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孤児院 鬼雷組


「・・・ねー・・・暇なんだけど。」


「はぁ・・・うっさいわね!せっかく直して差し上げてるのですから、少しは黙っていられないのかしら?」



・・・黒雷と黒姫が今日も喧嘩をしている

不死同士気が合うのだろうか


体と頭しか復活しておらず動けない黒雷は退屈なのだろうか

ブツブツとなにかしゃべり続けている。



「何を落ち着いてレポートをとっているの黒軍!貴方も相手をなさい!」


「・・・了解した。黒雷、いくらでも話を聞こう。」


「君、相槌すら打たないじゃないか・・・。」


「・・・努力しよう。」


「あ・・・そうだ、うちの孤児院が心配だな・・・ボクがいないと大変だろうし、面倒見てきてくれない?」


「わかった。」



正直人と話をするのは得意じゃない僕としては

大助かりの提案だ。


黒姫は不服そうだが・・・ここは我慢してもらおう。











「・・・ここか。」





黒雷の部屋を開けると、孤児院『鬼雷組きらいぐみ』に到着だ。

黒の騎士団院にある団員達の部屋は各々指定した世界や場所に繋げたり

固有の空間で暮らしたりできるのだ。


僕は固有空間を選択している。


本来なら、太陽やリコ様の元に部屋を置いても良かったのだが

僕は前世の事や、その前の事を思い出してしまったのだ。


白星 司だった時は太陽の幼馴染だったし

ダイヤの国の王子だった時はハート国はライバル国だった

さらに言えば彼女の遠い先祖をも知り合いなのだ。


知り合いのひ孫や元幼馴染に今までどおり接することなど

元々対人関係が不得意な僕には不可能に近い。



・・・黒雷のメモのおかげで、孤児院の子供達とはなんとかやっていけてはいるのだが。

もちろん僕自身も彼らのデータをキチンとまとめ、うまく関係性が作れるよう

努力はしている。



「いらっしゃい!ホットミルクでもどうだ?」


「あ、ああ・・・いただこう・・・。」


「黒雷どうなんだ?」


「ん・・・元気で仕方ないんだが、動けないようで・・・君たちの様子を僕が見に来た。」



・・・夜野ソラ・・・ホットミルクをやたら勧めてくる

黒雷の躾もよく、すごく好青年である。


13歳から歳をとらなくなったらしい。



「おうおう!黒軍!また来たのか!」


「ああ・・・今日もご飯でも用意して帰るよ。」


「おう?!そう言わずに食っていけ!」


「・・・ああ。」



ショコラ・フェンリル・ナイト・・・狼男の少年

氷狼フェンリルの力を持っている・・・良くも悪くも犬だ。


兄弟がいるらしい。



「いらっしゃいませ黒軍様、本日もありがとうございます・・・挨拶モードを終了しています。」


「・・・ああ、こんにちは健太郎。」


「自立思考モードに移行します・・・nowloading・・・」



健太郎、黒雷がつくったアンドロイドの少年

見た目は中性的であり、好感を持ちやすい外見である


つまるところ美形だ


彼は本当に子供が嫌いなのだろうか?



「・・・こんにちは、クロネコくん。」


「・・・ちわ。」



・・・クロネコくんは・・・。

黒炎と何かあった、という情報はあるのだが


そのショックから部屋に閉じこもっている。


うまく会話出来た事はまだない。




「・・・どうしたものか・・・。」


「あれ・・・?あいてる?お邪魔しまーす。」




騎士団院から自分以外に人が入ってきたのは初めてで

少し驚いたが


彼の姿を見てさらに驚いた。



「かっ・・・!カノン!?」


「わ!く、クリス!?なんでここに?」


「ぼ、僕はその・・・黒雷に頼まれて・・・。」


「ふ、ふぅん・・・僕は、クロネコくんの様子を見にね。」



少しニヤニヤしてソラくんが健太郎とショコラを連れて行った

面白がっているなあの子・・・。


僕に表情はないが・・・誠に遺憾である。




「・・・カノンは、優しいのだな。」


「え、うん・・・まぁ、ね。クロネコ君、どんな感じ?」


「黒炎との事がショックだったのだろう、まだ部屋からでれないようだ。」


「・・・黒炎にはそのまま伝えとこっと・・・せいぜい反省してもらおう。」


「・・・フフ、そうだな。」



・・・なんだか懐かしい感じだ、カノンとこんな風に話ができるなんて。


あんなに憎かったのに

そんな感情いつの間にかどこかにいっていた。


これも、カノンの『運命』の力

彼が望んだ結果だろう・・・。


彼は仮面を被っていて表情を僕にも見せない

・・・これが意味する事は・・・。



「・・・ねぇ、クリス・・・僕たち、もう・・・黒の騎士団の名前で呼び合わない?」



・・・つまり、そういうことだ。

僕はもう王子ではないし

彼もまた、歌子ではない。


僕らは、黒軍と、黒歌だ。



「・・・そうだな、そうしよう・・・すまなかったな、黒歌。」


「ううん・・・いいんだ、少しうれしかったよ、黒軍。」



どんな表情をしているかわからなかったが・・・。

ボクだって、表情は失ったのだ。


これで、同等の様に感じた。



「そう言えば、最近黒死の元気が無くてさ・・・黒炎にまかせたら、俺に任せろっていうんだけど・・。」


「・・・はは、確かに黒炎じゃ心配だな。」



だけど、さっきより彼を遠くに感じる。

同じように・・・話をしているだけなのに。




「・・・黒軍・・・あのね、僕はずっと君に遠慮をしてたんだ・・・だから、君に事はあまり願わなかった・・・。」


「・・・ああ。」


「でも・・・これからは、ボク、もう迷わないよ。たとえ君が操り人形になってしまっても僕は・・・僕は君と仲良くしたいから。」



そういった黒歌は

仮面越しでもわかる程照れているのが見て取れた。





「だから・・・その・・・覚悟してよね。」





そう言って彼は、黒雷の部屋を後にした。

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