嫌われ者とヒーロー
「・・・今のなんだったんだろーなー。」
「黒の騎士団が来てるって事は・・・また世界のピンチかもな・・・。」
「何・・・!それじゃ俺らの出番じゃないか!クロネコ!」
・・・クロネコっていうのは、俺の名前
黒い猫だから、クロネコ。
・・・で、こっちがノライヌ。
この世界の獣人たちは、ケモノガタとヒトガタの姿をうまく使って生きてる。
でも、こいつはヒトガタでしかいられない障害を生まれつき持っている・・・。
だが、その障害があるせいか、関係ないのか。
コイツには体や武器から炎を出す能力があるんだ。
「お前の力で、何度も世界を救ってきたけど・・・俺らどうせ嫌われもんじゃねーか。こないだだって・・・。」
「かまうもんか!正義ってぇのは人気とりのためにやってるんじゃねいんだぜ!」
「・・・所詮不幸の象徴黒猫と、行く宛もない野良犬ってこったな・・・。」
「まぁまぁ、そーいわずにさ!お前の力を貸してくれよクロネコ!」
こいつの力はとんでもない
炎で殴り掛かれば相手は黒焦げ
足から炎を出せば高速で移動できて
空だって飛べる
俺は昔っからコイツと一緒だが・・・
力を貸すどころか、足を引っ張ってばっかりだ。
「猫の手なんか借りたって・・・役になんかたたねーよ。」
「お前のメカニックとしての腕は、最高だぞ!」
それは・・・まぁ。
コイツに追いつこうと、必死で学んだんだ。
・・・だから、結構腕には自信がある。
あるにはあるんだけど・・・材料がないんだよ・・・。
この世界は数年前から温暖化が進んでて
多数の植物の絶滅が大問題になってる。
もう、金属を溶かしてエネルギーにするしか
この世界が生き残る方法はない・・・。
「機械の材料なんて・・・もう、こんな瓦礫くらいしかないんだぜ?」
「お前なら、瓦礫でもガラクタでも!マシンにしちゃえるんだろ!」
「・・・もうちょっとまってろ。」
こんな条件でも
砂漠に投げ捨てられた瓦礫の中からでも
作り上げてみせるよ、オレ
ずっとこいつと一緒だったんだ
いつか絶対、追いついてみせる。
「できた・・・!」
瓦礫の中から生まれた大きなロボット
この大きさなら、コイツが走り出しても
なんとか追いつける・・・!
「よっしゃぁぁ!!じゃあ行くか!クロネコ!」
「・・・まかせとけ!ノライヌ!」
こうしてオレらは町へ走り出した・・・!
入ってビックリ、村は真っ暗だった。
「・・・ここだけ夜みたいだな。」
「おおおおぉぉ!!!暗い!!すげー!またスゲーのと戦えそうだな!!!」
・・・こいつはただの戦闘狂なところがあって・・・。
世界を救う戦いを見せても、あまりいいイメージがないのは
やっぱこのせいなんだろうな。
そばからサポートしてるオレとしては悔しい話だ。
「・・・ガキ共、また来たのか・・・飯でも食わせてやろうか・・・?」
「シカオ・・・。」
鹿角のシカオ・・・こいつの喫茶店はかなり有名で
町でも大人気だ・・・接客を鹿の姿でするのがオオウケらしい。
「わりぃな!シカオ!また世界を救わなきゃいけない!」
「またそんな危険な事を・・・町の住人がどう思うか、知ったことではないぞ。」
「構うもんか!それがおれの正義だからな!」
「こいつ、言い出したらきかねーから。」
「はぁ・・・飯だけでも、うちで食ってからいけ。」
シカオは俺らの数少ない理解者だ。
こいつがいなけりゃ俺らは・・・飯にすらありつけなかっただろう。
「・・・今回の敵は、今までのなんかよりもっと厄介だぞ。」
「シカオ、相手を見たのか?」
「この街ではもう広まってる、今度こそこの星は終わりだってな。」
「終わりなもんか!オレがなんとかしてやる!!」
「・・・相手が黒の騎士団でも、か?」
・・・!
黒の騎士団・・・!!?
この世界の全ての星々を、支配している
あの黒の騎士団が敵だって!?
「そんなばかな!あいつらに何の得があるってんだよ!」
「なるほど・・・黒の騎士団か!そいつをぶっとばせばいいんだな!」
「まてまてノライヌ!全く・・・!説明してやれクロネコ。」
全くため息が出る・・・。
常識中の常識だ、この辺じゃ数を数える事を覚える前に
黒の騎士団のことなんか覚えとくものなのに。
「・・・あのなぁ、ノライヌ、黒の騎士団ってぇのは世界のバランスを保つために結成されてる・・・早い話あっちが正義の味方なんだよ。」
「何ぃ!?正義の味方・・・が、なんでこの星を滅ぼすっていうんだよ!」
「このまちがひどい温暖化なのはいくらお前らでも知っているだろう?」
「・・・へぇ、そうなの?」
・・・そっから!?こいつ・・・。
一体何を見て毎日を過ごしているんだ!
食べ物も!空気だって!もうギリギリなんだぞ・・・!
「温暖化の影響でこの星からは汚染されてしまったガスが流出しているんだ。それが周りの星に悪影響を与えないよう、この星を潰すのではないかという話だ。」
「・・・それって、せめて住人だけでも非難できないのか?」
「惑星が違うと生態系も大きく違う・・・獣と人の姿を行き来できるような生物は他の惑星にはいないしな・・・。」
「そんなのってないぜ!俺ら見殺しかよ!」
「・・・だが、このままでは他の星も・・・いずれは・・・。」
・・・確かに、この星を守ったって資源が尽きるのはもう、2年後だ。
たった2年しか生きられないこの星を・・・。
この星を潰すことで、世界が守られるなら。
・・・それが黒の騎士団の、決断なのだろうか。
「・・・それでも、オレは目の前の皆を守りたいよ。」
「・・・ノライヌ・・・。」
「・・・お前は言い出したら聞かないんだったな・・・。わかったよ。」
そういうとシカオは鹿の姿になって額縁に突進した
すると壁が動き出した・・・。
「クロネコ、うちの最後の資材だ・・・全部使ってくれ。」
「・・・いいのか?」
「ノライヌのアホみたいなパワーを、使いこなせるのはお前だけだろ。」
「ありがてぇ!」
これだけの資材があれば、ノライヌが暴れまわっても見失うことはない!
それどころか、多少なら戦闘のサポートができるだろう・・・。
「えええぇ!また時間かかるじゃねーかよぉ!」
「昼寝でもしてろノライヌ!その間にしあげてやる!」
「・・・それが作り終わったら、バッファ朗のところにいくといい。あいつがその騎士団員を監視させている。」
「ああ!ありがとな!シカオ!」
こうして、俺たちはまた
自分勝手な正義のために
この星を救うことに決めたのであった。




