不吉な黒猫とヒーロー
いってて・・・。
何かと体が痛い・・・ここは・・・路地裏だな。
何でおれ此処に・・・?
「って・・・しまった!マシンが!」
やべぇ、たしか俺、狼男に吹っ飛ばされて・・・!
マシンもめちゃくちゃ、これじゃあ戦い用がない・・・。
ふ、と顔を上げると少し遠くでノライヌが狼男と戦っているのが見えた。
・・・吸血鬼はどうなったんだ・・・?
ああ・・・また足を引っ張っちゃったのか・・・。
俺、どうしていつも・・・。
「ねぇ、このマシン邪魔なんだけど。」
「あ、ごめんなさ・・・・!」
そいつが耳につけていた、真っ黒い宝石のピアス・・・!
こいつも間違いなく・・・!
「お前・・・!!黒の騎士団!!!」
「そうだけど、マシン邪魔だよ。」
「うるせえ!この星は壊させないぞ!」
「・・・はぁ・・・?黒の騎士団ってそんなことしてるんだ。」
「しらばっくれても無駄だ!」
「それよりマシン邪魔なんだけど・・・・。」
・・・おかしい、話が噛み合わない。
どういうことだ・・・?
「お前・・・どういうやつだ?」
「それよりマシン動かすよ?」
そう言うと、壊れて動かなかったはずのマシンが立ち上がったのだ
一体どうして・・・!?修復なんて不可能なはずなのに!
・・・でも昔1度だけ・・・。
ノライヌが同じようにして見せたことがあったっけ・・・。
エネルギーが0になったはずのマシンを・・・急に動くようにしたんだ。
ノライヌの不思議な能力と・・・こいつの力は、関係あるのか・・・?
「直すのに苦労したよ・・・こんなにめちゃくちゃにして・・・。」
「あんた・・・何者なんだ?」
「僕?僕は・・・黒雷だよ、通りすがりの極悪人さ。」
「極悪人って・・・黒の騎士団は正義の味方じゃないのかよ?」
「僕はそういうの嫌いだからね・・・。まぁ、黒の騎士団にどう思われてても問題ないよ・・・極悪人だからね。」
・・・なんだか、俺が知ってる黒の騎士団のイメージとはかけ離れていた感じだった。
こんなにだるそうで気だるくて・・・くたびれてて・・・。
反抗期の学生のような黒の騎士団は他に見たことがない・・・。
「・・・なんか君いま僕の悪口考えてたでしょ。」
「・・・!?こころが読めるのか!?」
「なんとなくだけど・・・当たってたんだね?」
全くやれやれと、言いながら黒雷は俺の隣に腰掛けた
持っていた水筒をひとつこっちに渡して来た。
ノライヌの力とこの人の力は関係ないのだろうか・・・。
探りを入れようか悩んでるっつーのに・・・。
「ホットミルクでも飲みながらくつろがない?」
「なんだよこれ・・・。」
「口止めだよ、僕今仕事サボってるんだ。」
なんだか調子が狂うな・・・。
もうどうでも良くなってきた・・・。
黒の騎士団は信用できないけど・・・。
こいつは・・・信用できるかもしれない。
なんか・・・逆にこっち側の匂いがするのだ・・・。
いつのまにか俺は冷静に考えることができるようになっていた
こいつの不思議な雰囲気が俺をそうさせたのか・・・。
とりあえずそのまま座っていることにした・・・。
「あの、戦ってる犬君、君の友達だろ?さっき一緒にいたよね。」
「・・・あいつはいつもそうなんだ、俺を置いて、一人でつっぱしって・・・。」
「ふぅん、しかし黒の騎士団に歯向かうなんて・・・命知らずというか・・・。」
「あいつ、馬鹿なんだよ。」
「成程ね・・・で、君たちはこの星を守るために戦ってるの?さっきそんなこと言ってたよね?」
「・・・うん。」
ホットミルクを飲みながら落ち着いて二人で話してた
どうせ俺が行っても邪魔になるだけだって
さっき痛感したから・・・。
「じゃあ正義の味方ってわけだ。」
「・・・いや、俺ら嫌われ者なんだ・・・世界を救ったってただの乱暴者扱いさ。」
「嫌われ者なら僕らお揃いだね・・・僕も嫌われ者さ、極悪人だからね。」
「でも・・・あいつは俺のヒーローなんだ。」
そうだ・・・あいつは俺の、俺だけのヒーロー
みんなに嫌われたって、いつも俺を守ってくれた
・・・別に俺だけを守ってくれる訳じゃ無いけど
俺にとってアイツはヒーローなんだ。
「ヒーロー、ね・・・あ、倒した。」
顔を上げるとそこには狼男を倒したノライヌの姿が。
・・・こうしちゃいられないな・・・!
「ありがとう、黒雷さん・・・おれ、行かなきゃ。」
「君も戦うのかい?」
「ああ・・・アイツ俺がついてないと何しでかすかわかんねーから!」
「あっそ・・・頑張って。」
マシンに乗り込んだ俺は全速力でノライヌを追いかけた
あいつはとんでもないスピードだからもう見えなくなっちゃったけど
頑張って追いついて・・・二人であの吸血鬼を倒して!
また二人でいつもみたいに暮らすんだ・・・!




