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Re.願いを叶える死神


「ねぇ、黒時、黒歌が目を覚まさないんだけど・・・。」


「彼は自らの意識を断つことを望んだのでしょう・・・このままでは『運命』が不安定になってしまう。」


「どうするつもりなの?」


「どうするって、その間、運命ものがたりをどうにかするのが貴方達の仕事なんですよ?黒雷?」



・・・運命管理局、なんていうけど・・・。

その『運命』もここで働いているわけで・・・。


ここの仕事は半分以上、彼の管理になってしまっていたところがある・・・。


彼が埋めきれない思想を、僕らが物理的に埋めていたのだ。

だけど・・・。



「黒歌がいないと仕事が倍になるじゃないか・・・!」


「そのための人員確保ですよ!今こそあなたがたの出番です!」


「・・・っていうか、黒歌は目を覚ますの?」


「・・・ここさえ乗り切れば、彼は成長できるんですよ・・・私には未来が見えていますから。」



・・・成程・・・。

まぁ、こういう失敗を繰り返して

黒歌が成長していけば・・・。


僕たちの仕事も少なくなる


そのための多忙期間なら・・・。

我慢できなくもない・・・ん?



「運命が不安定でも君が未来が見えてれば問題ないんじゃない?」


「・・・今のままだと問題があるから働いてもらうんです。」


「ああ、そういう・・・。」


「・・・そうだ、黒雷。あなたにはとってもやる気の出る仕事を任せます。」



・・・うーん・・・。

今までも結構過酷な仕事ばかりだったし

今更やる気の出る仕事なんてないと思うけど・・・。



「・・・何すればいいの?」


黒鳥くろとり るいはら 勇葉おはの運命をあなたにゆだねます。」


「・・・え?」


「貴方のお友達の物語をそろそろあなたに作って貰おうと思います、方法や構成はあなたに任せます。」



・・・ここに来てまさかの

本当にやる気の出る仕事を任された・・・!



「あなたが行きたい時代、場所を特定してくれればどこにでも飛ばせますよ。」


「ほ、本当かい!?」


「あなたが一番やり直したい物語なんでしょう?さぁ、いつがいいですか?」


「えっと・・・なら、勇葉のいじめが始まる前からお願いするよ。」



突然の事で驚いたが

僕はもうどうするか決めてあるのだ


今度こそ勇葉が幸せになれる世界を

作ってやれる・・・!!



「それでは、いってらっしゃい。黒雷・・・。」



こうして僕は、僕が生まれた

懐かしい世界に飛ばされたのであった・・・。









―――まず、勇葉がいじめられていた、所からいけなかったんだ


いじめられっ子は、そういう環境に置かれただけで

人格は捻じ曲げられ、卑屈になって


幸せなんてあるハズがない・・・。



そのためにはまず



彼をいじめていた少年と

勇葉を仲良くさせる


二人が仲良しなら、勇葉がいじめられることはないだろう


その代わりに誰かがいじめられることになるだろうが・・・。

そんな事僕には関係ない。



そして第二に・・・。

黒鳥 泪と彼はできるだけ接触させない事だ。



ぼくは勇葉を殺した張本人だ

また勇葉が死んでしまっては意味がない・・・。




「今度こそ、君を・・・。」


「黒雷、何やってんの?」



・・・この耳障りな声

ああ、記憶が蘇る・・・!



「帰れクソ虫が。」


「なんだよぉ!太陽君の願いだって叶えてやっただろ!?」


「・・・その件は感謝してるよ・・・だけど今回ばっかりは邪魔するなら許さないよ?」


「僕も!ここで仕事があるんですぅー!そんな暇ないんですぅー!」


「黒死も仕事してたんだね?」


「してるよ!いつもしてるよ!僕はね!『死ぬ予定の人間』をしっかり殺さないといけないの!死神だからねっ!!」



・・・『死ぬ予定の人間』・・・?

ちょっと待てよ・・・。


前の時、勇葉は死んだんだよな?



「あのさ、黒死・・・その『死ぬ予定の人間』が死なない方法ってないのかい?」


「・・・そこは僕のさじ加減次第ってところだけど・・・何があっても予定通り殺すよ。魂の帳尻が合わなくなっちゃうからね。」



元々いけ好かない奴だったけど・・・。

今回は最大のライバルになりそうだな・・・。



「ただでさえも黒命が余計な命を蘇らせちゃうんだから・・・。僕も大変なの!」


「・・・あっそ、じゃあ僕は僕で、勝手にやらせてもらうからね。」


「そーですかー!勝手にしてくださーい!」



鬱陶しいガキだなぁ・・・。



とりあえず・・・『物語の土台』を作り変える所からはじめるか・・・。














「・・・何してるの?」


「猫が、捨てられてるんだ。」


「日野くんって、怖い人だと思ってたけど・・・優しいんだな。」


「お前確か・・・同じクラスのやつだよな?」


「原 勇葉だよ・・・もー、ちゃんと覚えてよ。」


「だってお前、いつも一人だから名前誰も呼ばねーじゃん。」



・・・クロネコ君に協力してもらったが

なかなか上手くいった。


いじめっ子=不良=捨てられた動物に弱い


僕の方程式は間違ってなかったのだ。

このあとも・・・仕込みは完璧だ



「あっ・・・俺、猫飼ってくれそうな人知ってる!」


「本当か!?勇葉!?」


「えっ!う、うん!」


「連れてってみようぜ!案内してくれよ!」


「ま、任せてよ・・・!日野くん!」


「なんだよ水くせェな・・・ほむらでいいよ、おれ日野ひの ほむらってーの、お前こそ覚えとけよな。」


「だって、俺・・・友達いたことないし・・・。下の名前、なんて・・・。」


「・・・へっへ、じゃあ俺が第一号だな!勇葉!」


「・・・う、うん!そ、そうだな!焔!」



そして、二人の少年は僕のところに黒猫をつれてきて

黒猫は僕が飼うことになった。


まぁ元々うちの子なんだけど・・・。


初めて友達ができて幸せそうな勇葉くんと

少し弱気な新しい友達に、格好つける焔くん



・・・本当はそこには僕がいたはずなんだけど・・・。

勇葉の幸せを思えば・・・。




いじめが起こるのは今から2年後だ

ぼくと出会うのもその後


つまり勇葉がいじめにあわなければ

二人は出会うこともない・・・。



こうして僕は、勇葉の第二の人生を見守る事にしたのであった。

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