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ケープタウン強襲作戦

久々の日本海軍です

1941年5月初旬

ビスマルクが追跡される三週間ほど前、南アフリカ連邦首都ケープタウン近海に大艦隊が接近していた。

旗艦赤城、加賀と祥鳳の三隻の空母と高速戦艦比叡、霧島に輸送船を含む大艦隊だった。インドの三分の二を制圧した日本軍はインドシナなどの兵を一部抽出し南アフリカにやって来た

「南雲司令、あと2時間程で夜が明けます」

「航空機の事は全く解らん、草鹿参謀に任せたよ」

「では薄簿攻撃はどうでしょうか。赤城、加賀、祥鳳共に乗組員の腕は抜群です、きっとやり遂げてくれるでしょう」

「解った。それで行こう」

赤城、加賀、祥鳳が攻撃隊を発艦させるために風上に向けて転進し第一次攻撃隊が発艦した。日独技術交換でドイツから蒸気カタパルトの技術を得た日本は蒸気カタパルトを実用化したが、最近完成した翔鶴級空母から搭載が決まったためこの艦隊の空母三隻にはまだ搭載されていなかった

「久しぶりの出撃だお前ら気張ってくぞ」

第一次攻撃隊は淵田大尉指揮のもとケープタウン近郊の航空基地と駐屯地を破壊し味方が上陸しやすくするのが目標だった

「敵航空基地を確認、レーダーは配備されていないようだ、襲撃機隊は駐機されている機体を破壊しろ、艦攻隊は滑走路を破壊しろ、艦爆隊は駐屯地を破壊するんだ」


その日僕達ははいつも通りケープタウン近くの基地の見える農園で働いていた。白人が支配するこの国では僕達黒人は良い職に就くことなんて出来なかった。当時黒人が就ける一番良い職は軍隊に行くことだと言われていたあの日までは。あの日夜が明け前から飛行機の飛ぶ音が聞こえ海の方から沢山の飛行機が飛んできた。パイロットだった叔父さんが言うには南アフリカにいるパイロットは夜は飛ぶことが出来ないと言っていたので僕はとても驚いたそしてその飛行機達の翼には見慣れたイギリス空軍のマークが描かれていなかった、代わりに真っ赤な円が描かれていた。その飛行機達は飛行場を攻撃した、爆発は凄まじく農園にいた僕達が尻餅をつくほどだった。そしてこれが南アフリカが黒人の国になった瞬間だった。

帝国教育出版刊―南アフリカ解放


第一次攻撃隊の活躍によりケープタウン近郊の航空基地、駐屯地は破壊され上陸した日本軍を出迎えたのは南アフリカ軍の攻撃ではなく黒人による歓迎だった。

一方、南アフリカダーバンにも上陸部隊が上陸を行っていた。ダーバンは南アフリカのインド洋で最大の港であり南アフリカ最大の軍港でもあった。ここには大艦隊を停泊させることが可能で艦隊を大西洋に進出させる為に上陸を行なった。首都であるケープタウンが占領された南アフリカ軍は日本軍から武器を渡された黒人らと離反した黒人兵士達により反撃すらままならなかった。イギリス 首相官邸

「首相大変です。南アフリカに日本軍が上陸しました」

「何だと!反撃はどうなっている?」

「今まで虐げられてきた黒人達が日本軍から武器を受け取り攻撃を始め、反撃もままならないそうです。また一部地域では黒人達が白人を襲っているとのことです」

「今まで虐げられてきたんだから当たり前だ。民間人が北に逃げるまで南アフリカ軍は日本軍を食い止めろ」

「それが日本軍が避難路を作っているそうです」

「どういう意味だ?」

「日本軍はダーバンにも上陸し占領しました。ダーバンからケープタウンまでの沿岸沿いは現在日本軍の統治下でこの地域では日本軍が黒人を抑えており、白人をケープタウンまで列車で運びケープタウンに集めているそうです。日本政府から赤十字の輸送船を用いて白人を安全な地域に輸送しているとの発表がありました」

「日本は確かシンガポールなどでも白人の保護を行っていたな」

「はい、日本政府はシンガポールなどの民間人の白人を安全のため収容所に収容していると発表しています」

「彼等はこれを講和の交渉カードにしようとしているのだろうか?」

「日本軍は日露戦争、第一次世界大戦と捕虜などをちゃんと扱っていましたからそういう考え方はしていないかと思います」

「とにかく南アフリカが陥落したいじょう北アフリカも不味い、それにフォークランドに次いでもうひとつ南大西洋に枢軸の拠点が出来てしまった。南大西洋の策敵を強化したまえ日本海軍の艦隊が大西洋にやって来るかもしれん」

「それとインドですが日本軍が新型戦車を投入したとの事です」

「それがどうした?」

「今まで日本軍戦車は軽戦車とドイツの三号突撃砲のような砲固定型車両の二種類でしたがまだ4両程ですが固定型車両と同サイズの旋回砲塔を持った戦車が現れたとのことです」「我が軍の戦車は勝てるのか?」

「現地からの報告によりますと固定型車両は75mmほどの口径だそうです。これに耐えられる戦車はマチルダ2くらいでしょう」

「早く戦車開発を急がせるんだ。インドは我が帝国の生命線だ何としても守り抜け」

「それが北アフリカでロンメルにこの3ヶ月間、負け続きでスエズまで陥落しそうな勢いです」

「くそ、アメリカは参戦しないのか?」

「今、ルーズベルト大統領と会談を進めています。しかしアメリカはモンロー主義がありますし参戦には程遠いです」

「神は我々を見放したのだろうか…」

「今までの行いを考えると見放されても仕方ありませんね」

この数日後フォークランドを奇襲により奪われたイギリスは今まで考えていなかった日本海軍の恐怖に怯えることになる。

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