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『Hell side 2-4 死節、管理部』

『Hell side 2-4 死節、管理部』


地下4階。

「地獄へ道づれと呼んでいる」

所長が説明する。

『死節管理部』

三弥栄と所長は部屋の前に立ち、扉にぞんざいに貼られたテプラシールを眺める。


施設と死節。意味合いが違う。


「指定の時間、ここへ入ると、地獄へ堕ちる。死節して地獄の底から掴んで戻れ」

所長が分かってる人が分かる人にしか分からない言葉で語る。何言ってるのかさっぱりである。


「死節?死節ってなんすか?」

「振り向かないことさ」

「道連れってなんだ?」

「躊躇わないことさ」

説明の熱量が別ベクトルを向く。


「ははは、心配すんな大丈夫。資料付きでちゃんと説明するからさ」所長は笑う。


「とりあえず、死節管理部ってのはこの部屋のこと。んで、ナイスガイとH2Bは地獄を通って死後の世界に行き、力を手にして戻って来た、ゼロケイ(OK)と呼ばれる任務に就く者だ」


世界観。世界観を捉えなければならないと三弥栄は理解する。今まで考えていた世間様とは別の現実を認めなくてはならない。新世界だ。


三弥栄は休憩を挟んで研修室へと連れられた。


「死節する貴方へ」

机に置かれた資料の表紙である。三弥栄は「する」こと前提に少しカチンと来た。マイナススタートである。


所長、ナイスガイ、H2Bが揃う。研修は所長が仕切るようだ。「改めてまして、研修と言うか、ざっくりとした説明を担当します。エキナのセキュリティセンター所長の久慈です」


久慈久治くじ ひさじと資料作成者の名前も表紙に記載されている。フォントのセンスを含め、年配者おっさん特有のデリカシーと世代間意識の欠如が所々に感じられ、ちょっとした配慮に乖離がある。一抹の不安を覚えつつも研修はスタートする。


ナイスガイは首肩を落としながらヨダレを垂らして意識を失い、H2Bはクルクルする椅子で左右にクルクルしている。久慈は2人を放って置く。


「では、この研修の目的から、資料のページを開いてくれ」

三弥栄は表紙を捲り、研修室のモニターにも同様が表示される。


【目的】

1.暴走列車意識クレージートレインの破壊

2.クレージートレインは集合無意識下の意識の偏りが連結して発生する。無意識下の調和状態を崩す

3.2の意識が世界へ現象する(分断や戦争を招く)ことの阻止

4.集合無意識下をOK牧場と呼んでいる


1ページ目から難易度が高い。

三弥栄は真面目に聞くべきか迷う。

所長は書いてあることをこの通りに読んだ。


なんかよく分からないので三弥栄は自分なりに咀嚼する。

「つまり、力の目的は、さっき行った場所で執着の塊みたいな偏った意識と戦うためってことですか?」


「正解」

所長が告げる。


三弥栄は“凄いじゃん”みたいな顔されてムカついている。

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