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『Hell side 7-1 落下』

『Hell side 7-1 落下』


7時30分、「ドォーン!!」と音がする。

小型バスがエントランスに落ちてきた。


「そういう感じかぁー」三弥栄は普通に走りそうもないバスの登場の仕方に、この後の展開を予見する。


運転席にドライバーはいない。

自動運転なのか、そもそも運転という概念を使用しないのか。三弥栄は後者の気がしてならない。


7人が乗っても車内はかなり余裕があるので、物資を積み込む。


8時00分、出発の時間を迎える。バスの到着(落下)を見た部隊は、全員言われることもなくシートベルトを着用した。


時間になってもエンジンはかからない。

「ガタンッ」と音がして、バスは落ちた。

窓から上を覗くと上に穴がある。そこから落ちている。今、まさに落下の最中。積み込んだ物資が浮く。空間はただ白い。飛んでいるのか、落下しているのか分からない。


ゆっくりと浮いた物資が落ちて行く。

何かにキャッチされたような圧が全体にかかり、バスは緩やかに落下を終えて着地した。



もう一度「ガタンッ」と音がして落下。

「ドォーン!!」という音と衝撃。


―――静寂―――


部隊は互いに怪我のないことを確認。

「移動」は完了したようだ。


太陽のない青い空。

足元は白い霧が立ち込める。雲の上のような景色だ。


三弥栄がバスを降りようとすると、扉ステップの外に「神様」が通せんぼする。

どっからどう見てもわかりやすい「神様」の格好をした「神様」。H2Bの女医コスプレと同様。


「運賃をよこせ。さもなくば地獄へ落ちるぞ」

神様が運賃払えと金を請求。


「わたしは、構造支配意識・―ワン。この世界の構造主。お支払いしなければ、何かしらに呪われて地獄へ落ちるぞ」


到着早々、神様による、地獄の沙汰のみかじめ料請求が展開された。


「汝、お支払いせよ」

神様がしつこい。


「特殊詐欺だらけの洞窟内だな」と三弥栄は、第一層といい、第二層といい、搾り取ろうとする構造の連続性を「特殊詐欺」と批評する。


「わかりましたー。おいくらですか?」

と財布を出す感じで、三弥栄はとりあえず、本をワンの頭に乗せた。「ぽふぅ」と音がして、続けて「ディロリ・ティロリ」と鳴る。ゼロを乗っ取ったからか、本の仕事が早い。


ページを開くと、「偽・ワン(ギ・ワン)」と書いてある。構造支配意識だと偽称するCT(小)であった。第一層のバックダンサーと同じ立ち位置。


「嘘つき。偽物じゃん」と言って、三弥栄はギ・ワンをデコピンした。


ギ・ワンは「パンッ!!」と爆発して散った。


三弥栄が強い。


本人が身をよじってビビる。

「うわっ、そういうつもりじゃないんだけどっ!?」

爆散したギ・ワンに引く。


恐らく、三弥栄が「強い」のではなく、ギ・ワンが「脆い」


三弥栄の後、準備を整えてバスから出ようと待機したハリーが「何の音?」と様子を窺う。


三弥栄は振り返って「神様の格好したCT(小)が金をせびったのでデコピンしたら爆発した」とハリーに伝えると、「あれのこと?」とハリーが指を指す。


三弥栄が振り返るとギ・ワンが再び通せんぼをしている。

「汝のお支払い拒否を確認。もれなくバチが当たる」


「┄┄ 八百万のギ・ワン ┄┄」


視界からギ・ワンが遠のいていく。

バスが、湧き出る大量のギ・ワンたちに押し上げられている。ギ・ワンの個の脆さが統制された強い塊へと変わる。喰らい合うCT(小)とは別の慣性が働く。


体感・肌感で、数百メートルの高さ。

バスが落とされる。

自由落下。バスは確かな質量。自由落下によるダメージはCTからのダメージではなく、物理定数によるダメージ。


第一層から第二層への移動を目的とした落下とは違う、バチ(死)を当てるための落下。


回避しなければ全滅する。

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