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運命管理局『黒の騎士団』  作者: 東雲 紋次郎
伝説のサラマンド
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炎の勇者

―――この世界の人々は

一人一人固有の能力を持っていて


その能力によって定められた運命を負う


これは、そんな世界で

世界を救う勇者として運命を定められた

一人の少年の物語―――








「太陽・・・日向 太陽!」


「ふぁ?!はい!!」


「全く・・・僕の授業で居眠りなんて・・・これだから子供は嫌いなんだよ!!」



・・・この人何で教師になったんだろう・・・。

まぁ、寝ちゃった俺も悪いんだけどさ・・・。


俺の名前は聞いての通り、日向 太陽。(ひゅうが たいよう)


『サラマンド』っていう炎系の能力のごっちゃまぜみたいのが

俺の生まれ持っての能力で・・・。



「君は・・・世界を救う炎の勇者なんだぞ!勉学くらいきちんとできなきゃ・・・!」



・・・俺だって好きで勇者に選ばれたんじゃないし・・・。

生まれた時から決まってたんだよ。



キーンコーン・・・カーンコーン・・・



休み時間だ!やったね!

俺授業は嫌いなんだよねー!



「ふふ、おはよう太陽。」


「司ぁ・・・起こしてくれよぉ・・・。」


「あんまり気持ちよく寝てたから・・・。」



こいつは、白星しらほし つかさ

俺の幼なじみ。



「幼馴染が女の子で・・・その子がドジっ子でおせっかいでー・・・みたいのが良かったなぁ。」


「また言ってるよ・・・僕じゃそんなに不満?」


「そーじゃないけど・・・勇者とか運命とかなくってさ?俺は何の能力もなくって・・・

 そんな幼馴染に振り回されるーみたいなのってさぁー憧れちゃうなぁー。」


「もー・・・中2病も大概にしなよ!そんなの漫画やアニメの中だけの話だろ・・・。」


「そーだけどさー・・・。」



俺、漫画とかアニメって好きでさ

能力もなければバトルも無い

そんな世界で主人公があれこれする・・・。


いわいる、ファンタジーっていうか、現実では絶対ない夢物語

そういうのに憧れちゃうわけだよ・・・。


男だったら、そういう漫画、ハマっちゃうもんだろ?




「まぁ、僕も君が世界を救えるのかーなんて心配な物だけどね。」


「だろだろ?なー変わってくれよー司ぁー。」


「でも・・・僕はサラマンドじゃないし・・・。」


「そ、そうだけどさー・・・。」



うだうだ喋っていると

アイツが来てしまった・・・。


隣のクラスからわざわざ来て・・・。

いつも俺を説教する・・・。

俺と対になってる、水の勇者・・・神月かんづき



「全く!同じ勇者として情けないぞ!サラマンド!」


「うっさいなー・・・わざわざそんなこと言いに来たのかよ神月・・・。」


「僕の事はリヴァイオと呼べと言っているだろう!水龍を統べる水の勇者!リヴァイオだ!」



・・・さすが学級委員もしてるだけあって・・・。

学級委員によくいる感じの奴である・・・。


戦いなんかせずに暮らしたい俺にとっては耳が痛いお説教だ。

海賊みたいな格好しやがって・・・どんなファッションセンスだ!

女みてーな顔の癖に!



「お、落ち着きなよ神月くん・・・。太陽だって、疲れちゃうことくらい・・・。」


「大変だー!大変だー!」



またまた隣のクラスから

真っ黒なパーカーのチビが乱入してきた。



「お前は!隣のクラスの大変院たいへんいん 平太へいた!」



ぜぇぜぇ息を切らして切らしているこの大変院は

事件が起こると真っ先に知らせてくれる


神月の話によると危機察知能力の持ち主らしい。



「とにかく大変なんだ!」


「落ち着け平太、何があった!」


「インベイダーが現れたんだ!!!」


「「何!?インベイダーが?!」」



インベイダーめ!また現れやがったか・・・!

いつも俺の平穏を邪魔しにきやがって・・・!



「説明します!インベイダーとは!侵略者!つまりこの世界を乗っ取ろうとする悪者!

 炎の勇者である太陽と、水の勇者である神月さんが!

 力を合わせて戦わなければいけない相手なのであります!」


「・・・司だれと話してるの?」


「これが僕の仕事なんで。」



コイツもよくわからない数奇な能力と運命にあるみたいで・・・。

幼馴染だが、俺はお世話になってばっかりで

こいつにはなんもしてやれてねぇなぁ・・・。


普通に漫画貸したり

カツアゲから助けたり

こ、恋の相談とか乗ったり・・・


してみたいもんだ・・・全部漫画の中でしか見たことがないけど・・・。

それくらいなら現実でもどうにか実現可能なんじゃないかなぁ・・・。



「もたもたするなサラマンド!はやくいくぞ!」


「わかってるよーリヴァイオさん!」


「こ、こっちだ!」



大変院に連れてこられた先には・・・

でっかいカブトムシに乗った男が・・・!



「フハハハ!我が能力!この巨大カブトムシで!世界を侵略してくれるわぁ!!」



このままじゃ・・・街の皆が・・・!!

街の人さえ犠牲にならなきゃ

こんなこと絶対しないのに!


なんだって俺が!世界を守らないといけないんだ!

俺は漫画みたいに!学校行って友だちとあそんでーみたいな

ファンタジーな暮らしがしてみたいのにー!!



「サラマンド、虫なら炎で焼き払えるな。」


「じゃあ本体のオッサンは任せたぞー。」


「了解した。」



俺は燃え盛る炎の龍・・・サラマンダーを呼び出し

カブトムシを焼き払った



「今だ!リヴァイオ!!」


「お、おれのカブトムシがっ・・・!!」


「束縛・・・鎖水!!」



水でできた鎖がおっさんを締め付ける

こいつの水は、固くも柔らかくもなるのだ


何かと便利そうだよな。


なんとかオッサンを捕まえたけど・・・。

こっからは・・・いつものパターン・・・。



「本当に何も覚えてないんだ!俺は操られていたんだ!!!」



「・・・またかぁー・・・。」


「関係のない人を使うとは・・・相変わらず卑怯なやつめ、インベイダー」



・・・インベイダーはどうやら

人を操る能力の持ち主のようで・・・。


多分これも人の脳を侵略するからなのだろうというのが

神月の分析らしい・・・。



「ありがとう平太、おかげで早く片付いた。」


「っへへーん!俺っちにかかればこんなもんよ!」


「大変院・・・お前、敵見つけて逃げてきただけじゃねーか!ドヤ顔してんじゃねぇ!」


「んだと!太陽!俺っちがいなかったら街に被害が出るまで誰も気づかないだろーが!」


「まぁまぁ、落ち着いてよ大変院くん!太陽も!ほら!謝って!」


「・・・ち、悪かったよ・・・。」



どうも司には頭が上がらないのだ

幼馴染でいっつも世話にばっかなっちゃうし


・・・何より怒ると一番怖いのはこいつだ。



その日の帰り道・・・司とこんな話をした




「・・・いいなぁ、大変院さん・・・。」


「はぁ?あんなチビのどこがいいんだよー。」


「だって、危機察知能力のおかげで・・・神月くんや、太陽の役に立てるじゃないか。」


「・・・そうか?」


「僕なんて・・・太陽とずっと一緒にいるのに、何の役にも立たなくって・・・。」



・・・コイツ、そんなこと思ってたのか

司も色々悩んでるんだな・・・。


確かに俺は・・・炎の勇者だから

毎日街の平和を守って大活躍だ。


・・・それってきっと・・・俺が思ってる以上に

贅沢なことなのかもなぁ・・・。

だけど・・・。


こいつの意見には納得いかなかった。



「お前なぁ!俺は司がいなきゃ!なんもできないんだぞ!」


「・・・え?」


「おまえがいなきゃ!朝は一人で起きれないし!嫌いなものもきっと残しちゃうし!宿題だって!」


「そこは頑張ってよ太陽・・・。」


「ま、まぁそうだけど・・・!今日だって、喧嘩になりそうなの2回も止めてくれたじゃんか!」


「そんなの当たり前じゃ・・・。」


「違う!あれは!お前が俺の事よく解ってくれてるからで・・・!!」



言ってて涙が出てきた

お前がいなきゃなんていったから


司が居ない世界を想像してしまって


それはとっても寂しくて悲しかったから。



「・・・はい、ハンカチ。」


「・・・ブビイイィ!」


「あ!鼻水はやめてよ!」


「うっせ!お前のせいだ!」



炎の勇者なんかいわれて

周りから凄い期待を寄せられて


それがストレスで、時々情緒不安定になってしまう・・・。



「ふふ、確かに僕が居ないと・・・こんな泣き虫が炎の勇者じゃこの世界もおしまいだね。」


「・・・そうだよ・・・だから・・・ずっと一緒にいろよな。」


「はいはい、しょうがない勇者様だなー。」



そんなことを言いながらクスクス笑う司の顔を見て

俺はちょっとだけ安心して帰路につけるのであった。

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