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私立雲乃伊戸(くものいと)女子高校 アニオタ美山サキ、ヤンデレ先輩と幼馴染の愛が重過ぎるんだけど〜!?  作者: あさなゆうなぎ


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9/18

コアラはお好き?

 次の日。


 今日もなぜか美嘉の愛想がいい。一体何があったの? 父さんや母さんに聞いても「さあ?」って感じだし、テストの成績が良かったわけでもなさそう。(それはそれで問題だが)

 まあ、朝からトゲトゲしているうざい妹よりは、可愛い(まだそこまでは言いたくないけど)妹の方がいいに決まってるけど。


 今日は余裕を持って起きたので、走らずに駅へ到着。

 すると、昨日以上に鏡子ちゃんが引っ付いてきた。

 あ、そうだ。シャンプーとリンス、昨日聞くのを忘れてたんだ。

 鏡子ちゃんに教えてもらった銘柄、今のが無くなったら変えてみよう。

 これで少しは美人の仲間入りができるかな? ……自分で言ってて虚しいけど。


 そして、運命の校門が近づいてきた。

 ……あ、優花里先輩がいる。 鏡子ちゃんの腕の力がどんどん増していく。痛いよ、鏡子ちゃん。


 あれ? でも、今日の優花里先輩、なんだか笑顔だ。 ちょっとぎこちないけれど、あの先輩の笑顔なんて初めて見たよ。レアすぎる。


「おはようございます」


「おはよう、美山さん」


 わたしだけなぜか名前呼びだけど、今日は呼び止められることはなかった。


「鏡子ちゃん、これでもう脅威は去ったんじゃないの…?」


「サキちゃん、ここで気持ちを緩めちゃダメ。蟻の一穴、天下の破れだよ」


「へ? いっけつ?」


 意味はわからないけど、多分ことわざなんだろうな。


 鏡子ちゃんは物知りだなぁ、さすが学年一位だ。


「ねえ、でもここまでがっしりガードしなくても良さそうな……」


「だめ! 取られちゃうから」


 いや、取られないでしょ!誰が盗みにくるの? わたしの気持ちを? ルパンかよ!


 お昼休み。

 さすがの鏡子ちゃんも、今日のお昼は「中庭にしよう」と言ってくれた。

 せっかくの快晴だし、外で食べるのは気持ちいいもんね。


 茜と三人でだべりながらお弁当を食べていると、渡り廊下を歩く鈴木生徒会長と優花里先輩が見えた。


 学校ツートップ美人の2人が並んで歩いていると、美しすぎて目が潰れそう。

 そりゃあ生徒の人気を二分するわけだよなぁ。

 周りの生徒もみんな2人を見てるし。


(……その一人に妙に執着されてたわたしって何なんだろ? すぐ横にも『執着の権化』みたいな鏡子ちゃんがいるけど。もしかしてわたし、モテ期来てる? 2人とも女の子だし、鏡子ちゃんは親友だけど……)


 なんてことを思っていると、優花里先輩がこちらをチラッと見て、笑顔を見せようとしてくれた。

 でも、恥ずかしそうにすぐ下を向いちゃっている。

 対して鏡子ちゃんは、また腕の力が増してきてる。も〜痛いってば。


 その後は何事もなく、放課後。


  鏡子ちゃんはクラス委員の会議があるらしい。

「サキちゃん、待っててくれる?」と懇願されたので、私は図書室で待つことにした。

 ここの図書室ってラノベが多めに置いてあるんだよね。

 何か面白そうなのあったら借りようかな……と棚を眺めていたら。


「あら?」


 という声が聞こえて振り向くと、そこには優花里先輩がいた。


 ぎこちない笑顔を浮かべて、「美山さん、昨日はごめんなさいね」と先輩。


「いえいえ、こちらこそ。ところで昨日は何だったんですか?」


「え? 昨日……」


 先輩は真っ赤な顔でしどろもどろに。

 ……なんか、この人こういうところ、いちいち可愛いな……校内一のクールビューティーのこんな顔、滅多に見られない、レアだよ。

 ガチャでいうとSSRってやつ?ゲームしないからよく分からないけど。


「はい、ここなら(鏡子ちゃんもいないし)大丈夫ですよ」


 わたしが促すと、先輩は意を決したように口を開いた。


「あ…あの……『コアラ』…………って好き?」


「??? あ、はい。可愛いので好きですね」


「そ、そう……良かったわ。それじゃあ」


 え? それじゃあ? コアラが好きか聞かれただけ? 昨日もそれが言いたかったの?


「…うーん、よく分からない人だなー」


「サキちゃん!」


 あ、鏡子ちゃん。会議終わったんだ。


「伊藤先輩と話してなかった?」


なんか怒ってる?鏡子ちゃんの目が、笑っていない。怖いよ……


「うん……話したけど?」


「何話したの!?」


「え? コアラ好きかって……」


「本当にそれだけ?」


「は、はい、それだけです」


「本当?」


疑り深いな〜、「本当だよ! 」


「……そうなんだ、良かったー!」


鏡子ちゃんはパッと明るい表情になった。

一体、他に何を話すと思ったんだろう? 鏡子ちゃんは何をそんなに恐れてるんだろう?


しかし、わたしに強くしがみつく鏡子ちゃんの胸の内は、波立つ水面のように穏やかではいられなかったのです。

鏡子ちゃんの締め付けがどんどん厳しくなっていきます。

何も気付かないのはサキのみです。

鈍感系主人公の本領発揮ですね。

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