『Hell side 4-6 おかわりいただけただろうか』
『Hell side 4-6 おかわりいただけただろうか』
魔法瓶から注がれるハーブティーによる自己陶酔がもたらす、「女子無敵」の境地。ハリーは輝きを放ち切る。
1杯のハーブティーがハリーにもたらす「女子無敵」の境地は凡そ5分。
後に訪れるのは「ダウンタイム」
茶を飲んで無茶苦茶したので身体がほんのちょっぴり、本人にしか気が付かない程度に浮腫む。
浮腫んだ状態ではハーブティーを摂取したとて「女子無敵」の境地へは届かない。
自己陶酔、自己肯定、女子力の爆発は体調管理という日々の弛まぬ「努力」が土台となる。
そして訪れたダウンタイム。
本人はまだこの制約に気づいていない。
「なんかすごい。なんかすごく良い感じ。これが私の女子力」
キラキラの輝きが収まったので続けて魔法瓶からハーブティーを注ぐ。
どこから生成された液体であるかは、想像するしかないが、3杯目を注いで飲んでも、浮腫んでるので能力は発動しない。
「え、何で?」
能力が発動しないことにハリーが戸惑う。
「あれだけの能力だ、恐らく何かしらの制約があるはずだ」虎太郎が告げる。
能力使用後に起きる浮腫みが制約。次に能力を使うには浮腫みケアが必要であり、浮腫み取りの時短にはピラティスが有効と気付くまでは暫く掛かる。
「わかりました。気を付けなくちゃ」
制約と聞いて、ハリーはモデルとしての体調管理をイメージした。
そして、CT「百鰐」
恐らく、発生間もない成長仕切っていない「百鰐(小)」。これまでのCT、ナイスガイが頚椎を折ったダイロクテンマオ、熊問(大)、これらは小が喰らい合って人型、「大」と成った完全体。今後百鰐(小)が責任のない者が発する無責任な言葉による「炎上」を起こし、次々と湧く可能性が大きい。
行うべきは、(大)生成の阻止、もしくは(大)の分解。どちらも厄介である。
部隊は情報を確認しながら基地を目指す。遠目にも半壊していると分かるプレハブ群が見えてきた。
「あれが、基地?」三弥栄が口に出して疑問する。
基地と聞くとしっかりした建付けの頑丈な造りを想像するが、崩れ掛けのプレハブ小屋が5つ並んでいる。
「そう。前哨基地。まあ、緊急時の物資と寝床を置いてみた感じだな。初めて使うんだけど、壊れてるなこりゃ」久慈が初回使用だと説明する。
「ティロリ・ティロリ」
「あ、また何かしらが揚がった」
ナイスガイが音を拾う。
「10分です」三弥栄が経過時間を伝える。
読み取り開始の接触「ぽふぅ」から「10分」が経過して何かしらが揚がった音がした。つまり、「百鰐(小)」が本に仕上がった。
後は本を開いて音読すれば変態。のはずだが、三弥栄は渋る。日に三度もやるべきではないと、あらゆる所から出血して倒れた記憶が新しい。
躊躇する三弥栄へ向けH2Bが「私がいればお変わり自由だよ。血反吐する度々、叩き治してやるわ」と地獄のようなセリフを吐く。
好きにしてくれと、やけくその覚悟を決め、三弥栄は本を開いて熊問(小)の次のページにある、「百鰐(小)」を確認。
「百鰐(小)」と音読した。




