自分勝手なヒーロー
「・・・お前、何してんの?」
「村から追い出された、黒い猫は不幸を呼ぶんだって。」
「ふぅん、おまえも行く宛がないのか。」
「・・・も?」
「おれもあてもなくただ歩いてんのさ、ノライヌだから・・・良かったら一緒に来ないか?」
・・・懐かしい会話だなぁ・・・。
確か・・・オレとクロネコがはじめたあった時の・・・。
・・・あれ?
これは、夢?
「・・・おれなんでねてたんだ?」
「おお、起きたかノライヌ。」
「ほんとに昼寝してやがったのか・・・バッファ郎のとこに行くぞ!」
ああ、そうだった
今日も俺はこの星を救うんだった!
俺たちは急いで教会へと向かった。
・・・おれはさ、むかしっから不器用でさ
それで、一人ぼっちになって・・・。
だから、さみしくてクロネコに話しかけたんだよな、あの時。
「実はさ・・・おれ、正義のためとか言ってるけど。」
「・・・?なんだよ?」
「・・・ううん、やっぱ正義のためだ!」
何度もこの星を、世界を救って来たオレだが
それはとっても簡単な理由で
正義でもなんでもなく・・・。
一人ぼっちだった俺を、ふたりぼっちにしてくれた
クロネコにだけは死んで欲しくなかったんだ。
ただ、それだけだから。
他の誰に嫌われたって
俺は構わなかった。
「・・・ノライヌは小さい俺の面倒、よくみてくれたよな。」
「・・・?お前、まだ小さいだろ。」
「っせーよ・・・死んだら許さないぞ。」
「クロネコ・・・それ何回も聞いたって。」
そうこう話をしていると
突然バッファローが突っ込んできた。
「うわあぁぁぁぁ!!!」
「またお前ら!無茶をしようとしてるらしいな!」
「いってーな!バッファ郎!」
「うるさい!」
ケモノガタから器用にヒトガタになると
いかにも神につかえてそうないつものバッファ郎の姿が・・・
不機嫌そうにこちらを睨むと
バッファ郎は地図を渡してきた。
「ここにいけ!黒の騎士団はそこにいる!!!」
「・・・おう、ありがとな!」
「ふん!これも、『君の居る場所に、光あれ』だ!勘違いするなよ!」
「僧侶は教会で祈っとけ!あとは正義の味方に任せなさい!」
地図をぶんどって俺たちはすぐにその場へ向かった
今回だって、きっとむこうの言い分は正しいものだろう。
だけど、そのためにクロネコを・・・。
俺は死なせたくないんだ。
それだけなんだ。
「オレを邪魔しようとするのはお前達か!!」
屋根の上から突然声がした
そこには・・・身長2メートルはあるであろう
マントに洋風の着物と牙・・・そしてでかいピアス
間違いない!こいつは吸血鬼だ!
そして俺たちの敵・・・!
・・・こいつなんかさっきも会ったような気がするな!
「よく聞けお前ら!オレこそは!黒の騎士団の夜そのもの!黒血様だ!!」
「街を夜にしたのはお前の仕業だな!?」
「その通り!このままこの星全てを!永遠の夜で包んでくれるわ!!」
「そうはさせるか!」
足から炎を出し、ジェットの勢いで飛びかかる
手の平から炎を出せば、その炎からは剣が現れる
こいつでぶっぎる!
ガキン!
驚いた、黒血も剣を持っていた。
「・・・どっから出しやがった・・・!」
「どこからでも出せるんだよ、この『紅蓮剣』は・・・!」
「避けろよノライヌ!」
後ろからクロネコがミサイルを打ち込んできやがった
避けろよじゃねーよ当たったらどうすんだよ!
だけど、ジェットの速度でならよけられる!
「紅蓮壁!」
「防御壁か!?」
「子猫ちゃんにはこちらを相手していて貰おうか・・・!こい!『紅蓮狼男』!」
そう叫ぶと真っ赤な狼男の形をした・・・この匂いはおそらく血だろう・・・。
どうやらこいつは血でできた物質を出現させて操れるらしい。
「クロネコ!そっちは任せた!俺はこいつを倒す!!」
「了解・・・!」
俺は吸血鬼と互角の剣技で戦いを繰り広げた。
こいつはなかなか強い、剣の腕は一流だ・・・。
オレが炎技を駆使してるにも関わらず、剣だけで捌ききってる!
クロネコも苦戦してる・・・!あっちも助けにいってやりのに・・・!
「どうやらお仲間が気になってるようだな・・・?」
吸血鬼が指をパチン!と鳴らすと
真っ赤な狼男が巨大化したではないか!
「なっ・・・!」
一瞬でクロネコは乗っていた機械ごと吹っ飛ばされた
それでも大きな狼男はクロネコを追いかける・・・!
このままじゃ・・・!?
「1対1なら君は僕と互角の腕だな・・・では・・・5対1なら、どうかな?」
「はぁっ・・・!?」
「闇夜騎士!」
なんと影のように真っ黒な吸血鬼が4対でてきた・・・!
このままじゃ流石に負けちまう・・・!
それにクロネコも心配だ。
ここは一旦退避して狼男を倒そう!
「くらえっ・・・爆炎!!」
「うわ!熱!?」
オレは大きな爆炎で相手に隙を作りそのまま逃げ隠れた。
このままクロネコの所にいこう・・・!
早くしないとあいつが危ない・・・!
「っち・・・逃がしたか・・・まぁいい、あいつの息の根は・・・必ず止める。」
真っ暗な街には不穏な風が吹き始めた・・・。




