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dead1『シカオ』

「そういえば、黒死に願いを叶えてもらって死神に入った奴がいたらしいな・・・。」


「・・・はぁ。」


「まぁ、そんな程度の奴が死神の新人研修に落ちるのも無理もないか・・・お前はよくやったな、ルイ。」


「・・・ありがとうございます。」



・・・なんていうかそれ・・・。

僕なんだけどなぁ・・・。


せっかく気持ちよく話してるし

褒めてくれてるのだから


気分を害してはいけないし・・・。

突っ込まないでおこう。



「今から死神裁判といって、天国に行くべきか、地獄に落ちるべきかという裁判を行うんだ。」


「へぇ!何か聞いたことがあります!・・・ってことは、あそこの大きな席には閻魔大王様が来るんですか?」


「ん、ああ、日本ではそういう風に呼ばれているらしいな。俺達はプルートと呼んでいるが、日本で仕事をする時は閻魔と名乗っているらしい。」


「成程・・・ってことは、日本の亡者さん達は別の所で裁判になるんですか?」


「いや、宗派で別れるんだ。」


「勉強になります。」



これから役にたちそうな知識がドンドン出てくる

メモをとっておこう。

流石カイを叱りつけるだけのことはあって

とても頼りになる。


先月の人はてんやわんやだったもんなー。



「・・・ルイ、そろそろ始まるぞ・・・俺も裁判はほとんど出たことは無いんだが、できる限り解らない事には答える、安心して質問してくれ・・・静かに、な。」


「・・・はい・・・早速ですが、あの人は何をやっているのでしょうか。」



観客席の方で、悪魔みたいな角を生やした

背の高い死神が大きな鎌を振り回して


観客たちを引かせている・・・。



「オラァ!ハイハイ!怪我したくなかったら!下がってくださーい!マジお願いしますよー!はいはい!下がってー!」



しかも、なんかチャラいなーあの人

ドクロのTシャツって・・・。


ピアスも空いてるし・・・。



「アイツはカプリコーン・・・悪魔出身の死神でな、今は人払いをして貰っているところだ。」


「人払いですか?」


「ああ、今日のように長引いている裁判だと、どんな結果になっても文句を言う亡者がやはり出てくるんだ。」


「まぁ、誰もを納得させる事って難しいですものね。」


「そういうことだ。」



先程の大きな席に鬼の角を生やした人来た

あの人がプルートさんか


地獄の支配者さん、結構優しそうな人じゃないか。



「ええー!只今より、亡者『シカオ』さんの最終判決を行います!リブラくん!アクエリアスちゃん!お願いします!」


「はぁい!えぇっとぉ、しかおさんはせいぜん、いんしょくてんではたらいており、いえなきこにごはんをわけてあげたりもしていました。」


「・・・シカオさんの詳細につきましては、お手元の資料の『犬耳ヒーロー』編をお読み下さい。」


「ちなみに、しりょうにとうじょうする『ばっふぁろう』さんは、てんごくへいきました。」



・・・いいのかな・・・この資料の紹介の仕方・・・。

どれどれ・・・シカオさん・・・シカオさん・・・。



・・・。


・・・あっ、いたいた・・・。



な、なんか資料みても、シカオさんの情報ってそんなに多くないな・・・。



「・・・シカオさんは、資料が少ない為、判決が遅れております。」


「ふーん、それじゃあ審議に移ろうか、死神の皆さんは挙手で意見を言ってください。」


「はい。」


「スコーピオンくん、どうぞー。」



おお、スコーピオンさんが手をあげた・・・。

なんだか、スポットライトが当たってるみたいで

緊張しちゃうな、僕、隣に座ってるわけだし・・・。



「同じく資料に登場する、『バッファ郎』氏に天国が選ばれたというのに、同じような活躍をした『シカオ』氏が判決を悩んでいるのはどういうことでしょうか。」


「ふむ、そうだね。バッファ郎くんが天国に選ばれた理由から考えねばいけないね。」


「・・・バッファ郎氏は、神に遣える身として一生を過ごしました、天国行きは当然です。」


「なるほど・・・では比較対象にする事態間違っていたわけか、申し訳ない。」


「いやいや、いい質問だったよスコーピオン。」



人の天国行き、地獄行きを決めているだけあって

なかなか真面目な雰囲気だ。


これだけ真剣に考えているのなら

どんな結果でも文句なくいけそうだなぁ。



「・・・ねぇ、リブラくん?君の天秤的にはどうなの?」


「ぼくのてんびんは、へいこうですねー・・・どちらにもかたむかないです。じごくがわにも、てんごくがわにも・・・。」


「成程な・・・よほど平凡な毎日を送ったと見える。」



可も不可も平均的な人生か

それはそれでいいことだと思うけど


裁判は大変なのか・・・。



「・・・うーん、本当に資料がすくないなぁ・・・。」


「シカになれるっていうのは面白いけど・・・。」



最終判決なのに

行き詰まりモード・・・


それを打ち破ったのは

なんとあのいい加減なジェミニさんだった。




「シシシ!でもよう、数少ない資源をクロネコくんたちに渡したんだゼ?あの余裕のない状況で!」


「ふむ、確かに・・・いい事って言っても状況がものを言うよね。」


「ぼ、ぼくも、おともだちといっしょがいいとおもってたんですよぉ。」


「うーん・・・彼のお店は街でも評判だったみたいだしねぇ。」



・・・あ、なんだか、天国に決まりそうな雰囲気だな・・・。

良かった、なんだか僕もこの人は天国に行って欲しかったんだ。


普段フラフラしててちゃらんぽらんなジェミニさんだけど

いざという時はこうやって皆をまとめてきたのかなぁ。


これが、ランキング3位の実力か・・・!

なかなか勉強になるなぁ。



「じゃあ、天国行きに決定しちゃいまーす!」


「はぁい!それでは!15ふんのきゅうけいでーす!」


「最後に一言ありますか?シカオさん。」


「いえ・・・ありがとうございます。」



こうして、とりあえず一人目の裁判が終わった。

なんていうか・・・思ってたより軽いなー。



「・・・カプリコーンさん、シカオさんを連れていってください。」


「ウィッスー。」



シカオさんはカプリコーンさんに連れられていった

せっかくだから鹿に変身するの見たかったなぁ。


資料で見て、もしかしたら見えるかなって期待しちゃった。


でも、これから自分がするかもしれない仕事を

直接見えるのはとても嬉しい。



ふ、と隣をみると

スコーピオンさんがため息をついていた・・・。




「スコーピオンさん、どうしたんですか?」


「・・・ああ、今日はプルートさんが居るからこんな感じだが、普段はキッチリしているんだ。全く、あの人は。」


「あ、そうなんですか。」


「まぁ・・・あの人はああいう性格だからなぁ・・・。」


「あー・・・。」



なんだか、プルートさんって

カイにそっくりだなぁ・・・。

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