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運命管理局『黒の騎士団』  作者: 東雲 紋次郎
伝説のサラマンド
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神の言葉

今日も司は目を覚まさない。

司の病室でテレビのニュースをみていた。



『世界中で、病気が次々と直る事態が発生しており・・・。』


「・・・俺らとは違うヒーローが、どっかで今日も世界を平和にしてるぜ、司。」



・・・司から返事はない

黒炎と戦った時の怪我はほとんど治ったそうだが


色々と病気が誘発してしまったらしい。


怪我や、黒煙による肺炎から体力が低下し

病気に弱くなっているそうだ。



「・・・病気を直してくれてるヒーローがさ、いつかお前を助けてくれるよ。」



せっかく、戦いの無い

俺の望んだ生活が手に入ったのに


司がいないんじゃ、何も楽しくない・・・。



神月も平太も



どうして俺を一人で置いて行くんだよ・・・。







「やぁ、太陽。」


「・・・黒雷先生・・・お見舞い来てくれたんだ。」


「珍しく極悪人にならなくて済むそうだからね。」


「黒雷先生何言ってんの?」


「いや、別に・・・司も太陽も、大変だよね。」


「・・・大変だぁー・・・ってか。ははは。」



平太のモノマネなんかして

作った笑いが乾いてしまう。



「ねぇ太陽・・・君だけは、どうか幸せに生きておくれよ。」


「・・・なんだよ黒雷先生気持ち悪い。」


「司・・・病気の誘発が増えていってるそうだね。」


「なんか・・・苦しそうだもんな。」



黒雷先生は悲しそうな顔をしていた

なんだろう、まるで


未来でも見てきた様な顔に見えた


・・・病気を倒すヒーローがきて

司もいつか助かるっていうのに・・・。



「ごめんね、太陽。」



そう言って黒雷先生は空を見た

そこには、宙へ浮かぶ黒幻先生が・・・。



【さぁ、黒病くらやみ・・・!目覚めの時だ!】



頭に声が浮かんだ

なんだ?


ふ、と司のベットを見ると司が消えていた。



「司!?一体・・・!?」



・・・黒幻先生だ

あいつの仕業だ・・・!


空中の黒幻先生の足元に

病気で苦しむ司が浮かんでいた。



「・・・黒幻!司をどうするつもりだ?」



黒雷先生が鬼神の様な表情で黒幻先生を睨む

この時初めて黒雷先生をかっこいいと思った


・・・いや!この際元々かっこよかった事にしておいてやろう。



「新たなる闇の誕生さ!そして!偉大なる神話のね!!」


「質問に答えろ黒幻・・・!」


「・・・君達も世界中で病気が激減してるのを知っているだろ?」



まさかそれって・・・嘘だろ?

病気を直すヒーローって・・・もしかして・・・?!



確かに司は・・・重病だってきいたけど

だけど・・・そんな事


司がすることないじゃないか



司じゃなくたっていいじゃないか!!!



「この世界の病気を一手に背負いし少年よ・・・その融合をその命と共に解除したまえ!!」



黒幻先生がそう唱えると

司の中から、真っ黒い煙が出て

その煙はどんどん形になっていって


その煙は、女の子の姿へと変わっていった。



「じゃじゃーん!司ちゃんの融合の力でぇ!世界中の病気をかき集めて作られた新たな命!黒病くらやみちゃんでーす!

 『くらちゃん』って呼んでね!」



やっぱり・・・毎日のんきに

テレビで見ていたヒーローは・・・


他ならぬ司だったのだ


司から出てきたその少女は

どんどん黒い煙をそこら中から、世界中から集めはじめて


とてつもないエネルギーを放ち始めた。



「あとは司ちゃんの『命』を貰えば・・・ワタシは完成するの!」



ああ・・・


そんな・・・



「やめろ・・・!」



司が、死ぬなんて


嫌だ・・・!



「やめろおおおおおおおおおおおおおおぉぉ!!!!!」



病院をまるごと焼き焦がす勢いで

俺は炎を発した


こんなにも何かを憎いと思った事は

今まで一度もない



なのに



「君じゃ、黒幻先生には勝てないでしょ・・・。」


「・・・司!?」


「ごめんね、太陽・・・これは、僕の『運命』だから・・・。」



なんでそんな事言うんだよ

俺は嫌だ!そんなの!


お前がいなきゃ!俺は・・・!


そう思うのに言葉が上手く出てこない。



「僕はね、『運命に選ばれた』んだ。」


「やだ・・・お前まで、いくなよ・・・。」


「うまれかわったら・・・また、友達になってね・・・。」


「・・・わかった・・・わかったからいかないでくれよぉ・・・。」


「『君のいる場所に、光あれ』。」



そう言って司はゆっくり目を閉じた

そして女の子と黒幻先生は・・・消えていった


どこかに行ってしまって


残ったのは司の遺体だけで




そして世界は司の事を


『病から世界を救った神』として


神話として未来永劫、広められるかぎり

広められる所までひろげるんだっていう


活動が開始していって




俺も炎の勇者で



でも




俺は




「・・・普通が、良かったなぁ・・・。」



何年も何年も・・・部屋に閉じこもった。

何もかも嫌になった。



「なぁサラマンダー・・・俺の事も焼き焦がしてくれないか?」


「そんな事言うなよー少年!生きてればいいことだってあるんだゾ!」



てへぺろぉ、なんて言いながら

俺の目の前には・・・死神の少年がたっていた



「・・・誰?」


「僕、黒死!・・・黒雷先生のお使いに来たよ。」


「・・・何?」


「僕はねー、『対価を貰ってどんな願いも叶える』能力を持っているのさ!」


「・・・。」


「何でも、君の願いを叶えてあげるよ!もちろん対価は貰うけどね!」



・・・何一つ、思いどうりにならなかった俺への

黒雷先生からのご褒美だろうか


・・・だけど、今更願うことなんて・・・。



いや・・・一つだけ・・・あった。



「俺を・・・司が生まれ変わった時間に飛ばしてよ。」


「ほえ?なんで?」


「約束、したんだ・・・生まれ変わったら友達になろうって。」


「んー・・・じゃあね、対価は君の記憶だよ、自分の名前以外は全部忘れちゃうの。えっへへー・・・それでどう?」




・・・死神って意地悪だんだなぁ・・・。


だけど・・・。



「・・・記憶なんかなくっても・・・司と俺は親友だから。」


「ふーん?だったら・・・君の願いを叶えてあげるよ!!」




こうして俺の

なんの宛もない時空の旅が始まったのであった・・・。








「・・・黒雷、こんなんでよかったの?」


「彼がそれを望んだんだ、そうしたかったんだろ?」


「まともな精神状態じゃなかったと思うなぁ・・・。」


「間違った判断だとしても・・・記憶がないんじゃ一緒だろ?」


「そうだけどさー・・・異世界に飛ばすことになっちゃったし・・・一人で生きていけるかな?ってさー・・・。」


「司くんが・・・何とかしてくれるよ。」


「お互い記憶もないのに?」


「それが親友ってもんなのさ。」


「適当だなぁ・・・。」







「僕も言ってみようかな・・・『君のいる場所に、光あれ』。」

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