『Hell side 3-8 魔法瓶使い』
『Hell side 3-8 魔法瓶使い』
ストレッチャーの上、横たわる死節者(ハリー堀田)から宇宙服外して、封印テープ(目、耳、口)を外す。
三弥栄の時と違って、髪の毛もしっかり保護されており、毛を切ってテープ剥がすようなことはない。
三弥栄は「よかった」と、自分の時のように雑(散切りカットやむ無し)な取り扱いをされておらずホッとしている。
意識なく横たわる死節者(ハリー堀田)は、半目で白目を向き、口半開きで涎ている。鎮静剤からのテープ封印による余韻だ。
「あれ?こんな綺麗な人だったの?」
そんな状態であっても三弥栄は驚く。確かにOSで声掛けした時はメモ見てて対象であるハリーを見ていなかった。ハリーはモデル。カリスマが、崩れてもなお、魅了する。
三弥栄が恐る恐る肩を揺する。
「大丈夫ですか?分かりますか?元気ですかー!!」
薄ら目を開け頷くハリー。
「車椅子に乗ります。移動しますよ」
三弥栄がそう言って、ナイスガイがハリーを抱え、久慈がセットした車椅子へ乗せた。
H2Bが保守(扇子で扇ぐ)する設備室Oへと急ぐ。
14時11分 設備室O
H2Bの扇子保守によりシャボンは無事に漂っている。
三弥栄が意識をなくしている死節者(ハリー堀田)を再度起こす。
「起きて下さーい、分かりますかー、元気ですかー!!」
ハリーが目を覚ます。
「あ、ああ、みゃあぅ、おう、みゃーさか」
鎮静剤の影響による呂律の回復に時間を要している。
「そうです、私が三弥栄です」
三弥栄はシャボンを指差す。
「あそこに浮いてるアレ、見えますか?アレ、あなたのアイテムです。自分で手に取って下さい。そうすればアイテムもあなたの魂も安定します。後は帰るだけです」
H2Bの導き(扇子)でシャボンはハリーの手元へ触れて割れた。
ハリーが「魔法瓶」を手にしている。
「安定確認」
久慈がアイテムが安定したことを確認。
「このまま、30分安静にして下さい。あとは戻るだけだから大丈夫です。心配しないで」と三弥栄が死節者(ハリー堀田)へ伝え、ハリーは再び眠りにつく。
14時43分 死節管理部前
三弥栄は眠る死節者(ハリー堀田)を起こして説明する。
「これから、あなたが来た部屋に戻ります。扉が閉まったら、反対側のに現れる扉の内側から、鍵を開けて扉を横引きに開いて、このストレッチャーを押して外へ出て下さい」
死節者が説明に頷いたのを確認して三弥栄は続ける。
「あなたのアイテムはこれ。確定しています。これ、ここに置きますね。魂が安定したので、帰りは心配なく帰れます」そう言いながら、ハリーの確定したアイテム「魔法瓶」をストレッチャーの上、宇宙服のそばに置いた。
「では、立てますか?」
三弥栄が手を貸して死節者が車椅子から立ち上がり、ストレッチャーに捕まる。
「では、OK牧場でまた会えるのかな?その時はよろしくお願いします」三弥栄がそう言って死節管理部の扉を開けて、死節者の背中をそっと押す。
促された死節者はゆっくり歩いて部屋に入っていった。
14時45分、OS側 死節管理部前。
扉が開き、中からストレッチャーがカラカラと出るのに続いてハリー堀田がよたよたと部屋から出てきた。
「モロレタ」(戻れた)
呂律の回復は浅い。
ハリー 堀田、地獄へ道連れ、完遂。
「魔法瓶使いハリー」のバースデーである。




