『Hell side 5-3 謝罪』
『Hell side 5-3 謝罪』
三号生筆頭として巨大化したナイスガイは、プレハブ1棟を担いでダッシュして洞窟へ向かった。
久慈が「ああぁー、物資!!丁寧にっ!!」と叫んだが、ナイスガイは既に離れ、遠く雄叫びが聞こえる。
「龍美、哨戒かねて追える?追いつけたら丁寧に運べって伝えて」虎太郎が龍美へ指示をだす。
「了解」龍美はジャケットを脱いで左手を挙げた。
「ドラゴラミ(部分龍身)!!」
ブレスレットが龍美の背中へ回りドラゴンの翼が現れる。「じゃ」っと一言告げて、飛び立つ。
「ドヒュンッ!!」っと空気を鳴らして滑空。凄いスピードだ。
「あれがドラミ……」
三弥栄があれに喰われるかもしれないのだろうかと考えていると、「あれはドラゴラミって言って、龍美の身体にドラミの一部を機能させた状態だよ」と虎太郎が教えてくれる。「ドラミは左手を龍にする能力、ドレスがドラミを纏う能力」とのこと。
ドラミにも色々な事情があるようだ。明かされていく部隊員それぞれの様々なアイテム能力に三弥栄は「なんでもあり(バーリトゥード)か」と、驚きより突っ込みが先立つ。
龍美が戻ってきた。翼を羽ばたかせながらゆっくりと着地する。飛翔の勢いを殺しながら部隊へ近づき、「物資大丈夫そうだよ、ナイスガイに丁寧に運んでって伝えて来た。見た感じCTの発生もなかった」と報告する。
「了解、報告ありがとう、単独行動は危険なので引き続き先行したナイスガイと合流してくれ」虎太郎が龍美へ継続の指示をだす。
「了解、行きます!!」と言って再び飛び立った。
洞窟前、プレハブが見える。部隊がナイスガイと龍美に遅れて到着。龍美が飛んできて、「ナイスガイ負傷!!」と言いながらH2Bを羽交い締めにして飛んでった。部隊も急ぐ。
到着すると、ナイスガイが血まみれで百鰐(大)を裸絞にしている。三弥栄には見覚えのある光景。
ナイスガイが「捕まえといたから」と言ってニコリと笑う。そこかしこ噛まれて出血していたようで、片足は千切れており、H2Bが全て破壊復したそうだ。ゼロ界隈は四肢がよく千切れる。あるあるらしい。
ナイスガイと龍美が洞窟前に到着してプレハブを置いた後、百鰐(小)が湧き始めて、折角だからと大になるのを待って捕獲したとのこと。ナイスガイだけ負傷しているのは、彼の戦闘スタイル。
「三弥栄、試してみよう」
三弥栄の横にいたハリーが本の使用を勧める。
気付いたら、三弥栄を溶かしかけて悪気を感じている虎太郎以外の部隊員が自分を呼び捨てにしている。熊問(小)に変態した後あたりからだ。部隊との親しみ、悪くないと思っている。
「では、遠慮なく」と言って締め上げられた百鰐(大)の腕辺りへと本を接触。「ぽふぅ」と音がして読み込んだ。仕上がりまで(小)は10分。(大)はどれだけかかるのかと思っていたら「ティロリ・ティロリ」と音がする。
「はやっ!?」
仕上がりが早い。(小)で基本情報解析が完了しているからだが、三弥栄は事情に気づくはずもない。
「揚がったね?」
本への読み取りと仕上がりを確認したナイスガイが百鰐(大)の首を雄叫びをあげて捻り切る。百鰐(大)の首が転がり分解されて消えた。
黒帯の真の力を知ってから見るナイスガイの有様は、純粋の底に「帯びる」ドス黒い狂気を三弥栄に感じさせていた。
「キモいんじゃ、ボケェ!!」
ナイスガイの背中を蹴り倒して「もうちょい綺麗に戦わんか、血なまぐっさい。物資限られてんだから洗濯も考えっ!!」とH2Bがガチのトーンでナイスガイへ説教する。
ナイスガイは「ごめんなさい」と120度に腰を折って謝った。




