第3話 転移特典
書いては書き直しを繰り返していたら日数が経ってしまいました。
※セリフの「」が『』になっていたので訂正しました。
「そうかそうか。行ってくれるか」
神様は嬉しそうに頷く。
「それで、神様!アイテムってどんなものをいただけるのでしょうか?」
そんなアニメの主人公みたいなチャンス、ワクワクしないわけがない!とグイグイと食いついていく。
「まぁ、そう急くな。まずはアイテムから渡そう。」
そう言うと、神様の手が光りだし、白い光が収まると手のひらに銀色のブレスレットが出てきた。
「ほれ。」
俺は神様からブレスレットを受け取る。
「まず、このブレスレットの機能は、お主のおった自衛隊という組織の装備を異世界に召喚することが出来る。しかし、装備を呼び出すには代償となる【ポイント】が必要じゃ。【ポイント】はお主の敵となる者の領域に潜伏して居る。敵を倒す。人助けをするなど様々な事を世界の理が儂の代わりに判別する事で貯めることが出来る。簡単に言えば、同じ人種の為になる事をすれば貯まると判断してくれて良い。何事にもタダで手に入る物はないということじゃのぅ。」
なるほど。ポイントを貯めつつ、変換して装備を呼び出すんだな。
ただ、人種という言い方が聞き慣れないが…
まぁ後で聞けば良いだろう。
「使い方は腕に嵌め、【オープン】と唱える。すると【メニュー】が開かれる。お主の世界でいうスマホを参考にしたからの。初めてのお主でも操作に悩む事は無いじゃろう。」
「そして、このアイテムはお主が装備すると外せなく無る。儂が授ける神器を、悪用される訳にもいかんのでな。ユニークアイテムというやつじゃのう。外せなくても汚れたりする事は無いように清浄も付与しておいたのじゃ。」
おぉ、すごい便利アイテムじゃないか。
これなら異世界でも安心…出来るかもしれない。
しかし…
サービスし過ぎでは無いか?
「更に転移特典でスキルも3つ選ばせて付与してあげよう。」
なんか怪しい…
こんなにサービスしてくれるには何か理由が有るのでは?
恐らくそんな顔をしていたのだろう。
「どうした、難しい顔をしておるの?」
「いえ、神器のブレスレットを貰って、更にスキルもとなると、些か貰い過ぎじゃないかと思いまして。」
「なるほどの。お主を送る世界には野生動物よりも遥かに強力な魔物に、人種と一括りにしてはおるが、力に特化した竜人や魔法に特化した耳長族など、様々な種族が居る。お主の居った地球には存在しない者たちが居るところにポイッと送って、さっくり死なれても流石に寝覚めが悪いからの。儂からの新しい人生のお祝いとでも思っておいてくれんかの。」
まぁ、神様もそう言うなら貰えるものは有り難く貰っておこう。
「わかりました。ありがたく頂戴します。スキルを選ばせてくれるということですが、選ぶほど多くあるのですか?」
大体ゲームとかでも数はたかが知れているが、今度の世界にはそんなに沢山のスキルが有るのか〜。とか思っていると。
「よっこいしょ。」
神様が昭和の電話帳みたいな分厚さの本を、空間の裂け目から取り出した。
「この本には全てのスキルが網羅されておる。さぁ、選ぶのじゃ。」
それ、床に置く時にドスッと音がしたけど、ちょっと分厚過ぎない?
「いやいやいや、神様、いくらなんでもこれを読みながら選んでたら時間がいくらあっても足りないですよ。」
ちょっとペラペラ捲ると電話帳みたいな細かい字でビッシリ書いてあるんだもん。
しかも指を鳴らすと火が出るとか、釣りの釣果が大物になるとか微妙なスキルもビッシリ載っていた。
「ただ、それだとスキルを選べないんじゃないかの?」
「例えば思いついたスキルを神様に伝えるとかはどうでしょう?無ければ時間をいただいて、その本から選びます。」
アニメやゲームの知識があるから試しに強いスキルを言ってみよう。似たようなスキルがあればそれを、無ければ諦めてあの本から選べば良いかな。時間はかけても良いみたいだし。
「それでも良いぞ。無ければ無いと答えることになるが…」
「かまいません。欲しいスキルは収納と身体強化、言語スキルです。」
「よろしい。まず、1つ目の収納スキルは無限収納を授けよう。収納スキルは本来、魔力量に応じて収納出来る量が決まるのじゃが、そこは神様パワーでチョチョイといじって収納量は無制限にしておこう。」
おー!容量が無制限となると旅にはピッタリだ。ゲームでも容量制限が有るゲームは戦略性は上がるけど、現実世界では戦略うんぬんより生きるか死ぬかに直結することだからね。無制限はありがたい。
「2つ目の身体強化は体力+や強靭+、筋力+など更に育っていくスキルじゃ。今回は体力+と強靭+にステータスを振った状態で付与しよう。残りはお主自身の力で育てていけば良いじゃろ。」
「スキルは付与されてからも強くなっていくのですか?」
「そうじゃ、スキルには無限収納のように育つことの無い固定スキル。そして、スキルポイントを使用し、スキルツリーへステータス振りをする事で育てる強化スキルがあるのじゃ。スキルポイントはスキルの持ち主の経験などがポイントとして付与されるからの。様々な経験をお主が積むことでスキルは強くなっていくのじゃ。」
「では、向こうの世界で新たなスキルを獲得できる事もあるという事ですか?」
「もちろんじゃ。例えば、剣の素振りを続ければ剣術スキルが、料理を続ければ調理スキルが付くのじゃ。お主が向こうの世界で行う行動次第で様々なスキルを獲得できるのじゃ。」
「スキルを持てる数に制限はあるのですか?」
「保有数に制限は無いのじゃ。同じ様なスキルを獲得した時は勝手に合成されるからの。心配することも無いのじゃ。」
じゃあ、異世界でスキルを集めて俺tueeeも出来るってことか。俺tueeeは好みが分かれるけど、俺も男の子だからね。やはり憧れるんですよ。
「で、3つ目の言語スキルも大丈夫じゃ。地球と同じ様に、これから行く世界にも複数の言語と文字があるのじゃが、言語スキルがあれば話す、聞く、書くに不自由なく過ごせるじゃろう。」
防大時代には英語の他に第二言語を学んだけど、やはり苦労はした。でもこのスキルがあればコミュニケーションのすれ違いとかで苦労する事は無くなるだろう。
「まぁ、スキルは使いながら覚えていくがよい。自分のステータスは【ステータス オープン】と唱えれば見ることが出来るからの。ちょこちょこ確認するがよい。」
「ありがとうございます。異世界楽しみだなぁ。」
神様にこれだけお膳立てしてもらったんだ。俺は異世界を楽しみながら生きていこう。