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運命管理局『黒の騎士団』  作者: 東雲 紋次郎
王子の追奏曲
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星の王子の育成日記3


「僕は早くお父様のような立派な王になって、国民全員を幸せにするんだ!

それで、そのためにはお前が必要だ!」


「・・・僕が?」


「カノンの歌声を聴いて不幸せな人間なんかいるものか!」


「・・・ふふ、クリスがそういうならきっとそうなんだろうね。」


「当然だ!」


「不思議だ、君が言ったことは全て現実になる。」


「有言実行ってやつだ!」


「・・・まさか僕が、お城で暮らす事になるなんて・・・。」



カノンと王子はとても仲良しで

城のバルコニーでこうして夢を語り合ってりしている。


盗み聞きしているわけではないが、世話係としては

二人が危ない目にあってないか見守らなくてはいけない

・・・城の中に危ないもの等実際はないのだが・・・。



いや・・・。



1人を除いては、だ。


「やぁ、スチールさん・・・?こんなところで何をしてるの?」


「・・・黒雷・・・。」


最近、城をうろついている商人・・・だそうなのだが。

実際物を売っているのはコイツが連れているガキだけで

黒雷は城をウロウロしているのだ。


普通に考えて怪しいが・・・。


「・・・僕と話したくないのはよくわかるよ・・・。気持ち悪いもんね、僕。」


「・・・。」


そう、この男、瞳の中に黄色い輪っかがあるのだ・・・。

真っ黒で大きなピアスも相まってとても不気味だ。


・・・そのせいかとてつもなく卑屈なのだ。



「僕の心は真っ暗病みだよ・・・全く・・・。」


ブツブツ言いながら去っていった・・・。

もしかしたら卑屈なばっかりに売り子は少年に任せているのかもしれないし

彼が物を売っていたら不気味で誰も買わないのではないだろうか・・・。


と、なると自然だし・・・。

別に何をするでもないのだ。


一日中監視にこっそり見張らせたが、本当にウロウロするだけ。



「・・・気持ち悪いなぁ・・・。」


「気持ち悪いのか?大丈夫か?スチール?」



は!いけない!王子に気づかれてしまった!


「はは・・・大丈夫ですよ王子。」


「ねぇスチール、無理はよくないよ?」


「カノンも心配してくれてありがとうな、でも大丈夫だから・・・。」



あの男も今晩帰るようだし、これといって問題もないだろう・・・。

それより今問題なのが・・・。


「・・・それよりカノン・・・またあまり眠っていないな?」


「・・・わかる?」


「お前なぁ・・・可愛らしい顔なのに、目の下にくまが出来てたら残念だぞ・・・。」


カノンはとてもいい子だし、誰とでも仲良くなるが

どうも城の生活がストレスになるようで、不眠気味なのだ


「カノン・・・ごめんな、僕が無理に連れてきたから・・・。」


「ううん!ぼく、ここに来てホントに幸せなんだ!」



幸せというが、幸せという感情もストレスの一つだ

ストレスと聞くとマイナスの感情というイメージが大きいが

プラス的な環境に急に置かれた場合も人間という生物には

『ストレス』という負担がかかるのである。




「・・・そうだ、あの売り子に何か無いか聞いてみよう!」


「ああ、いいですね・・・って!うわ!」


急に俺とカノンを引っ張って走る王子・・・。

王子が俺を引っ張っていく光景も見慣れたものだな・・・。




「へい!いらっしゃい!」



やたらとテンションの高い王子・・・。

よく考えたら買い物等したことが無いのではないだろうか・・・。


これは初めてのお使いといったところか・・・少し不安になる。

とは言ってもすぐそばにはいるのだが。


「この子が夜眠れないそうなんだが・・・なにかいいものはないか?」


「・・・ほう!それなら!ホットミルクでもどうだ!?」



・・・なるほど、暖かいミルクか・・・

そういえば子供のころ眠れなかった時にクインテットにつくってもらったっけな

年上の幼なじみだけあって散々いじめられたが、その思い出だけは

いい思い出かもしれない・・・。



「はちみつを少し入れて甘めにしてやるといい、栄養素も一度にとれてぐっすり眠れるぞ!」


「成程な、参考にさせてもらおう・・・じゃあ、ミルクとはちみつを貰おうか。」


「毎度ありぃ!」


なんだかんだ言ってあっさりと買い物を成し遂げた王子

とても満足した顔の所わるいですけど・・・。

払うのは俺ですよ王子・・・。


しかし売り子いうことに文句はないし

やってみるのも悪くはないな・・・。






その日の夜、早速試した所・・・カノンはびっくりするくらいぐっすり眠っていた

ミルクを口元につけてすぅすぅ眠るその姿は・・・

年相応、というより少し下に見えるな・・・。


「ふふ・・・かわいいなぁーカノンは!」


「王子静かに・・・目を覚ましてしまいます。」



弟ができたような気分なのだろうか、王子はカノンの面倒をよく見てくれる・・・。

あの時ファンタジアが言っていたな・・・。


子供同士にしておくと本当に楽だ・・・。





王子を寝しつけたあと、俺も寝室へ向かった。

カノンのおかげで俺の生活にも平穏が訪れる・・・。






―――そう思えたのはほんの数分だった―――





【運命はそれを望まなかった】

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