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ゲームスタート


「黒雷!ねずみとり機を作ったぜ!」



・・・クロネコ君は機械いじりが好きで

猫の姿だと機械が弄れないのが不満らしいので


大きめのズボンと帽子で耳と尻尾を隠させて過ごさせている。



「ネズミが好む匂いを発して近くにきたら捕まえるんだ。」


「ふぅん?」


「まぁ見てろ!」



おもむろに機械を動かすと早速ねずみが現れた。

だが、機械から出てきた槍のようなものはネズミには届かなかった・・・。



「おらぁ!」



クロネコ君がすかさずねずみを退治する。

さすがクロネコくん・・・頼りになるけど・・・。



「どうだ!?」


「・・・君が退治したほうが良くないかい?」


「・・・それもそうだな・・・。」



・・・どうやら今回は企画段階から失敗だったようだ。

試みは悪くないからこれからも頑張ってねクロネコくん・・・。


・・・そんなクロネコくんを他所に冷蔵庫の前でプルプルし始めるショコラ・・・。



「無い!おれ!おれの!あいす!ないぞ!」


「・・・急に隣でうっせー犬だな・・・。」


「くろねこ!おまえ!おれの!くったな!?」


「俺じゃねーよ!アイスごときでガタガタうっさいな!」


「おう?!やるのかー!くろねこっ!」


「やったろーじゃねーか!?」



そして唐突に始まる犬猫喧嘩・・・。

ショコラは氷狼男で・・・アイスが大好きなのだ。



「やめろ!ショコラ!」


「クロネコくんも・・・喧嘩しないで。」



我が家は今日も大騒ぎだ

こんな時、仲裁になってくれるホットミルカーにはとても感謝している



「こんな時は・・・健太郎!頼むぞ!」


「はい。それでは、ショコラさんのアイスを食べた犯人を特定します。・・・監視カメラと同期しています・・・now loading・・・」



健太郎は、僕が作っただけあってなんでもできる

困ったときは健太郎

一家に一台健太郎である。



「犯人を特定しました。黒雷、貴方がアイスを食べた犯人ですね?」


「・・・あ、あれショコラのだったのか・・・。」


「おう!こくらい!どういうことだ!?」



・・・と、このように・・・

僕は子供が嫌いなはずなのに

子供をどんどん引き取ってしまっている・・・。

こちらの世界では、孤児院の院長ということにまでなっているのだ・・・。



「・・・あ、そうそう・・・今日、勇葉くん達くるから、皆お迎えの準備をしておこうね。」


「・・・おう?・・・おう、そうだな。」


「黒雷、話をそらし、ショコラさんを騙そうとしているように見受けられます。心理評論モードに移行しますか? 申請許可をとっています・・・」


「申請許可しません!」


「許可されませんでしたので、通常モードに再移行しています。now loading・・・」



ふ、ふぅ・・・危ない危ない・・・。

勇葉くんをなんの疑いもなくここに通わせる目的にも役立ち

孤児院という設定は大変便利なのだが・・・。


何度もいうように僕は子供が嫌いなのだが

毎日子供達に囲まれるのはいかがしたものだろうか・・・。



「おいーっす。」


「よー!黒雷さん!今日は魔法まふら君もきてくれたぞ!」


「あ、あの・・・こんにちは。」



・・・はぁ、焔君の恋人くんか・・・。

言ってるそばから子供が増えたじゃないか・・・。



「おう?!おまえ!りっぱー!?なんで!?このせかいに!?」


「は、はい・・・!?」


「ショコラ・・・そいつはお前の知ってる奴じゃない。すまない、こいつは頭が弱くてな・・・お詫びにホットミルクでもどうだ?」


「え、あ・・・ありがとうございます・・・。」



・・・リッパー・・・あのスカーフくんか、言われてみれば似ているような・・・。


まぁ大分先の時代まできてるからな

転生でもしたのかもしれない。


性格は似ても似つかないな・・・。



「なぁ、黒雷さんにも聞いてもらおうぜ。」


「んー、そうだな・・・。」



なにやらこっちはこっちで

勇葉君と焔君が、何やら悩んでるようだ

子供たちの悩み相談となれば

教師だった時の経験が役立つ訳だが・・・。



「僕のキャラクターを崩していくのはやめてくれないかな・・・。」


「何の話かわかんないけど、相談のってよ黒雷さん。」


「まぁいいよ・・・何?」


「『生き物の命は平等』ってのと、『人殺しはいけない』っての・・・矛盾してるんじゃないかって・・・。」



・・・この子も中学生なんだなぁ。

この頃の少年たちはこういうよくわかんない疑問持ったりするよねぇ


早い話中2病ってやつだな。


思春期に入り始めたのだろうね・・・あんな小さかったのに

成長したもんだなぁ・・・。



「・・・双方が矛盾するのは仕方ないよ、正義なんてそもそも矛盾だらけだからね。」


「んー・・・じゃあ、黒雷さんは?どう考えてるの?」


「僕はね、極悪人だから・・・命の価値なんか平等だと思わないし、人殺しだって否定はしないよ。」


「さ、参考になんねぇ・・・。」


「しなくていいよ。」



こういうのは、迷いに迷って自分で答えにたどり着くのが一番だ

下手に助言するとそちらに流れてしまうからね。


僕は、それはその人間の個性が一つ死ぬのと同意味だと思う。

周りに流されるだなんて、そんなのその人間が死んでしまうのと

時の流れの前では完全に同意義だものね。






ガンガンガン!!ガンガン!!




・・・ドアのノック位もっと大人しくしてくれないかな・・・。

っていうか誰だ・・・?



「入って来ていいよ。」



僕がそう言うと見知らぬ少年が二人入ってきて

魔法まふら じんクンに突撃していった。

なんだよもう!また子供が増えた!!



「日野先輩に連れて行かれるのを見たんだ!無事か魔法まふら!?」


「あの人に目をつけられたら生きては帰れねーんだぞ?!」


「ゼンちゃん!?てっちゃん!?だ、大丈夫だよっ!」



あー・・・。

焔君の後輩君たちか・・・。

彼は小学校の悪ガキのトップだったからなぁ

友達が連れて行かれてたらちょっと焦るだろ・・・。



「てめぇら!陣に近づき過ぎだ!殺すぞ!!!」


「ぎゃー!!日野先輩!!?」


「ほ、焔・・・ヤンキー辞めるんだろ!」


「はっ・・・そうだったな・・・っち!」



・・・勇葉くんが止めなかったら大騒ぎだったな・・・。

子供。が騒ぐのが一番嫌いだから正直助かった


そうこういっていると焔君のヤンキー友達が後ろから入ってきた・・・。

増えすぎだろ・・・。



「ごっめん日野ぉ・・・そいつらに説明してるうちに眠くなっちゃって・・・。」


「てめぇ!龍也たつや!また急に居眠りコキやがったのか!」


「ああ・・・いらっしゃい神月かみつきくん。」



・・・この子・・・神月かみつき 龍也たつやくんは、前の時に勇葉をいじめていたいじめっ子グループの仲間で

僕の教え子だった・・・水の勇者、神月かんづきくんの生まれ変わりなんだそうだ。


黒命に聞くまで、まさかそんな縁があるなんて思いもしなかったけど・・・。



「ってぇ、いうかぁ・・・おれ納得いかないんよなぁ。授業眠いから寝てるだけなのに不良扱いされてんの・・・。」


「お前、喋りながらとか、体育の時も寝ちゃうからな・・・。」


「でもぉ、寝てるだけじゃん。」


「『噛み付き 龍也』の異名はなかなかつくもんじゃないと思うけどな・・・。」


「それはぁ、アイツラむかつくんだもぉん。」



・・・あの神月かんづきくんが生まれ変わったらこうなるのか

なんだかなぁ・・・もう別人だから仕方ないんだけど。



「・・・そうだ神月かみつきくん、弟君は元気にしてるの?」


「んー?平太なら、風邪で寝込んでる。」


「はぁっ?!龍也てめー!だったらさっさと看病しに帰りやがれ!」


「えー・・・眠いのにー。」



・・・弟の平太くんは、あの大変院くんだ。

結局・・・太陽が望んだ平穏を、生まれ変わって手に入れたのはこの二人なわけだ


・・・太陽くんは・・・今、どうしているのかな。



「あれ!?陣がいない?!陣はどこだ?!」


「さっきぃ、後輩くんに説得されて出てったケド・・・。」


「じゃあ言えよ!っていうかそもそもお前のせいだろ!帰れ!」



一通り焔君が怒鳴り終わると

神月かみつきくんも帰り


陣くんも帰ってしまい


陣くんを心配して来た後輩君だけが静かに焔くんに説教されるという

わりかし恐ろしい空間になってしまった。



「これだったらさっきまでのやかましい方がましかもね・・・。」


「黒雷さん、このクッキーうめぇな!」


「勇葉くんってわりと神経図太いよね。」



・・・毎日騒がしく

いろんな子供たちがやぁやぁ言ってるのが


僕にとっての日常になってしまった。


そんな日常が僕にはすこし居心地いいものに

なりつつあって・・・。



「まぁ、静かすぎるよりマシか。」



そんな風に考えるようになってしまった。

僕はもうダメかもしれない。

まぁ、それでもいいのだけれど。


そして


子供たちが帰るときに

そんな日常は





崩れ去ろうとしていた・・・。




「大変です日野せんぱいっ・・・!外にっ・・・血まみれの神月先輩がっ・・・!」


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