運命の小夜曲
「・・・ひっく・・・ごめんよ・・・。」
「・・・泣いてるの?黒歌?」
部屋で一人泣いていたら突然後ろから声がした。
ゆっくり振り向くと、そこには・・・死神の少年がいた。
「はじめまして!僕は黒死!黒の騎士団の死そのもの!黒死様だ!覚えておいてねぇ!」
「・・・かぎかかってなかった・・・?」
「あいてたよ?」
しまった・・・しかも泣いている所を見られた
すっごい恥ずかしい・・・!
「ねぇ、黒歌?そんなお面つけてたら、泣いてるのもわからないよ?」
「・・・わからないほうがいい、人に、見られたいものじゃないし。」
そう言ったのに死神は僕のお面を奪い取った
鬼だ!悪魔だ!いや死神か!
「泣きたい時はちゃぁんと泣かないと・・・僕みたいになっちゃうよ?」
それが何を意味するのかはわからなかったけど
黒死はそう言うと僕を抱きしめてくれた
背中をさすりながらずっと
ぼくはそのまま黒死にしがみついて
わんわんと泣き続けた・・・。
「・・・気は済んだ?」
「ごめんよ、そのローブ・・・。」
「死神の一張羅をびしょびしょにするなんて・・・まぁ君が気が済んだんならいいけどさ。」
「鼻かんじゃった・・・。」
「・・・ま、まぁいいよ!いいって言っちゃったし!」
少し焦った黒死、彼のおかげで少し落ち着いた
だけど、これは・・・多分全部僕が望んだことで
全部、ただの運命。
「しかし・・・君は運命なんだろ?もうちょっとスマートに解決できなかったの?」
「・・・どーせ、ぼく不器用だもん・・・。」
「あ、拗ねた!やーい!子供だ!」
「君だって子供じゃないか!」
「あはは!怒った!」
「何がおかしいのさ・・・!もう、おかしな奴!」
あはは、とつられて笑ってしまった
明るい子だなぁ。
「君が連れてきた、黒呪、すごいね!呪いの力って頼りになるや。」
「・・・もう一人、来ると思うよ。」
「ふっふー!黒呪は黒命にとられちゃったけど!そっちの子は僕が面倒見ちゃお!」
「うん、よろしく頼むよ。」
その後僕らは他愛もない話をしたり
一緒にテレビを見たりしながら
一日を過ごした・・・。
「ああ、楽しかった!じゃあね黒歌!」
「・・・うん、ねぇ黒死、また一緒に遊べないかな?」
「んー・・・お互い仕事が休みなら、また色々しよーよ!」
「ありがとう、黒死。」
黒の騎士団・・・捨てたものじゃないな、きっと僕はうまくいく
だって僕は運命だから
全部が僕の思い通り・・・。
だけど、だからこそ
全て僕が思ったシナリオの中で
皆がぼくが思いのままで
「・・・黒死は、僕のことを友達だと思ってくれるのだろうか。」
例え思ってくれていても
どうせそれは僕が望んだからだ
全部僕の・・・。
「ねぇクリス・・・僕、全部が叶うんだ、本当に全部が。」
彼の写真を見ながらつぶやく
「でも、僕・・・。」
寂しくて、また涙が出てきた
もう、あの頃の僕には戻れない
「一人ぼっちになっちゃった。」




