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運命管理局『黒の騎士団』  作者: 東雲 紋次郎
願いを叶える死神
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願いを叶える死神 後編


家に帰ると俺の部屋から声が聞こえる。

おかしいな、家には誰も居ないはずなのに・・・。



「えー?ほんとに?・・・あ、部屋の人帰って来たからきるねー。」


「・・・電話してたのか・・・?」


「あーこのピアス、便利なんだよー!通話機能とかもついてて・・・!」



この死神、何で人の部屋でポテチを食ってるんだ?

それ俺のポテチだろうが・・・っていうか

そのポテチをほうばりながら見ているそれはっ・・・!



「返せ!何勝手に人の遺書見てるんだ!」


「もー死なないんだからいいじゃんかー。」



全く、デリカシーのない子供だ・・・!

しかし俺の遺書、改めて見るとただの痛いポエムだな・・・。

死ななくてよかった・・・。



「・・・そんなことより、そのピアスについて聞きたいんだけど・・・。」


「んー?えっとね、これは・・・さっき言ってた運命管理局みたいなところの配布なんだけどねー。」


「泪を拐った犯人は、それと同じピアスをつけていたんだ。」



そう言うと、死神は持っていたポテチをガサーっと落とした

俺の部屋が油でギトギトになりそうだが

とりあえず確信はもてた。



「黒雷って言うらしいんだけ・・・。」


「こっこくらいぃ!?」


「知ってるのか!?」



そう聞くと、死神はゆっくりと語りだした・・・。




「そんな、なまえ、きいた、ことが、ないなぁ。ぴあすも、みまちがいとか、なんか、ぐうぜんじゃ、ないかなぁ、わからないなぁ。」



「・・・。」


「・・・。」



「死神って嘘つくの下手くそなんだな。」


「し、死神全員がってわけじゃあないからね!?」



じゃあやっぱ知ってるじゃないか・・・。

こいつが馬鹿で良かった。



「う、ううーん・・・黒雷とは本当に仲が悪いんだよぉ・・・。」


「ガッツリ知り合いなんだな・・・。」


「黒の騎士団で一緒でさぁ・・・。」


「なんだその無駄にかっこいい名前・・・。」


「・・・さっき言ってた運命管理局みたいな組織のことさ・・・。」



そんな名前だったのか・・・確かにちょっと名乗るのは恥ずかしいな

ごまかすのもわかるぞカイくん・・・。



「僕はそこの死神代表みたいなもので、そいつは雷神の代表なんだよ。」


「雷神の・・・?」


「そ、雷神の親玉って呼ばれてる、怖いおばさん。」



確かに恐ろしいな・・・雷神・・・電話とかがNGだったのは

そういう関係だろうか・・・あの義手を見る限り機械にも強いのだろう


目の前に死神がいたら雷神だろうがなんだろうがすんなり話が入ってくるなぁ・・・。



「アイツから逃げてきたんならヤバイよ、アイツしつこいし・・・絶対に捕まっちゃう!」



それはマズイな・・・何とかして泪を守らないと・・・!!





ピンポーン




誰だこんな忙しい時に!

玄関を開けるとそこには泪が・・・!

なんてナイスタイミングなんだ!まさに奇跡!



「なんかね、明日から警察の人とかに色々聞かれるみたいだから・・・会えなくなると思って。」


「それでわざわざ来てくれたのか・・・ありがとな、泪!」



死神がジットリした目でこちらを見ている・・・わかるぞその眼

『リア充爆発しろ!』と思っている時の目だ、すごく解る・・・。

なぜなら俺はその眼で何人もの人間を見てきたからな。


しかし泪には死神が見えないのだろうか?ノーリアクションだ。

まぁ漫画やアニメではよくある話だ


2次元の世界に生きてきた俺にとっては不思議な事じゃない。



「・・・雷か?」



ゴロゴロ・・・と雷が落ちそうな音が聞こえた。

次の瞬間、『この部屋に雷が落ちる』と確信した俺は

泪を抱えて部屋から飛んで逃げた。



ガシャーンという音と共に窓から雷が・・・

部屋は黒焦げだ・・・。



「よくかわせたのう・・・褒めてやるぞ、童。」



カラン・・・カラン・・・


聞き覚えのある足音、声

忘れもしなかった・・・犯人の姿が、いま目の前に迫っていた。


当時と少し違うのは・・・雷雲を体に纏っていること・・・。



「だが・・・妾の邪魔をした罪は重いぞ?」


「逃げて!勇葉!」



カイ君が言うとおり、泪を連れて逃げることにした。

カイ君が何発か凌いでくれているが、雷がドンドン俺達を襲ってくる・・・。

避けながら逃げるのでせいいっぱいだ・・・。



「どうしてこれがよけられるの!?」


「だって避けなきゃこんなん死んじまうだろ!」



早く逃げなきゃ・・・!今度こそ泪を守らなきゃ・・・!

そうだ、近くに空家があったっけ・・・。


とにかくそこに逃げ込もう。





「大丈夫か?泪・・・。」


「はっ・・・はぁ・・・うう・・・。」



ごくん、と唾を飲む泪、これだけ走ったんだ・・・息も切れるだろう

ちょっとでもそう思った自分を思いっきり殴ってやりたい




「・・・勇葉・・・怖いよ・・・。」




泪は震えていた

そりゃ怖いよな

ずっとあいつに虐げられてきたんだよな


俺がこいつを支えてやらなきゃ

今度こそ


俺も怖いけど、今度こそ俺が

アイツから泪を守らないと・・・!


俺はそう思って、泪を抱きしめた。



「大丈夫、今度こそ俺が、お前のことを守るから・・・。」


「勇葉・・・ぐずっ・・・勇葉ぁ・・・。」



泪は泣き出してしまった。

体は震えて、とても小さく見えた。



「ごめん・・・ごめんよぉ・・・。」


「なんでお前が謝るんだ!謝るのは俺のほうだ・・・。」



こんな時に、フラフラしてる場合じゃないのに

なんだか意識がおかしい


混沌としている



「ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・。」



ああ・・・なんか言ってやらなきゃ

そう思ってるのに・・・?


お腹が痛い・・・?なんだ・・・?



ふと見てみると・・・












泪の腕が、俺の腹を貫通していた。




「ごめん、ごめんね、勇葉・・・。」



ああ・・・俺、死ぬんだ、今度こそ・・・。

なんだっけ・・・言葉を・・・。


そうだった、謝らなきゃ・・・。



「・・・また、守ってやれなくてごめんな、泪・・・。」



そう言うと口から血が出てきて

俺はそこから永遠に意識を失った。

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