『Hell side 7-7 「 0 1 」』
『Hell side 7-7 「 0 1 」』
女将が部隊に向けて核心を伝える。
「目的は集合無意識のコアである月への到達。集合無意識のコアを本で読み込み、あなた達がゼロ界と呼ぶ境界世界ごと本の中に再構築します」
「え、待って、どういうこと?」
もっとこう、説明を噛み砕けとハリーがリクエストする。
女将が説明を続ける。
「コアのエントロピーが増大して、溢れた意識(CT)がゼロ界を壊して外へ出てしまっている。ゼロ界が持たなくなってきています。地震による洞窟と月の出現は兆候です」
「それを本に閉じ込めようっていうの?」
龍美が確認する。
「本は単純な意識の暴走では破られません。意識は量子を現象化させる素粒子の働き。これを倫理と哲学という言葉でコーティングされた本で包むのです」
女将が難しいことを言う。
「つまり、世界を救うってことだ」
ナイスガイがとても分かりやすくした。事象の少年誌黄金期変換だ。
「その通りです。ゼロ界が崩壊すると、世界は均衡できなくなります。そして、人は自ら滅びます」
女将が、人、自らの滅びを告げた。
全員焦る。まさかそんな大袈裟な話だったとは。
「本のページを開いてください。ゼロとワン、0と1の重ね合わせが確立したことで、温泉地が月へと繋がります」
女将に言われ、本を開く三弥栄。ホテル三弥栄二号館の図面に、別館「ホテル三弥栄 月」が表示される。
月へは、直通エスカレーター「天国への階段」で繋がっている。
「今ここにいる死節者は、これが目的で集められた方々です。そして私は、全てを受け止めることのできる器として三弥栄文楽を見つけました。月の器として破綻することのない倫理と哲学を。あなた達は、新しい可能性です。再生を託します」
そう言い終わると、女将はロビーへチェックインの手続きをするよう案内を始めた。
本の意識は女将を離れたようだ。
「俺が、倫理と哲学?」
三弥栄が混乱する。
「とりあえず、休も」
久慈が休息を優先する。
「俺に、倫理と哲学……」
三弥栄は倫理と哲学を消化しきれない。




