セカンドゲーム
コイツと出会ってからもう5年もたつのか・・・。
俺の親友、日野 焔は
うちの学年の頭とも言える
所謂ヤンキーのトップだ
そんな焔の周りはヤンキーばかりで
俺は、少し特殊な出会いをして・・・親友をやっている。
そして今日も俺たちは二人の秘密の時間を過ごしていた。
「でも俺・・・アイツと釣り合うなんて思えなくって・・・。」
「何言ってんだよ焔!お前は俺の自慢の親友なんだぜ?」
「勇葉・・・。」
いつも、俺を守ってきてくれた焔は恋に臆病で
今日も俺は恋愛相談を受けている
俺だって彼女なんかいたことないケド
周りが周りだけに、焔がこんなことを話せるのは俺だけなのだ。
「だけどよ、勇葉・・・あいつは、幼馴染でさ・・・なんか今更っていうのも・・・。」
「だったら、なおさら焔のいいところだってわかってるハズだよ!お前なら大丈夫だって!」
「そ、そうかな・・・。」
焔は真剣に悩んでいるんだけど・・・。
俺は、焔が俺を頼ってくれるのが嬉しくてしょうがなかった。
焔は不良のトップで、いつも強くなくっちゃいけなくて
だから、焔のこんな弱い所を知っている俺だけで
それが俺達が親友だっていう、何よりの証なんじゃないかって。
「俺・・・頑張ってみるよ・・・!!」
「ああ!頑張ってこいよ!」
ああー・・・俺までドキドキするなぁ!
アイツ、上手くやれるかな。
いや、焔ならきっとうまくやるよな
アイツはスッゲーいいやつだもん。
「ご機嫌だねぇ、勇葉くん。」
「あ!黒雷さん!えへへ、ちょっと・・・俺にとっては、いいことがあってさ。」
「ふぅん、それは何よりだね。」
「焔はさ、本当はいいやつなんだよ!前はいじめなんかやってたけど・・・俺が言ったらいじめはもうしないって、言ってくれたんだ!」
「そう・・・もう君達も6年生だしね・・・中学生は、もう半分大人みたいなものだものね。」
「えへへ、そーゆーこと!」
昔っから焔と二人でお世話になってる黒雷さんだ
時々フラッと歩いているのに出会うのだ
「しかし、もう中学生か・・・時が経つのは早いものだね。」
「んー中学生かぁ・・・なんか、大人って感じだよな!」
「・・・そうだね・・・。」
黒雷さんは、時々今みたいに
悲しい顔をする
何故だろうか?
俺には少しも解らない。
「そーいえば、黒雷さんってそれ、名前なの?へんな名前。」
「・・・え?・・・あーえっと・・・ニックネームみたいなものかな・・・。」
「へぇー・・・本名はなんていうの?」
「・・・え・・・っと・・・『黒鳥 雷輝』略したら、黒雷だろ?」
なるほど・・・いいなぁ、ニックネーム
俺なんか原 勇葉だからフルネームでも4文字・・・。
ニックネームなんか付ける方が呼びにくくなってしまうのだ。
「・・・最近寒くなってきたし・・・あったかくしてるんだよ、勇葉くん。」
「む・・・もうすぐ中学生なんだぞ!いつまでも子供扱いしないでくれよな・・・!」
黒雷、あの子とうまくやってるなぁ
今日も街のパトロールついでに彼らを見ていた
僕はとっても優秀な天使だから
僕が生み出した命達が正常に作動しているかも
しっかりパトロールして見て回るのだ。
おっと、こっちにもカップルが
手をつないでルンルンと歩いている
いいなぁ、僕も黒死とイチャイチャしたいなぁ・・・。
あの、ちゅー、とかもしたいし
なんていうか、その・・・その先も・・・おっとっと
僕は純粋な天使なんだぞ!何を考えているんだ・・・。
「まさか、焔さんもボクが好きだったなんて・・・。」
「俺も、陣が俺のこと思っててくれたなんて思わなかった・・・。」
・・・あれ?あの二人男じゃないか
この世界の人間はたしか同性どうしじゃ子孫を残せないはずだ。
さっそく正常に作動していない人達を見つけてしまった・・・。
実は見つけたとして、どうするかって言うと
僕は『次から気をつけます』って言うしかないのだけれど・・・。
「反省文書くの面倒だなあぁ・・・。」
まぁ、いいか・・・僕が反省文を書くだけで
二人の少年が幸せに恋愛できるのだから。
僕らには性別なんて概念がないから普通に応援したくなっちゃうのだ
子孫を残せないから、どこかで余分に命を生み出さなきゃいけなくなっちゃうけど・・・。
ぼくにかかればちょちょいのちょいだ!
黒の騎士団の命の源、黒命様は無限大なんだからっ!
「陣っ!しっかりしろ!陣・・・!!」
さっきのカップルの少年が叫んでいるので
様子を見に行って見ると・・・
土手から落ちて、頭をうってしまったカップルの片割れが・・・。
あの子達・・・たった今結ばれたのに・・・。
もう、一人が死んでしまった・・・。
そんなのあんまりだ・・・可哀想だよ・・・。
僕は周りを見渡した
死神らしき者はいない・・・もちろん黒死もいないな・・・よし!!
「君はまだ、この子を殺したくはないだろう?」
僕は翼を広げ、生命の光を死んだ少年に注ぎ込んだ・・・。
すると、少年はうっすらと目をあけた
そう・・・蘇らせたのだ。
「・・・天使・・・様・・・?」
「そう・・・天使だよ。」
「え、え!本物の!天使!?」
「ふふっ・・・死神さんにはナイショだよ?」
そう言って僕はその場を立ち去る事にした
秘密にしておいて貰わないと
黒死に知られたら大目玉だ・・・。
「焔さん・・・ぼく、天使様に助けられたんだ・・・。」
「・・・俺も、見たよ・・・天使・・・。」
「僕らを、祝福してくれたのかもね・・・。」
「・・・ははっ・・・お前が無事で本当によかった・・・。」
ふふふ・・・いいことしたあとは、本当に気持ちがいいなぁ。




