悪魔の聖騎士日記《カイル・アキリー》其の一
どうも、昨日今日と休んで絶好調な海万です。
働いている方々、有難うございます。
〜6年前、カイル13歳〜
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「ねえ、君達も探索者になる為に王都に行くの?だったら一緒にやろうよ。良いよな、カイル」
幼馴染が同じ馬車に乗っていた4人組の少年少女に声を掛ける。
「えっ、あっ、うん」
いきなり話を振られた為に中途半端な返事になってしまったが、新人とパーティを組んでくれる人は少ないので良かった。
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それから数ヶ月、俺はパーティの魔術師兼治癒術師としてパーティを支えて個人とパーティランクがFに上がった。
「皆んな準備は良い?初めてだから慎重にな」
「ちょっと待って、嫌な予感がする」
とある秋の日、いつも通りダンジョンへ入ろうとしたパーティリーダーの幼馴染を止める。
「どうしたカイル?風邪?」
「今日は辞めた方がいい。嫌な予感がする」
「どんな?」
「言い表せない寒気というか不快感みたいな。王都を出た時は無かった。今日は帰ったほうが良い」
顔を見合わせるメンバー。
少し考えた後に副リーダーの盗賊が話しかける。
「カイルはここで待ってて。少し覗いて来るだけだから」
他のメンバーも盗賊に賛同する。
「そんなこと言うんだったら俺も行く。回復魔法は俺しか使えないでしょ」
しょうがなく一緒にダンジョンに潜る事になった。
探索者の教訓の一つに「嫌な予感がしたらすぐに引け」というものがある。
まだこの時はあんな事態になるとはカイル以外思ってもいなかった。
都会っ子と保安組織のトレード吃驚しました。




