『Hell side 3-2 イメージどおり』
『Hell side 3-2 イメージどおり』
「いい髪型だな」
三弥栄は所長に言われて鏡を見る。
顔に巻かれたテープを剥がすのに、くっついた髪の毛を切られたようだ。野性味漂う散切り頭。能力開花の音がする。
鎮静剤の効果も治まり、三弥栄は研修室で部隊へ報告を行った後、ゼロケイ第一部隊員とする旨の辞令を受ける。
そして、「本」
三弥栄が死後の世界からお持ち帰りに成功した「アイテム」である。
茶色の革によって製本された、重厚な「本」。気品と趣を感じるが、全く開けない。なので、「本」とは言ったが、実は手帳かも知れないし、ノートかも知れない。何が書かれているのか、書かれていないのか、中身が確認出来ない。
ただ、表紙に「The Book」と書かれてある以上、「本」としか言いようがない。
「どうやって使うのかしらね」
H2Bが言う。三弥栄が1番知りたい。
「皆さんはどうやって使い方知ったんですか?」
三弥栄が尋ねる。
「黒帯は腰に巻くだよ」
「ZIPPOはタバコに火を付けるだろ」
「パイプ椅子で殴るでしょ」
三者が答える。どうやら死節者がアイテムに持つイメージどおりの使い方した時に能力が発動するようだ。
「本は読むよなぁ」
三弥栄は言いながら両手でこじ開けようとするが、そもそもページに分かれてない。一個体固形の様相で本は開くのを拒む。
三弥栄以外の三者もそれぞれ試したが、ナイスガイの破局的な力を持ってしても本は開かなかった。
あと、パイプ椅子は折りたたみが出来て持ち運びに便利な座るための道具であって、決して「殴る」物ではない。どこぞかの団体から何かしらの圧力が掛からないように予め言っておく。個人差、見解の違いはあれど、所有者、いや、死節者の魂の現象だから、そうやって能力が発動しているのである。
他の三者は通常世界でも道具としてなら普通に使える。巻けるし、火を付けられるし、座れる。能力がゼロ界やCT由来の成分にしか発動しないのであれば、「本」はおそらく、OK牧場での対CT戦においてのみ、能力が発動されると思われる。
「実戦本番で分かるだろう」
なんてことが、三弥栄の報告とゼロケイ第一部隊配属の辞令通知の場で共有された。
「今日の任務はここまで、明日以降、OK牧場でのパトロール任務及び、CT発生時の解体任務に就いてもらう。よろしく頼んだぞ」
所長に激励を受け、三弥栄は気を引き締める。
強烈な1日を終えた三弥栄は思う。
「これ、第二部隊があんの?」




