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悩める大天使


あーあ・・・。

本当は僕だってさ?


仲直りしたいんだよ、黒死と。

それなのに黒死はすぐにルールだの秩序だの言って

命の価値はルールや秩序なんかよりずーっと重いんだから!



「・・様、黒命様。」


「えぇっ!?あっえぇっと・・・僕に何かようかい?」


「新しく天使に転生した、ダイヤモンド=スター=スパイクです。」


「あぁ、わざわざ挨拶しにきてくれたのかい?ありがと・・・?ん?ダイヤモンドスター・・・?」


「あっ!気づいてくれましたか!そうです黒命様、黒血です!」


「いやぁ、できれば生きているうちに会いたかったねぇ。」


「そうですねぇ、せっかく黒の騎士団に入ったのに・・・。」



黒血くんかぁ、黒死の下について新人研修で死んじゃったって聞いてるな

全く黒死ったら、自分の後輩もうっかり殺してしまうんだもの


本当に命をなんだと思ってるんだか・・・。



「しかし・・・こうやって黒死様が気遣ってくれなければ・・・天使になることもできませんでしたからね・・・。」


「そ、そうなんだ。」


「そのおかげで、こうして黒命様ともお会いできて光栄です。」



・・・な、なんだよ・・・。

この人心が読めるのかな・・・。


なんでこういう時に限って黒死のフォローばっかするのこの子!

・・・いや、黒死が実はいいやつだななんて知ってるけど・・・。

こうやって喧嘩してる時に限ってさぁ・・・。



「・・・黒命様は、その・・・子供の姿なんですね。」


「ああ、天使ってのは生まれつき完成された存在なんだよ。だから、成長とかはしないのさ。」


「ああ・・・転生したての私が大人の姿なのはそのせいなんですね・・・なんだか不思議で。」


「すぐ慣れるさ、スパイクくんもその姿が、君の完成系なんだから。」


「成程・・・。」



そもそも、子供とか大人なんていう概念はぼくらにはないからなぁ・・・


あれ?この子、前世の記憶を引き継ぎ過ぎなんじゃないだろうか・・・?

どこから覚えてるんだ?

本来なら、転生の度にリセットされるはずなんだけど・・・。


黒血君の時も、黒歌の事を覚えていたような報告がきてるし

天使サイド的にはそんなことがあると大問題だ



「・・・天使の事や、自分の仕事について詳しく知りたいんですが・・・資料館はどちらでしょうか?」


「・・・え?あぁ、資料館ならこの先を左に曲がって上に飛べば・・・。」


「と、飛ぶんですか・・・ありがとうございます・・・。」



スパイク君の今後をどうすればいいか考えているうちに

本人が遠くに行ってしまった・・・。


とは言え僕がどうこう出来る話ではない。

もし仮に前世の記憶が引き継がれたまま転生する性質をもった

存在が本当にいたとして・・・。


それを処分する能力もなければ処置する力も僕には無いのだ


僕は、現在『オフ』になっている命を『オン』にするだけ・・・。

そのためだけに生まれた、天使だから。



「・・・寧ろ、命を守ってるのは黒死のほうだよな・・・。」



僕の場合はどれだけ苦しんでいる者でも

一度死んでくれなければ救えない


黒死は体をはって

死ぬべきでない命を全力で守っている・・・。



・・・だけど、死すべき命には・・・。



いや、まて・・・思考を落ち着かせるんだ、僕。

いくら喧嘩中だからって、問題がすり替わってる。

今考えなきゃいけないのは・・・。



「黒命様!!大変です!資料館の資料を盗んでダイヤモンド=スター=スパイクが天界から逃亡しました!!」


「え、ええぇぇ!!!!?」



・・・ダメだ、時すでに遅しって奴だ

とりあえず黒時に相談しよう・・・。


割ともうどうしようもない・・・。


愕然としつつ僕は黒の騎士団院に

戻・・・。


・・・。


ここで僕はとんでもないことに気づいてしまった・・・。

無い・・・無いぞ・・・。


騎士団の宝石が!!ない!!!

・・・あいつだ!!



「う、うわあああぁぁ!どうしよう!どうしよう!」


「い、いかがなさいました?」


「と、とりあえず黒死呼んで黒死いいぃぃ!!」


「ええぇっ!はい!すぐに地獄に連絡してみます!」



あれは世界移動をする力をもった石なんだ!

あれが無いと騎士団院に帰れないし!

連絡もとれない!


地獄と天界は繋がってるから黒死とは連絡がとれるけど・・・

ああ・・・喧嘩してるのに黒死に頼るの、嫌だなぁ・・・



「連絡がとれました!」


「渡して!あっ・・・えっと、黒死。」


『なんだよ黒命ぇ・・・。』


「天界の資料と騎士団の宝石盗られちゃった・・・。」



・・・これだけ長い間、喧嘩してるのに

僕ってなんて情けないんだ・・・。

でもでも、黒死しか頼れないし・・・

だけど黒死も、僕のことなんか・・・。



『・・・はぁ!?もぉ!とりあえず迎えに行くよ!』


「う、うん・・・ど、どうしよう。」


『とりあえず君は無事なんだね!?僕がなんとかしとくから君は黒時に詳しく話して!』


「わ、解った・・・。」



・・・電話はきれた。

ぼ、僕の安否を気にしてくれた・・・。

黒死、迎えに来てくれるのか・・・。

何とかするって言ってくれた・・・。


今心底ホッとしてる


なんだか、黒死と仲直りできそうな気がしてきた

いつもいつも、喧嘩しては仲直りだ


喧嘩してても黒死は優しいから・・・。



とりあえず僕は黒死が来るまで

この胸の高鳴りの理由を深く考える事にした。

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