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王都探検

 どうもお久しぶりです。海万です。

 少し忙しくて更新できませんでした。すみません。

『今日は初めての休み。王都を探検するぞ!』


 意気込んだのはいいもののどうしよう。王都広過ぎて迷子になるし人が凄くてもう疲れた。

 甘いもの食べたい。

 と言う事で目に入ったカフェに入る。




 扉を開けるとベルが鳴る。


 コーヒーの良い香りが漂ってくる。

 リラックスできる程に落ち着いて静かな店内。

 憧れだったカウンターの一席に腰を掛けた。


「メニューはこちらです」


「あ、ありがとうございます…」


 メニューを渡してくれる長身細身で白髪白髭の老人のマスター。

 びっくりして緊張で声が小さくなってしまった。

 しかし、すぐさま切り替えてメニューに目を向ける。


 定番のショートケーキ、暑い日にピッタリの冷たいパフェ、シンプルながら奥が深いプリン、フルーツタルトも捨て難い。

 うーん、どうしよう………




 悩みに悩んだ末、食べたくなってきたのでロールケーキに決めた。


「マスター、注文良いですか?」


 緊張を悟られぬよう、精一杯の渋い声で声を掛ける。


「はい、どうぞ」


「ホットコーヒーとロールケーキを」


「かしこまりました」


 カウンターの奥でコーヒーを淹れ始めるマスター。その手つきは精密で繊細、見入ってしまう美しさ。そして入った時とは桁違いの良い香りが鼻腔をくすぐる。

 早くもゆっくりにも感じられる時間が過ぎ、一杯のコーヒーが僕の前に置かれた。


 カップを手に取り、香りを確かめる。

 表現出来ない程の良い香り。

 口に含む。

 美味しく飲める限界まで引き立てられた苦味と深いコク。先刻とは違う芳ばしい香り。

 一口で一日満足したような幸福感に包まれる。


「お前が悪魔の聖騎士パラディンオブフィーンドのエドワード・クレイだな!」


 大きな声で幸福感が飛ばされる。


 誰だよ!僕がコーヒーで最高の気分だったのに!






―――――――――――――――――――――





「予選、やっぱ疲れたな」


 俺はモーブ・ボーム18歳。剣士で探索者ランクはE。前回の新人探索者大会では惜しくも準優勝。

 今年は推薦で予選免除と思っていたのに。

 新人探索者大会の推薦は今回出場可能な前回大会の最優秀成績者が貰う事が恒例となっているのに、その推薦を今回はポッと出の新人に掻っ攫われた。


 クソッ!俺が倒して優勝してやる。


 多少の苛立ちを感じながら王都を歩いていると偶々ある人物が目に入る。


 黒髪であの背格好。後ろ姿だけの判別となるが出回っている写真とそっくりの男、エドワード・クレイ。俺を予選送りにした奴。


 気がつくと店の中に居た。


「俺はモーブ・ボーム!お前に宣戦布告する!」


 エドワードが椅子を回してこちらを向く。


 探索者とは思えない程覇気の無く、緩み切った顔。呆然とした表情。俺の事は眼中になさそうな佇まい。


「俺は新人探索者大会の本戦出場者だぞ!」


 言葉を聞いたエドワードはどこか納得した顔つきになる。そして口を開いた。


「予選突破おめでとうございます」


 動き出しそうな体を理性でなんとか縛りつける。


 今まで経験した事が無い程頭に血が上る。出来る事ならば今すぐボコボコにしたい。


 しかし、その熱さはすぐに少し冷める。熱くなり過ぎて逆に多少冷静になれた。

 多少冷静と言ってもまだまだ腑が煮えそうな程。感情に任せて言葉を放った。


「バカにしてんのか!俺は前回の準優勝者だ!覚えておけ!」


 叫んだモーブは踵を返してずかずかと店を去った。






―――――――――――――――――――――






 結局あれなんだったんだろ?急に知らない人が来て人見知り発動しちゃった。


 情報を全く見なかった僕も悪い所はあると思う。少しは。でもしょうがなく無い?ご飯と修行以外は眠っちゃってたもん。そうそう。僕も2割くらい悪い。ごめん。でも人が楽しんでいるのを邪魔するのはどうかと思うよ。あのえーと、モブさんだっけ?


「お待たせしました。ロールケーキでございます」


「うわぁ、美味しそう」


 過ぎ去った事は捨てて楽しみな方へ意識を向ける。






 この後も休日を満喫した。ロールケーキも最高だった。

 スイーパーさんって実際に居るらしいですね。最近初めて知りました。

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