道具の使い方は人それぞれ
うーん、合図ってどんなのだろ?
テキトウで良っか。
「皆さん、頑張りましょう!レッツゴー!」
「…ダサい」
徹底的に研がれたナイフのようなリリスの言葉が突き刺さる。
いや、無茶振りしないでくださいよ。
合図と同時にエンリカとカイルが出る。
カイル目掛けてに真ん中の頭の突進。
カイルは無駄を極限まで省いた滑らかな動作で躱すと、流れる様に頭と首の間に刀を振る。
金属同士がぶつかり合う音が響き、カイルの刀が弾かれる。
カバーするようにカイルの後ろから他の頭の噛みつき攻撃。
エンリカが跳び、カイルの刀と同じような位置に剣を振り下ろす。
再び音が響き、噛みつき攻撃は中断されてボスモンスターの頭が揺れる。
エンリカは攻撃の反動で後ろに下がって着地した。
すかさずランディが魔法で作り出した岩が揺れている頭に命中し、岩が砕ける。
ボスモンスターはビクともしていない訳では無いが、大きなダメージを感じさせない。
ランディが大きな声で指示を出す。
「一旦バック!」
指示に従って2人がランディとゴーレムの後ろへ隠れる。
指示の直後からランディが魔法の詠唱に入った。
ボスは大きなタメの後、三つの首からブレスのように黒い球体状の毒が撒き散らされる。
「風壁」
毒の排出と同時に展開された魔法は僕達に攻撃を一切通さない風の壁となった。
僕からしたら差がありすぎて正確に実力を測定出来ない3人でも手こずるボス。
悔しいが僕に出来る事は無に等しい。
「気合い入れないと斬れないわね」
エンリカが悔しそうにでも何処か面白そうに呟く。
「そこそこ、ボス」
「僕達の錆落としには丁度いいんじゃない?」
「そうだな」
エンリカの言葉にリリス、ランディ、カイルも続く。
当たり前すぎて忘れかけてたけどこれ今攻撃されているんだよね?何「今日の天気は微妙だねぇ」みたいな感じに話せるの?
「よし、じゃあプランCからBに変更。良いね」
「しょうがないわね」「同じく」「…りょ」
ランディの提案に対し微妙な反応ながらも了承する3人。
「プランBレッツゴー!」
「...ダサい」
(一応)リーダーにも容赦なく言葉のナイフを食らわせながらリリスが腰のバッグから出したポーションをランディの風魔法に乗せて投げる。
入れ物はすぐに割れ、ポーションがボスモンスターに掛かる。
「グァァァァァ」
小さいながら呻き声を上げると僅かだが確かに目に見えて動きのキレが無くなった。
「ブースト」
ランディが魔法を唱える。
恐らくだが名前的に強化魔法だろう。
強化魔法は身体能力を短時間飛躍的に向上させる事が出来る。しかし、体の感覚が大きく変わる為殆どの探索者がどうしようもない時以外使わない諸刃の剣でもある。
今度はカイル、ランディ、エンリカがボスモンスターに向かった。
ボスモンスターは先頭のカイルに向かって噛みつきを試みる。
カイルは避けずに刀で受け流す。
「ナイスカイル!」
ランディが杖を体の横へ移動させ、顎を狙いフルスイング放った。
強化されたランディの力で長めの杖をギリギリまで長く持った正真正銘の全力の物理攻撃はボスモンスターの鱗を砕き、首の一つを地面に倒した。
えっ…杖ってそうやって使うもんなの?聞いた事無いのですけど...(ドン引き)
それにランディって魔術師だよね?幾ら身体強化してるからってあんな威力出せるの?(唖然)
無抵抗の首にエンリカが剣を大きく振りかぶる。
首を取らせまいと他の頭がエンリカを襲うが、カイルといつの間にか前線に居たゴーレムが攻撃を防ぐ。
「はっ」
気合いを入れるようなエンリカの声で剣を振り下ろした。
「グギャァァァァァァ」
ボスモンスターの悲鳴が黄蛇の蟻穴内に鳴り響く。
プランB→ぶん殴る
プランC→斬る
悪魔の聖騎士の戦闘能力と描写の表し方が難しい。




