戦争秘話2
久しぶりの投稿です。
1942年中東
ドイツの戦車部隊が砂ぼこりを上げて砂漠を進軍していた。
「進んでも進んでも砂砂砂、いつになったらイギリス軍はあらわれるんだ?」
「Bv141より連絡です。ここから西に10kmほど行ったところにイギリス軍の補給基地を発見したとの事です」
「良し、その補給基地目指して進軍だ。今夜はエールだが冷えたビールが飲めるかもしれんぞ」
向かうところ敵無しのドイツ軍は補給基地目指して進軍を開始したが、そこに西の空から飛行隊がやって来た
「あれはイギリスの戦闘機隊のようだな、空軍の奴等に知らせておけ」
しかしイギリスの飛行隊が近付いてきたときドイツ軍の指揮官は気付いた
「あれは戦闘機隊じゃない、全車両散開しろ奴だ黒死病が来たぞ」
戦闘機だと思っていた機体はハリケーンとタイフーンだった。確かに戦闘機ではあるが、どの機体も戦闘機らしからぬ武装をしていた。ある機体は翼下に馬鹿デカイ砲や爆弾を懸架していたり、一番戦闘機らしい機体は翼から凄い数の砲身が出ていた。このハリケーンシリーズは戦闘攻撃機として枢軸軍の陸軍ではその対地性能からどんな地上部隊でさえ殺られることから黒死病と呼ばれていた
「ナチスは死にな」
イギリス軍の対戦車成績一位のヘンリー・ジョンソン中尉は愛機のハリケーンⅣの40㎜機関砲で真っ先に目についた3号駆逐戦車に放った。40㎜機関砲弾は直撃し喰らった3号駆逐戦車は爆散した
「これで通算撃破車両30両か…もう少しでナチスのルーデルって奴に追い付くぞ」
日米英の3国はロンドン海軍軍縮の延長により本来海軍の新型艦船にあてるはずだった予算を航空機の発展にあてたため2、3年は早く航空機がしていた。そのためハリケーンシリーズのタイフーンが実戦配備され、後継機であるテンペストも量産寸前だったが、ヘンリー中尉は40mm機関砲を装備したハリケーンⅣを愛機としていた
「これで六両目、車両は粗方片付いたな後はタイフーンが7,7㎜十門で歩兵を掃討するだけだろう…今日までで45両か、ルーデルの51両までもう少しだ」
中東のとある前線病院
「ハックション、誰か俺を噂しているのか?どうせ俺を落としたイギリス軍の奴等だろうがな」
「気のせいですよルーデルさん、それより貴方は安静にしていてください」
「安静にしてろだと?この間にもイギリス軍が押し返しているかもしれんのだぞ?こうしちゃおれんもう治った俺は退院だ。君、名前は何て言うんだい?」
「はっ、ガーデルマン医師見習いです」
「ついてきたまえ、私には後部機銃手が必要だ」
「えっ?私は後部機銃手なんてやれませんが?」
「大丈夫だ、心配ない。敵が後ろに来たら撃ちまくるだけの簡単な仕事だ。失敗は死を意味するがな」
「私にはそんなことできませんよ」
「つべこべ言わず付いてこい」
こうして後にDrスツーカと呼ばれるようになる医師見習いと魔王と呼ばれるようになるエースパイロットの黄金コンビが誕生した。
1942年フォークランド近海
イギリスはフォークランドを封鎖するため駆逐艦を派遣していた。既にヘッジホッグが護衛駆逐艦に配備され始めており、護衛空母とのコンビで潜水艦を狩っていた。また、イギリスの潜水艦も活動を活発化させフォークランドやアフリカで通商破壊を行っていた。枢軸は対潜戦闘に慣れておらず、苦戦していた。この為日本海軍では九州飛行機に開発中だった対潜哨戒機の開発を促進させ、マダガスカルで鹵獲した駆逐艦に搭載されていたヘッジホッグの生産を開始していた
「艦長、潜水艦の反応を探知しました。凄く大きいです」
「深度はどれくらいだ?」
「150~180くらいです」
「サイズはどれくらいだ?」
「おそらく、全長は180mほどでしょう」
「それほどのサイズなら鯨だろう、この辺は鯨が多いからな」
「しかし、日本軍には潜水空母があると噂になっています。それじゃないでしょうか?」
「そんなのは噂に過ぎん、過去に我が国も航空機を潜水艦に搭載しようとして失敗している。万が一搭載に成功しても潜水艦に搭載出来る数など太かが知れてる。相当なことがないかぎりまともな海軍は造らないだろう、ソナー手のお前がしっかりしてくれないと俺達は潜水艦相手にどうしようも無くなる。肩の力を抜いてしっかりやってくれ」
「解りました。次からは気を付けます」
数時間後
「どうやらイギリスの輸送船団は行ったようだな」
「艦長、周辺に潜水艦の反応は無し、電探と逆探に反応はありません」
「良し、浮上しろ」
水平線まで何もない大西洋の海面が隆起し巨大な鉄の鯨が現れた。
伊550級輸送潜水艦
全長180m
全幅18m
排水量7400トン
伊500級を改良し格納庫を倉庫にし武装を全撤去、クレーンを装備した潜水艦、補給潜水艦としても使用可能
「しかしイギリスもこんな輸送潜水艦が存在していると思っているでしょうかね?」
「どうだろうな?しかし、封鎖しているはずのフォークランドがいつまで経っても干上がらないことは不思議に思っているだろう」
伊550はフォークランドに入港し物資を降ろした。フォークランドはイギリスの封鎖も空しく枢軸の輸送潜水艦の活躍により士気を保っていた。
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