三匹の騎士団
「いらっしゃい、苦労太!」
「こんにちは、てっちゃん。」
・・・黒歌はここの常連だ
その常連に連れてこられて今日ここにいるわけだが・・・。
彼は常連でその、店員さんたちと仲がいいのだが
僕はそんなことはないのだ、普通の客だ
正直言って気まずい。
「黒雷何食べる?」
「・・・黒歌はいつも何食べてるんだい?」
「ぼくはみたらしが好きだなー、あとね、これ結構お勧めだよ!紅団子!甘くないの。」
「ふぅん・・・いろいろあるんだねぇ、団子屋さんって・・・。」
「てっちゃんはきなこすきだよねぇ。」
「ああ、そーだねー・・・あとね、よもぎもおいしいよ。」
「よ、よもぎか・・・。」
「それにカラクサさん、どんな料理でも多分作れるから、食べたいもの言ってくれれば作れると思うよ。」
く・・・店員がやたら絡んでくる・・・。
食べたいものなら何でもって、材料だって揃えなきゃいけなかったりで大変だろう!
気が引けるわ!くそ・・・!
「じゃあよもぎで・・・。」
「僕、三色団子!」
「はいよー!」
・・・結局店員さんお勧めのあまり食べたくもないよもぎを頼んでしまった。
僕も三色団子が食べたかったな・・・。
「・・・ふふ、今日は僕のおごりね!」
「はぁ?子供におごられるなんて癪なんだけど。」
「黒死が元気になったし、嬉しいからいいんだ!」
「・・・はぁ、まぁ、ぼくは極悪人だからね・・・子供から団子代奪い取ってあげるよ・・・。」
「あはは、流石黒雷だ!」
「・・・僕の心は真暗病だよ・・・。」
なんだか黒歌のペースだし・・・腹がたつ・・・。
これだから子供は嫌いなんだ・・・。
・・・しかし・・・。
「今日は仮面してないんだね?」
「ん?あれしてたら団子食べられないじゃん。」
「・・・食べるとき外せば・・・。」
「とってるところ見られるの恥ずかしいんだもん。」
・・・よくわからないなぁ・・・。
既にとってある状態なのは大丈夫なのか・・・。
謎だ・・・。
団子を待っていると、またひとり子供が寄ってきた
僕子供嫌いなんだけどなー・・・。
「やぁ!勉くん!」
「・・・。」
黒歌があいさつをすると無言で頷いた。
何だこの子は・・・。
「勉くんは無口なんだ。」
「・・・。」
「そ、そう・・・。」
「隣の花屋さんちの子供なんだよ、ね、勉くん!」
「・・・。」
勉くんは無言で頷いた。
なんか扱いにくそうだなー・・・。
【勉が扱いにくいだって?こんなに可愛いのに・・・!!】
・・・脳内に声が・・・この感じ・・・。
【そうさ・・・!僕だよ!黒幻さ!】
・・・どっからだろう?
声が聞こえてくる・・・。
今までの経験上、黒幻は誰かに憑依していて
その憑依された人物は目がどことなく不自然に見える。
おそらく黒幻の目だろう。
「・・・どうしたの?黒雷?」
「・・・君は聞こえないのかい?」
「え・・・なにが?こわい・・・。」
・・・どうやら僕だけに話しかけているようだね?
全く迷惑な・・・見つけ次第黒時にちくってやる。
「・・・。」
「・・・あ!みつけた!」
「・・・しまったばれた!?」
「勉君がしゃべった!めずらしー!」
僕は逃げようとする勉君をつかまえた
・・・いや、黒幻を捕まえた。
「どういうつもりだ黒幻、君がなかなか騎士団に来ないから僕が大変なんだぞ!」
「えぇ!?勉君が黒幻!?」
「・・・ふ、ふふ!ばれてしまっては仕方ない!今はこの子に憑依しているのさ!」
「と、とーだいでもくらしー・・・。」
「灯台もと暗しね・・・今日こそは騎士団に連れて帰ってやる!失敗しても黒時にちくる!」
「・・・ま、まった・・・!これでもまだそんな頃が言えるかな・・・!?」
【頭の中に流れてきたのは・・・だれかの『記憶』だった。】
【鬼の子供が小さな村で】
【毎日のように虐待される『記憶』・・・。】
【その鬼の子供は・・・。】
・・・危ない、黒幻に持って行かれるところだった・・・。
って!いない!!くそ!逃がしたか・・・!!
「・・・あれ?黒幻は・・・?」
「はぁ・・・逃げられたね・・・アイツめ・・・。」
全く、僕はただの幻を見ていたわけか
目くらましをして逃げるなんて幼稚な・・・。
【・・・今の記憶は本物だよ。】
・・・まさか、そんな馬鹿な・・・。
だってあいつは鬼の子供なんかじゃ、っていうか。
まだいたの?脳内じゃなくて直接・・・。
【今度の集会、ちゃんといくよ・・・その時答えを聞かせておくれ。】
・・・答えって・・・もしかして君は・・・。
「ねぇ!黒雷!ぼーっとしないでよ!よもぎ来たよ!」
「・・・っは!う、うん・・・ごめんね、黒歌。」
黒幻が見せた『記憶』と
その合間に見せた彼の『計画』が
頭から離れなかった。
一体僕に何を求めてるんだ・・・。
何だって僕がそんな作戦に・・・。
・・・。
・・・よもぎ団子、なかなか美味しいじゃないか・・・。




