運命に選ばれた者
【そして再び運命は動き出す】
どうしよう・・・
クリスのお父さんが死んでしまった・・・。
僕にできることは・・・?
どうやって彼を励ませば・・・。
「・・・間違いなくあれはクローバー王国の兵士だった・・・。」
「と、いうことはクローバー王国からの奇襲か!?」
「そんな・・・!再び戦争がおこるというのか!」
・・・戦争・・・!?
人がまた、たくさん死んでしまう・・・。
そもそも、ダイア王国は戦争がすごく弱くて・・・。
スチールだけは強いらしいんだけど・・・。
「どうしますか?スチールさん!」
「俺、武器もつのイヤッスヨー!」
確かにほかの兵士が・・・
頼りなさすぎる・・・。
「クローバー王国から連絡です!スチールさん!」
「・・・音量を最大にする・・・皆、よく聞いておくように・・・!では・・・出るぞ。」
スチールが電話をはじめた
このタイミングで、いい話の訳が無い・・・。
『ハロォー!スチール!』
「・・・その声・・・ファンタジアか?」
『せーかぁい、オレのおくったプレゼント、気に入ってくれたかな?』
「・・・プレゼントだと?」
『国王がいないんじゃまともに指揮できないでしょぉ?』
「・・・!お前!」
『だからぁ!今のうちに!ダイア王国をのっとっちゃいまぁす!』
「・・・やれるものならやってみろ・・・俺が全員叩き斬る!」
『残念だけど・・・!こっちは黒の騎士団と組んだんだ!君らに勝ち目はないよ!まったねー!』
ツー・・・ツー・・・
電話の音が響き渡る
兵士たちはパニクっているようだ・・・。
「ねぇスチール・・・黒の騎士団って・・・?」
「・・・神のように強い・・・いや、相手にするのなら神のほうがよっぽどマシだと聞くほどの強い集団らしい・・・。」
「神様よりすごいの・・・!?」
「その気になれば・・・世界まるごとどうにかできるような連中だときいている・・・どうしてそんな奴らが・・・。」
相手がそんなに強いのか・・・。
スチールは悩んでいるようだった・・・。
戦ってもし負けたら・・・そう考えているのだろう。
戦争をせずに降伏したってろくな頃にはならないだろうし・・・。
そもそも、それを考える国王がいないのだ、当たり前だ。
傷心のクリスにそれを押し付けるわけにもいかないだろうし・・・。
こんなとき、クリスがいつもどうり現れて
全てを指揮してくれたら・・・。
「皆の者!!!」
・・・その声はクリスの声だった。
その頭上には・・・死ぬ前まで国王がかぶっていたであろう
血まみれの王冠が飾られていた。
「僕は!この国の王子!ダイヤモンド=スター=クリスタ4世だ!」
クリスは大きな声でまっすぐ前を見ていたが
その瞳には一切の光が宿って居なかった
きっと、とても無理をしているのだろう・・・。
「国王亡き今!この場の指揮はぼくがとる!!」
兵士たちが静まり返った
クリスから放たれるそれは
まさしく王族の、威厳だった
「国民までもくれてやるものか!迎え撃て!戦争に勝って!皆で・・・!」
その瞳からは大粒の涙が流れていた
クリスはこの時・・・立派な王になったんだなと
僕は、思った。
「皆でまた!平穏に暮らそうではないか!!」
オオォォォ!!
という掛け声と共に兵士たちが突撃した
だが・・・。
大きな竜巻が兵士を襲いかかる。
自然の災害ではありえない動きで
悪意をもって兵士を殺しにかかってくるのだ
「なんだよこれ・・・こんなの・・・勝てるわけないじゃないか・・・。」
これが・・・黒の騎士団・・・?
そんなの、ずるいじゃないか・・・。
「カノン、俺に勝利の歌を歌ってくれ。」
「スチール・・・?でも、そんなことしたって・・・。」
「王子の指揮と・・・お前の応援があれば・・・。」
すぅっと、スチールは息を吸ってから
次の言葉へと繋いだ
「俺は神にだって勝ってやるさ!」
その言葉を聞いて僕は
歌う事にしたんだ
勝利の歌を
そうすれば、勝てると思ったから。
スチールは、負けないと思ったから。
【運命がそれを望んだから】




