ネバーランドの散らない花火
「おきたか花火。」
「・・・おはよう天丸・・・私達の子供は?。」
「ほら見ろ・・・お前に似てブサイクな面だ。」
「本当・・・あなたに似て生意気な顔ね。」
そう言って俺たちはクスクスと笑った。
良かった、花火は元気そうだ。
「私ね、貴方とあった時から、いままでの夢を見てたの・・・良かった、走馬灯じゃなくて。」
「奇遇だな、俺も同じような夢を見ていた・・・お前が無事で何よりだ。」
内心嬉しかった。
彼女と同じ夢を見えた。
同じ時間に。
「子供の名前、どうしようかしら。」
「男の子なら花丸にしようと思ってたんだが・・・。」
「女の子でよかったわ。」
そうだな・・・女の子か・・・。
なにかいい意味をつけた名前がいいな・・・。
素晴らしい人生を歩んで欲しい・・・だが・・・。
「親の名前から一文字とりたいんだよな・・・。」
「天丸か花火から、ってことね・・・それはいいわね。」
花・・・天・・・丸・・・火・・・ううーん・・・。
やはりとるなら花だろうか・・・。
女の子だもんな・・・。
「私・・・恋っていう字を入れたいわ、この子にはいい恋をして欲しいし。」
「・・・恋花、なんてどうだろうか・・・俺も、この子にもいい恋をして欲しい。」
「・・・ふふ、いいわね、ロマンチックで・・・あなたってロマンチストよね。」
「まぁな。」
中臣 恋花か・・・我ながらいい名前だ
ククク、花火も気に入ったようだ。
・・・せっかくの喜ぶところなのに
花火はすこしだけ無理をして笑っているようだった。
そして、ため息をついて
急に寂しそうな顔をした。
「・・・あと一年か・・・。」
「・・・花火・・・。」
そう・・・彼女は・・・あと一年しか生きられない・・・。
俺に何ができるだろうか・・・。
あと一年しかこの世にいられない、彼女に。
「ねぇ天丸、確かに人生は素晴らしいものだったわ?だけど・・・素晴らしいと知ってしまったら、失うのはさみしいものね。」
人生など苦しいだけだとあの日彼女は言った
その時から比べれば喜ばしい変化だ・・・。
でも、これは本当に彼女にとって
いいことだったのだろうか?
どうせすぐにも死んでしまう彼女に
人生は素晴らしいと、教えてしまったのは
死を辛いものにしてしまったのは
ほかならぬ、俺だ。
・・・いや・・・弱気になってどうする・・・。
目の前の女一人安心させられないで
何が世界征服だ。
「寂しくなどない、失うのではなく託すのだ・・・君の人生の続きを、俺と、この子に。」
「・・・フフ、アナタの言葉はいつも素敵ね。」
「お前が元気にならないと困るからな・・・心配するな、この子と俺で紡いでやる。」
「フフ、じゃあ安心して残りの人生楽しんじゃおーっと!でないとせっかくまだ生きられるのにもったいないわ!」
「・・・ククク、お前の言葉はいつも素敵だな。」
「真似してんじゃないわよー!天丸ぅー!」
本当に幸せな時間だ
こんな時間があと一年しか続かないなんて
俺にとっても、地獄のような天国だ。
だけど
とても愛おしい・・・。
まだ散らない、目の前の花火・・・。
・・・。
・・・・・・。
「・・・はぁ・・・疲れた・・・。」
「お疲れ様、黒雷・・・素晴らしい成長ですね、物語に一度も姿が出てこなかった。」
「・・・まぁね・・・色々と裏から手回しするのは大変だったよ・・・。」
「停電とかで距離を縮めるのも考えたけど・・・できるだけ存在をけしたかったから。」
「まさかここまで真面目に取り組んでくれるとは・・・。」
・・・まぁ僕だってたまには真面目にやるよね。
修復中に見た彼女が死んじゃうドラマ、面白かったし
感動して泣きそうになったけど・・・。
まぁそれは全く関係なく、やるときは僕だってやるよ!
「・・・そんなことより黒幻見ませんでしたか?あなたの前にはよく現れるようですが・・・。」
「またいないのあの人?今回は見てないけど・・・。」
「そうですか・・・困ったなぁ・・・。」
アイツがいないせいで僕が忙しいのだ
次に見つけたら許さん、必ず連行する。
「・・・ふふー、黒雷、お疲れ様っ!」
「ん?なんだ、黒歌か・・・。」
「んー?黒死が良かった?」
「まさか・・・。」
「だよねー!それより良かったらお茶でもどう?疲れちゃったでしょ?」
「・・・ああ、いいね・・・。」
・・・とりあえず疲れたし・・・今はゆっくり休むとするか・・・。




