第2話 神様との邂逅
「おーい!」
頭がぐわんぐわんするなか、近くから声が聞こえる。
俺はどうなったんだ。たしか確認に行って、辺りが真っ白になって。。。
少しづつ意識がハッキリとしてくるなか、先程の声がまた聞こえる。
「おい!いい加減、聞こえておるじゃろう!」
ガバっと頭を上げると真っ白い空間に寝かされていた。
「やっと起きたか。」
声の方に顔を向けると、白いヒゲを伸ばしたおじいさんが居た。
「えーと、どちら様ですか?」
「神様じゃ!」
その白いヒゲのおじいさんは自らを神という。
俺は思わず何言ってんのって顔をしてしまったのだろう。
「お前さんがどちら様と聞くから神様と答えたのじゃが信じておらんようじゃの〜?」
おじいさんは頬をポリポリ掻きながら困ったような顔をする。
「いえ、あまりにも突拍子が無くて。。。
でもここはさっきまで居た森とは違う場所ですし。。。
もしかして自分は死んだのでしょうか?」
白い光に包まれたところで記憶は途切れている。
「残念ながら、お主は雷に打たれて死んだのじゃ。」
「そうですか。。。」
雷に打たれる可能性ってメチャクチャ低い可能性だったっけ?とか結構呆気なく人生って終わるんだな〜とか思っていると、
「しかしお主は運が良いのぉ〜。たまたま儂が下界を覗いてる時だったのだからのぉ。普通、雷に打たれるとかあり得ないんじゃが。あまりの運の無さが可哀想だったのでな、こうして儂の空間に呼んでみたのじゃ。
で、ものは相談なのじゃが、お主、儂の管理する別の世界で続きの人生を謳歌してみないかの?」
おっと、いきなりアニメとかラノベで聞く様な質問が飛んできた。
「それってアニメとかでよく聞く転生ってことですか?」
「いいや。転生は別の世界で赤ん坊として産まれることなのじゃが、今回は今のお主の年齢、性別、見た目のまま移動するからの。いわゆる転移にあたるかのぉ。地球では死んでしまったが違う世界へ行くのであればその姿で行くのにも問題も無いじゃろう。」
転移か。。。
元の世界に嫁や子どもが居るわけではないし、唯一気になる事は母親が悲しみむだろうなということだけだ。
ん?待てよ?こういう異世界モノは魔法やら魔物やらが付きものじゃないか?
「その世界って魔法があったり、魔物がいたりするのでしょうか?」
「魔法あり、魔物あり、何なら魔王も居るのぉ。」
『それって自分が行って大丈夫なのでしょうか?』
少なくとも自衛官の俺は一般人に比べると体力には自信があるが、魔物相手に戦えるとは思えない。
「心配かの?心配じゃよな〜。じゃから、儂から転移先でも困らない特典をプレゼントするのじゃ。」
「特典!?」
「そうじゃ。お主は自衛隊という組織で自衛官という職についておいたのじゃろう?その自衛隊で使っておった装備やら色々を異世界でも使えるアイテムを授けよう。」
それなら生き残れるか?と思った俺は、
「行きます!」
そう答えていたのだった。
※セリフの「」が『』になっていたので訂正しました。