価はもらったしね。」
「そんなモン何デスか?」
「黒命が余計なことするから悪いんだ!」
ただでさえも嫌な仕事なのに!
こうやって黒命がどんどん増やすんだもの!
たまには僕だって、ちょっと悪いことしたくなっちゃうのだ。
「まー、たまにはそういうのもいいんじゃ無いデスかね?だって、命を奪うのなんて気が滅入っちゃうデショー?」
・・・本当にそうだ
僕、死そのものだけど
本当は・・・こんなことやりたくない。
「・・・だけど、ボクがやんなきゃ秩序が守れないんだよ。」
「・・・ワタシしか見ていまセンよ?」
・・・は?何を言ってるんだこいつは。
君しか見てないからってなんだっていうのさ。
「だって、黒死サン泣きそうな顔してマスもん。」
「別に、泣かないよ。」
「ふふ、泣くのを我慢するのになれチャッタ顔デスねー!」
「・・・なにがおかしいのさ。」
「ワタシ悪魔ですからネー!そういう風になっちゃったんデスヨー。」
アッハッハと笑うシロウサギ
なんだよ、僕がいまどんな思いで
君の隣で笑ってると思ってるのさ。
「ホラ、見てくださいヨ黒死サン?あんなに月が綺麗デス。」
「・・・ぐす・・・ホントだ。」
「ふふ・・・やっぱ泣いてるじゃないデスかー・・・ワタシの胸でよかったら貸しマスよ?」
「じゃあ、借りてやるよ!」
なんだかあんまり綺麗なお月様で
なんだか悲しくなってきて
なんで僕が悪魔何かに泣きつかなきゃいけないんだ!
ムカツクから鼻もかんでやろう
あれあとでめっちゃ困ったし!
「・・・そんなに辛いならやめちゃえばイイのに。」
「そういうわけにもいかないだろ・・・死がなくなったら・・・。」
「まぁソウデスケド・・・。」
「それに・・・今まで殺してきた命がいくらあると・・・。」
そんな話をしていると・・・僕は
なんだか眠くなって
ぐっすりと眠ってしまった。
「・・・おやすみなさい黒死サン。」
あれからワタシは、こうやって
時々黒死サンのおうちに遊びに来てるんデス。
黒死サンはいつもニコニコ笑って
いわいるクソガキ君なのデスが。
時々、こうやって
黒死サンは大泣きしてしまうんデス。
「こんな子供にさせることじゃ無いデショ・・・。」
この人は、『死』を背負うには子供過ぎる気がするんデス
生き物が死ぬたびに傷ついて・・・。
ワタシはいつも、彼が泣き疲れて眠ってから
ゆっくり頭を撫でてあげていマス。
彼は・・・いつも、秩序という言葉を使うけれど
それは自分の存在に対する言い訳をしてるみたいで
ワタシには、目には見えない鎖のように見えるのデス。
「黒の騎士団・・・か・・・黒死サン?なんでそんなにあそこにこだわるんデス?」
黒死サンからは、スゥスゥと、寝息だけが返ってきマシた。
こうしていれば・・・完全にただの子供なのに。
「・・・教えてあげようか?全部。」
「・・・ドチラサマデスカ?」
見たことのない男の方が、いつの間にか黒死サンの家に
一体どこから入ったのデショウ?
「・・・全部あげるよ、君の、君にあるべき『記憶』を。」
そう言うと男は
僕に手をかざしてそのまま
この場から消えてしまって・・・。
僕はなんだか頭が重くて眠くなり
そのまま意識をうしなったのデシタ・・・。




