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運命管理局『黒の騎士団』  作者: 東雲 紋次郎
犬耳ヒーロー
30/183

崩れ去る正義

熱い・・・街中が燃えてる・・・。

一体何が起こったんだ?


「クロネコくん。」


この声は・・・さっきの・・・。



「黒雷さん?」


「この世界はね、もうもたないらしいんだ。」



・・・ってことは・・・ノライヌは・・・負けた、のか?

やっぱり・・・黒の騎士団には・・・。

俺らなんかじゃ・・・。



「・・・じゃあ・・・この世界と一緒に俺も、死ぬんだ・・・。」


「この世界に君がどうしても残りたいならそうなるけど・・・。」



なんだか不思議な言い回しをする奴だな・・・。

元々この人ちょっとおかしいもんな。


うん、納得。



「僕とくれば、君達は助かるよ。」


「・・・え?」


「世界は滅ぶけど・・・諦めて僕と来てくれるなら助けられる。」


「そりゃあ・・・嬉しいけど・・・いいのか?」


「僕には君しか助けられないけど・・・。」


「なぁ、ノライヌも探してくれないか?」



負けたとしても、死んだとは限らない

この人が一人だけ助けられるんならノライヌを助けてもらおう


俺はそう思っていた。



「・・・いる場所なら知ってるけど・・・合わない方がいいと思うよ・・・?」



そう言って黒雷さんは炎の中を案内してくれた。

何故だろう、熱くない・・・黒雷さんの力だろうか?


しばらく歩くと

炎の中、一人ポツンと立っているノライヌを見つけた。



「ノライヌ・・・生きてっ・・・。」



俺は言葉を失った。

ノライヌは、黒の騎士団の・・・

ピアスを、つけていた。



「・・・ゴメンなクロネコ。」


「・・・何つけてんだよ、お前・・・。」


「俺はお前のヒーローに・・・なってやれなかった。」


「・・・どういうことだ?」


「この世界を、破壊しちまったのは俺なんだ。」



・・・どういうことだ?

ノライヌの説明はいつも解りにくいんだ。


このままいつも通り推測しちまうと。

ノライヌが黒の騎士団と組んで世界を崩壊させたことになってしまう。



「おい!しっかり説明しろよ!いつもお前は・・・!」


「ごめん、ごめんな・・・俺はもう・・・ヒーローじゃ、ないんだ。」



そんな・・・


・・・嘘だろ。


こいつが


なんで


こんな


信じてたのに


ずっと


お前は・・・。



「お前は!!俺の!!!ヒーローなんだよ!!!!だから!!世界を破壊したのが!!お前なんて!!あるわけない!!!」



俺にはそう叫ぶしかできなかった。


これだけ周りが熱いと、流れる涙もお湯になってしまう。

信じたくない、だけど・・・この炎は間違いなくノライヌの炎だった。


街のみんなは燃えて死んでしまったのに

俺には、全然熱く感じなかった。


不自然に俺だけ、燃やさないようにしているのだ。



「・・・俺を信じてくれて、ありがとな・・・だけど・・・もう、お前とは一緒にいられない。」



ノライヌがそいうと急に炎が襲いかかってきた。


俺は解ってしまった。

裏切られたんだ、俺。


アイツは黒の騎士団になって

世界をヤツ等に売ったんだ・・・。



「早く、こっち。」



それだけ言うと、黒雷さんは俺を助けてくれた。

でも、この人も黒の騎士団なんだよな・・・。


もう、何を信じていいのか解らない。



「・・・何もこんな風にしなくっても・・・だから嫌いなんだよ、アイツ・・・。」


「・・・アイツ?」


「今回の仕事の・・・実行隊長?みたいな奴さ。」



・・・黒雷さんは、やっぱり他の騎士団員とは違うのかな。

弱った心が、誰かに頼ってしまいたい不安が


一気に爆発した。



「う・・うぐ、うわぁぁぁああん!」


「あ、コラ服が塗れる・・・まぁいいか、この炎ならすぐ乾くだろう・・・。」




俺が泣き止む頃には、世界は全て灰になって

ただ灰でできた地面が地平線まで広がっていた。



「ノライヌは・・・俺らを裏切ったんだ・・・黒の騎士団と組んで、世界を壊して・・・。」


「・・・詳しくは僕は知らないケド・・・君を引き取るように、上から言われてるんだ・・・早く行こうよ。」















「・・・あんな別れ方でよかったの?ノライヌくん?」


「世界を破壊したのは俺だし・・・嘘はついてないだろ。」


「確かに、君達を一緒に居させる訳にはいかないけど・・・。」




きっとアイツは、俺が世界を裏切って

一人だけ助かったと思っただろう


俺はそれでいい、もう、あいつに慰められる権利もない。


世界を壊していたのも俺だ

それを知って結局、黒の騎士団に入ることを決めたのも・・・俺だ。


あいつが助かって、生き延びて欲しい。

そんな私利私欲の為に・・・世界を裏切った様なものだ。

アイツに嫌われる事は、自分に対するせめてもの・・・罰みたいなものだ。



「・・・空、見てるの?」


「こんな力が無かったら・・・俺、普通に暮らせてたのかな・・・。」


「・・・そりゃそうだろうけど・・・無いものねだりでしょ?いや、有る物ねだり・・・?」



無いものねだり、か・・・確かにそうだな。



「・・・とにかく君が黒の騎士団に従う以上、あの子の無事は保証するよ。」


「それを聞いて安心した。」



これから、どんな事をさせられるのだろう

もしかしたら、俺が思う正義とはかけ離れた行為かもしれない。



それでも俺は、戦うとなったら夢中になってしまうんだろうな。



全く、自分が嫌になる


だけど、それでもクロネコ・・・お前には生きて欲しいんだ。

生まれて初めて神に祈った


協会も燃やしちゃったけど・・・。




『君のいる場所に、光あれ。』

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