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運命の協奏曲

「凄かったねぇ、黒死と黒命・・・。」


「・・・オレここでやっていけるか不安になってきた・・・。」


「大丈夫、上手くやっていけるよ!」


「そんな根拠もなしにさー・・・。」


「あるよ、僕運命だもん。」



そう、僕は運命、そのもの。

僕が望めば望んだ風に、全ての者が動くのだ。


だからこんな会話だって普通なら伝わらなかったりするところだけど。



「ふぅん・・・それなら大丈夫そうだな。」



ほら伝わった。

ふふふ!上手く行くに決まってるさ!

なんて言ったってここに来て初めて!


ぼくが、任された新人クンなんだからね!


黒死や黒命には悪いけど

他の二人よりいい結果にしちゃうからね!



「・・・ここはなに?」


「え?あっ!えっとねー本棚だよ!」


「無駄に広いな・・・。」


「僕、暇なとき読みに来るよ・・・いっぱいあるし。」


「・・・そのいんしゅぴれーしょんで運命とかって決めちゃうの?」


「・・・インスピレーションかな?ううーん・・・そうかもなぁ・・・。」



言われてみれば、影響されないって事はないかもなぁ

それを見越して黒時がこっそり本を入れ替えてたりして・・・。


まぁ、考え過ぎかな。



「黒炎、ここは僕の部屋!で、隣が君の部屋ね!」


「・・・部屋があるんだな。」


「うん、こんな見た目のドアだけど異空間に繋がってるみたいだから中は広いよ・・・ある意味完全防音なのもいいね。」


「黒歌・・・だっけ、歌の練習とかすんのか?」


「そういうこと!なんかあったら僕に聞きにきてくれていいからね!あ、ノックはしてね!」



何故か不安げな表情の黒炎・・・

ノック?ノックか?不安なのは?



「扉の数と、人数あわなくないか?」


「んー・・・黒幻って人がなかなか帰ってこないんだって・・・あ、でもそれでも8人・・・扉は9つあるね。」


「人増やすのか・・・?」


「そうかもね。」



わりと男ばっかでもっさりしてるから・・・。

次くるんなら女の子がいいなぁ・・・。



・・・は、これもう女の子来ちゃうじゃないか

うっかり望んでしまった。



「なんでお面つけてんの?」


「尻尾も触らせてくれない君に教える義務はない。」


「ええぇ!?そこ根に持ってたのかよ!?」



当たり前だ、僕は声変わりしたくないが為に

子供のまま不老になったのだ


そして子供はモフモフが好きなのだ。



「わ、わかったよ・・・でもよ、部屋の中でとかにしろよな・・・あっちのガキ達乱暴そうだし。」


「えへへ!解ったよっ!!」



ふふ・・・!所詮運命には誰も勝てないのさ!!

黒死や黒命には悪いけどモフモフは独り占めさせてもらおう!


初めからこうなる予定だったのだよ!





部屋で二人きりになるとおとなしくモフモフさせてくれた黒炎

やっぱりいいやつだなー、いや、これも僕が望んだことか。



「うわー!本物の犬みたい!」


「みたいじゃなくて本物だし・・・。」


「・・・黒炎は、無限の能力なんだって?」


「お、おう・・・。」


「・・・いいなぁ。」



このいいなぁ、は本心だった

望んだ台詞に合わせた言葉でもなく


僕の、本心だ



「お前の能力だって、便利そうじゃん?」


「・・・まぁそうだけど、寂しいんだもん。」


「・・・?なんだ?さみしいなら俺がそばにいつでもいてやるよ。」


「誰といたって一人なんだよ。」


「どういうことだ?」


「僕との会話で相手から帰ってくる言葉は『僕が望んだ言葉』だけで・・・気づいてしまってからはもう、ずっと一人で喋ってるのと一緒さ。」



望んだ言葉しか帰って来ない

自分の言葉しか無い世界で

自分の思想しかない世界なのだ


そんな世界で僕は、ずっと一人ぼっちだった。



「・・・『言葉』は数で数えられるよな。」



その言葉は、僕が思ってもいない言葉で

こんな感覚は・・・何も気づかずクリスと喋っていた


あの時以来だった。



「『俺の能力は無限で、数で数えられる物なら無限に増やせるんだぜ。だから言葉を増やしちまえば、運命にだって勝てるんだよ。』」



驚いた


驚きなんて、もう二度と無いと思ってた。



「『でも、いいことばかりじゃないんだ。』」


「そんなことない!すごい!すごいや黒炎!!僕の思想を超えるなんて!!」


「『無限って事は、ゴールがないって事なんだよ。だから、俺はどこにも辿りつけずに無限にさまよってる。』」


「・・・そっか、どこまでも、続くって大変なんだね・・・。」


「・・・ま、そういうことだ。」


「あ!意地悪だな!もっと言葉を増やしてよぉ!」


「・・・俺からしたら違いがわかんないしなー・・・まぁまた今度な。」



・・・それって、またこうやってお話してくれるんだろうか

すごく嬉しい


なんだかドキドキしてきちゃった。



・・・これも僕の望んだ展開なのかもしれないけど・・・。


今は今を楽しみたいと思えた。

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