『Hell side 6-8 時刻合わせ』
『Hell side 6-8 時刻合わせ』
ここ(第一層)をどう(構造)したいか。
三弥栄はH2Bの回復を優先と考え、ゼロが元々設定していた温泉宿コンセプトを引き継いでアップデートすべしと思考を着地させた。
「ここを、温泉地とする」
三弥栄の宣言をきっかけに、第一層の景色が変わる。
ハイセンスなホテルのエントランスが形成され、ロビー、ラウンジと繋がる。無人の巨大リゾート温泉施設が顕現した。インフラは整い、各部屋の内風呂は源泉掛け流し。ゲーセンと卓球台も利用可能である。
「最初はロゴスを地で行った」
三弥栄はマジモンの神話かよと「内心」で突っ込んだ。
「何をした、三弥栄!?」痒いところに手の届くアメニティコーナーの充実にハリーが驚愕する。
「ナイスガイ、とりあえずH2Bをどっかの部屋に運ぼう」龍美がH2Bの手当を段取りする。
「三弥栄君も一皮剥けちゃったね」
虎太郎がゼロに掛けて言う。
「上手いこと言う~」
久慈が乗っかる、おっさんの乗り。昭和の香り。
「これを、今、俺がやった(構造した)のか?」
三弥栄が一番驚いている。想像して言葉にしただけ。余りにも簡単だった。
恋愛市場主義の構造支配意識を乗っ取った三弥栄の意識。第一層は三弥栄のプライベート(妄想)空間となった。部隊(他人)が踏み入れている。おかしなことを考えないようにしなければならない。取り扱い要注意である。
「この本……何がしたいんだ」
The Bookを手に持つ三弥栄。本が、自分にこの力を使わせることの真意を掴めずにいる。
ロビーの壁にバスの時刻表が貼ってある。
【エントランス発 第二層行き(片道) 8時00分】
この1本のみの時刻表。
三弥栄が時刻表を見てる横に、H2Bを運び終えたナイスガイが並ぶ。
「あー、これ乗って次行くんだ。不思議だなぁ。なっ、三弥栄、不思議だなぁ……」
「不思議ですねぇ」
ナイスガイの間も不思議だ。
「H2Bは意識戻って横になってる。部屋が綺麗だって喜んでたよ」
「よかった、ありがとうございます」
「俺はあんな感じにアレしちゃうことがあって、その度にああしてアレにアレしてもらってるから、H2Bは大丈夫なんだけど、心配かけてすまん」
ナイスガイは三弥栄に謝ってどっか行った。
タオルを持ってたので多分大浴場だ。
ゼロ界来てから昼夜の感覚がなくなっている。ゼロ界は日本標準時ではないので【エントランス発 第二層行き(片道) 8時00分】がどのタイミングなのか分からない。ロビーの時計はアナログ。短針長針9時00分を指す。この時計を基準に11時間後を出発時間と見るのが妥当。
何れにせよ、割と時間があるので、三弥栄も大浴場にて湯に浸かった。
風呂から上がってお肌つやつやの部隊員は、手持ち無沙汰なので、虎太郎と三弥栄のバフデバフ問題をどうするか話し合いながら、第一層の外にあるプレハブの物資をホテル三弥栄(言い出しっぺ不明)へ搬入。
全員、汗をかいたのでもう一度風呂に浸かる。
虎太郎と三弥栄は大浴場でも協議を重ねるが、ラクリモーサ以外のバフデバフの効果は狙って付与されていないことが判明。調整を諦めることにした。
H2Bもゆっくりと温泉に浸かり回復。全員艶々となり、時計をホテル三弥栄時間に合わせ、時間一杯、仮眠した。




