第一話 《天鷲》、発進
温かい目線で読んで頂けると嬉しいてす。
アイディアがうかんでは、新しい小説を書いているので投稿頻度が遅い事をお詫びします。
学生ながら頑張ってます。読んでいただけると幸いです。
小型艇〈アルカ・03〉は、《天鷲》の格納ハッチへ吸い込まれるように誘導されていた。
機体表面をなぞる青い誘導灯が、凱斗の胸の鼓動まで照らし出すかのようだ。
機体が完全停止すると、重力プレートの感触が足元に戻ってきた。
久しぶりの「人工重力」の感覚に、凱斗はふらつきそうになる。
ハッチが開き、白い蒸気が吹き出す。
そこに立っていたのは――
「やっぱり生きてたか、凱斗」
短く刈り込まれた黒髪、鋭い眼光。
《天鷲》副長 神無月レイジ。
幼いころからの兄貴分であり、凱斗が軍を離れるきっかけとなった人物でもある。
「レイジさん……どうしてここに?」
「どうしても何も、お前を拾えって命令されたんだよ。うちの艦長にな」
「艦長って……まさか――」
「――入って確かめろ」
レイジが顎で示した先。
格納庫からブリッジへと続く長い通路の奥で、巨大艦《天鷲》の中枢が脈打つように明滅していた。
◆
ブリッジの扉が静かに開いた。
そこには、かつて地球軍第三艦隊を率いた名艦長――
鷲宮トウマが立っていた。
白髪交じりの髪と、鋭くも優しい眼差し。
凱斗が最も尊敬していた指揮官。
そして……地球脱出作戦で消息を絶ったはずの男。
「久しぶりだな、凱斗。よく生き延びてくれた」
「艦長……! 本当に……ご無事だったんですか?」
「無事、とは言えぬがな。だが――戦う力は残っている」
トウマ艦長が立ち上がると、ブリッジ全体の照明が一段階上がる。
《天鷲》の主機がゆっくりと回転を始めたのだ。
「凱斗。お前に頼みたいことがある」
艦長は、巨大スクリーンに映し出された“地球の残骸”を指し示した。
「敵はまだ我々を追ってくる。
この艦だけが……人類の最後の希望だ」
「……《天鷲》を、動かすつもりですか?」
「動かすのではない。飛ばすのだ。
――人類を、未来へ繋ぐためにな」
鼓動が高鳴る。
逃げ続けていた日々が、音を立てて崩れていく。
「凱斗。お前には、
“天鷲航空隊”の隊長として戻ってきてほしい。」
言葉を失った凱斗の背後で、格納庫の航空甲板が開き、
伊勢型航空戦艦を思わせる長い発艦デッキがせり上がる。
並ぶのは最新型艦上戦闘機〈零影〉。
その赤い尾翼が灯りに照らされ、誇らしげに輝いた。
「……帰って、いいんですか?」
「お前の帰る場所は、最初からここだ」
凱斗は静かに息を吸い、そして言った。
「天鷲航空隊隊長――凱斗、復帰します!」
ブリッジが一斉に動き出す。
「主機、臨界点突破! 推力、第一段階!」
「《天鷲》――発進準備、完了!」
艦長が右手を掲げた。
「全員配置につけ。
宇宙航空戦艦《天鷲》――発進!」
巨大な艦体が震え、深宇宙に向けて蒼い尾光を放つ。
人類最後の翼が、ついに羽ばたいた。
完結に向けて頑張って執筆していきますので、「面白い!」「続きを読みたい!」と思って頂けたら、ブックマークや評価をして頂けるとうれしいです!
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