『Hell side 2-1 ゼロ階』
【The Book of two worlds Hell side】
(ザ・ブックオブツーワールズ 地獄面)
この物語は「The Book of two worlds 2-1」の分岐別バージョンから始まります。
『Hell side 2-1 ゼロ階』
三弥栄は眉をすぼめたが、所長は構わず続けた。
「そうだな、その顔になるのもわかる。ただまあ、そう言う話だ」
所長は、三弥栄の考えを察したように言葉を継ぐ。
「あれは幽霊で、お前を地獄へ堕とす」
「え?やっぱ呪われたんですか?」
想像してた以上に想像通りだった三弥栄は、こりゃ呪われたと察した。
「三弥栄、お前、力が欲しいか?」
所長がパワー(力)ワードを口にした。
「なんすか、唐突に。力ってなんすか」
話の筋がもう一段階怪しくなって、三弥栄の言動が守りに閉じていく。所長の話を信じていない。商品(この石とか壺の力があれば地獄に落ちませんよセット的な何か)を買わされると思っている。
現に三弥栄は何度かそう言う商品を買わされている。
「言った所でそうなるよな、見せるから一緒に来い」
所長は三弥栄を連れてどこかへ案内するつもりだ。
「OK牧場はどうなってる?」
所長が隊長に確認する。
「ナイスガイが9時30分から既に始めています」
「内菅井か、行かないと終わってしまうな。先に牧場見学しに行く」
「了解。ナイスガイ、こちらセンター、所長が道連れ連れて牧場見学に行く、調整できるか、どうぞ」隊長が無線を送る。
「こちら、内菅井、了解。捕まえておく。どうぞ」
「こちらセンター、捕まえておく旨、了解。以上」
「よし、行こう」
所長に連れられて三弥栄はセキュリティセンターを出る。
施設内のエレベーター前から所長が無線を飛ばす。
「センター、こちら久慈。エレベーター起動とゼロ階停止設定願う。どうぞ」
「こちらセンター、エレベーター起動とゼロ階停止設定完了。とうぞ」
三弥栄は所長と起動したエレベーターに乗り、所長が普段は無い停止階「ゼロ階」を押して無線を飛ばす。
「センター、こちら久慈。起動とゼロ階設定確認。以上。」
三弥栄はここへ来て「本当になんか様子が違う」と思い始めた。
エレベーターがゼロ階に停まって扉が開く。
目の前に、人を羽交い締めにして裸絞キメる警備員(?)がいて、地下へ降りたはずのエレベーターの扉から出た先は外。とても広い平野の真っ只中にいる。
三弥栄はやばいことに巻き込まれたのだと実感した。